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SECOND YOUTH~二回目の青春~  作者: 六依由依
第五章:いつものわたしじゃいられない
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第3話:思考と夢の境界


私は屋上に立っていた。

いつもより少しだけスカートを短くしただけなのに、緊張が止まらない。


・・・ふぅ、

軽く息を吐く。



そう、私の前には牧原さんが立っている。


牧原さんは少しづつ近づいてくる。

私はそれを受け入れようとしている。



牧原さんの顔はいつになく真剣で、私の目ををじっと見据えている。


もう顔と顔が触れてしまいそうな距離だ。

そんな時、牧原さんが急に私の両肩を掴む。


反射的に私はビクッと震えるが、抵抗はしない。


さらに私と牧原さんの顔と顔の距離が縮まり、



そして・・・





------





----------






「・・・っはぁあっ!!」

飛び起きる。

いつもの私の部屋だ。


・・・けど、



何あれ!?何あれ!?何あれ!?何あれ!?


私と、牧原さんが・・・?


私と牧原さんはまだそんな関係じゃないはず!




そのまま反転し、俯せになって枕をホールドする。



夢だから内容はそこまで鮮明には覚えてないけど、間違いなく、

昨日見た恋愛ドラマみたいな内容だった!


なのになんで私と牧原さんなの!?



私・・・そんなに牧原さんの事、意識してる・・・?
















学校に行ってからも、夢の存在が気になって仕方なかった。



夢にまで見るなんて、おかしいよ。

私はまだ、そんなに恋い焦がれて変になってしまうような状態ではないはず。


でももしかして、心の奥底、私が気が付いてない無意識の世界ではもう既に・・・


「ねぇお姉ちゃん」


確かに最近牧原さんのこと考えると、もうちょっと親密な関係になれたらなーとか考え出すし


・・・やっぱり私、牧原さんに・・・?


「おーい、お姉ちゃーん?」


「え?あ、何?鈴」


「いやなんか上の空だったから」


「そっ、そんなに?」


「うん。一回呼んだだけじゃダメだったくらいには」



やっぱり私は変になってしまっているのかもしれない。





昼休み。

私は考えていた。


牧原さんの事じゃない。


私全体の事だ。

私は、人の悩みを聞いて、できれば解決しようと頑張る、お悩み相談を行っている訳だけれど、

私自身、悩みが無い訳じゃない。


私の身体の事も、

海のトラウマの事も、

本庄さんの事も、

牧原さんの事も、


まだまだ解決していないし、その方法だってわからない。


「・・・はぁ・・・」

やっぱ人生すべてうまくいくなんて事ないよねぇ・・・

なんて、一年と半年ちょっとしか経験してない私が言う事じゃないんだろうけど




「やっぱ今日の由依変だよ?」

朱音さんにも言われる。


牧原さんの事考えると思考が深くなっていくから、

違う事考えて気を紛らわせようとしていたが、結局その思考が深くなっているようだ。




「さっきからずっと上の空だし、何考えてんの?」


「うん、まぁ、色々と・・・」


「慎二の事?」


「えっ!?いや・・・その・・・それもあるけど・・・」

それだけじゃないし。

ちゃんと私自信の事も考えてるし。



「あのー」

不意に後ろから声がする。


「うん?」

振り向くと、そこには牧原さんが。


「ひゃゎい!?」

いいいいつの間に・・・っ!?


「こっそり後ろから声かけろって・・・何させたかったんだ・・・?」


「ん?いや、ただ由依の様子がおかしかったからビックリさせたかっただけ」


「ま、牧原さん・・・っ、え、と、その・・・」


牧原さんの顔を見た瞬間、あの夢が脳裏に浮かぶ。


恥ずかしさが急に沸き起こって、顔を見れない。


「え、えぇっと・・・こ、こんにち・・・は・・・?」

視線を逸らしながらボソボソとつぶやくように言う。




「うーん・・・確かに様子がおかしいな・・・」


「え、えっと・・・おかしいってのは、こんなじゃあなかったんだけど、まぁ、今も別の意味でおかしいね・・・」


「そうなのか・・・俺に出来そうな事はなんかあるか?」


「いやー・・・ここからは女子だけの問題かなー」


三人が話してる間、

何か言おうと思ったが言える言葉もなく、

じっとしているのも耐えられなくて、何処でもない所に視線を向けながらモジモジしているしかなかった。




牧原さんが去った後、二人は私に問い詰めてくる。


「随分と乙女モード入ってるね・・・昨日までそんなじゃなかったのに」


「これはなんかあったね?」


「いや、その・・・」

あったというか、夢に見たというか・・・


「妄想でもしてた?」


「そっ・・・そんなんじゃないから!」

妄想・・・そんなことはしてない・・・はず。


「理由なしで一日でこうなるなんて、何かあったとしか思えないよ」

詰め寄られる私・・・

夢で見たなんて、恥ずかしいから言いたくないんだけど・・・


「ほら、笑わないから・・・私だってそんな時期あったし」


「そうなの?」

朱音さんも経験あるんだ・・・


「うん。初恋の時にね。慎二じゃないよ?」


「ふぅん」


「だからさ、言っちゃいなよ、言えば楽になるよ?」

お悩み相談でよく私が言う奴だ・・・

もう、逃げられない。言うしかない。


「えっと、その・・・夢に・・・牧原さんが出てきて・・・」


「夢?」


「うん・・・で、恋愛ドラマみたいなことしてて・・・恥ずかしくなって・・・」

全部言った。言っちゃった。

言っちゃえば楽になるよとは言われたけど、楽にはなってない。恥ずかしさが増しただけだ。


しかし、


「あっ、わかるー」

私の勇気ある告白は、そんなあっさりとした共感に塗りつぶされた。


「・・・え?」


「あるよね、夢の中でなんか甘い雰囲気になってて後で死にたくなるの」


「待って。そ、そこまでは行ってない、行ってないから!」

そんな感じじゃなかったから!

・・・でもあのあとそのまま続いてたら・・・


「ホントに?顔赤いよ?」


「ホント、ホントだから、そうなる前に起きたから!」


「もし起きてなかったら?」


「・・・・・・わかんない・・・」


「まぁこれで確定だよね。お姉ちゃんやっぱり慎二君のこと好きだよね」


「・・・うん・・・そうかも」


「かもじゃなくて」


「・・・好き・・・です・・・」

何言わされてんだろう私。






昼休み中いじられまくったけど、

皆似たような経験があるらしい。





でも、結局牧原さんと面と向かって話せないのは変わらないよ!?

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