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SECOND YOUTH~二回目の青春~  作者: 六依由依
第五章:いつものわたしじゃいられない
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第2話:裏生徒会長

学校が始まってから新江先輩を問いただしたところ、


「あれ?六依君とあの男の子が話してるとこ見てたら、あ、これはキテるなって、いやー、長いこと人間観察してるとわかるもんだよ?」


「その、拡散するのだけは止めてください・・・」


「そこはまぁ、お悩み相談の借りもあるし、信用できる人以外には伝えないよ」


「な、ならいいんですけど・・・」

御堂姉妹は信用できる人なんだね。


新江先輩といえば、気になることはもうひとつ。

「そういえば。先輩、告白って、どうなりました?」

先輩、一度告白したいって、私にお悩み相談してきた事がある。

その結果は何も聞いてない。


そんな問いに、先輩は一言も発することなく、

グッと親指を立てて笑うだけだった。


フラれてそんなリアクションする人は居ないだろうし、まぁ、上手くいったんだろうね。





ひとまず、全校生徒に拡散される危険性が無いことを確認し安心した私は、いつも通り生徒会室のドアを開ける。


「やあ六依君」


「あれ、今日は会長だけなんですね」


「そうだね」

そこにいたのは生徒会長、一条和也いちじょう かずや先輩ただ一人だった。

三年生、受験シーズンだというのに、生徒会の仕事をこなしている。

「会長、受験勉強は大丈夫なんですか?」


「うん?ああ、大丈夫だよ。志望校はA判定貰ってるし、むしろ、生徒会でやり残した事をやっておかないと気がすまなくてね」


「へぇ、すごいですね・・・」


私は未だに会長の弱点という弱点を見たこと無い。



「そういえば」

私はふと気になったことを聞いてみる。


「会長って、どうして生徒会に入ったんですか?」

すると会長は仕事をピタッと止め、こちらを向いて言う。


「気になるかい?・・・本当は内緒にしたいんだけどね」

相変わらず笑っているけどそれは苦笑いに見えた。


「あっ、言いにくいんなら、別に・・・」


「でも、六依さんには、言わないと不公平だよね」


「それはどういう・・・?」


「秘密を告白してくれたじゃない?だったら、僕だけ秘密ってのも、ズルいだろう?」


「そ、そういうものでしょうか・・・?」


「まぁでも、僕が生徒会に入った理由が気になるのは事実だろう?」


「それは、まぁ・・・はい」


「じゃあ教えてあげるよ、」



そして会長の過去の話が始まった。

それは、開幕から私の予想を大きく裏切っていた。








「実はね、この学校は、僕にとっては、滑り止めだったんだよ」


「そうだったんですか?」


「うん。実はもっと難しい所に行きたかったんだよ。だけど、落ちちゃったんだよね。だから、入学直後は、学校に通うモチベーションが保てなかったんだ」


「・・・」

会長の意外すぎる過去。


「まぁ、不良になる勇気も無くて、ただ目立たないだけの一生徒みたいな感じだったよ」

ははは

と自嘲するような乾いた笑いの会長。


「でね、その時に、ちょっと不良生徒と喧嘩になりかけた事があるんだ」


「えっ!?」


「いや、そんな物騒なものじゃないよ、ちょっと肩がぶつかった時に、こんなやつに謝るの嫌だなって、謝らないでいたら厄介な事になっただけだよ」


充分物騒な事だと思うけどなあ。


「で、そこを助けてくれたのがその時の生徒会長ってわけだ」


「なるほど」


「その時に「君は一年の一条和也君ね・・・あまりああいう輩と面倒は起こさないでね」ってそう言ってたんだよ」

会長は、普段は感じられない、とても嬉しそうな雰囲気を漂わせながら続ける。


「あの生徒会長は、僕の名前と顔を知ってたんだよ。その時の僕は、入学して数か月。部活にも入っていなければ、優等生でも不良でもない。目立たない地味な学生だったのに」


「今の会長と似てますね、その生徒会長」

一条先輩も人の名前をいっぱい知ってる。


「僕が生徒の名前を覚えようとしたのは、この人の影響もあるからね。で、その時、言い方は悪いけど、こんな学校にもこんなすごい人が居るのかって、そう思ったんだよ、で、生徒会に入ったってわけ」


「へぇ・・・」


「今考えると、人の名前覚えてただけで凄い人だ!なんて感じたのはおかしな話だけど、実際あの人は凄かったよ。活力とか、統率力とか、とにかく、周りを見つつ前に突き進む行動力があった」


「その人の事、尊敬してるんですね」


「そうだねぇ。僕がこうやって、今前向きに行動出来てるのもあの人のお陰だね。もしあの人と会わなかったら、僕は高校受験に失敗したあの時点で、いろいろ諦めてたかもしれないね」


「その人は今どこに?」


「さぁ・・・あの人はここを卒業した後、連絡が付かなくなっちゃったからね。どの大学に行ったのかも知らないし、もし会えるなら、お礼の一つでも言いたいんだけどね」


窓の外を眺めながら会長は笑う。


まぁ、いつも笑ってるけど。



「いつか会えるといいですね」


「うん。まぁあの人の事だし、どこかでひょっこりあったら、僕の事も覚えてくれてるだろうね」


「そうですね」

会長も、その人の事、かなり信頼してるんだなあ。







「いろいろ教えてくれて、ありがとうございました」


「こんなので大丈夫かな?」


「はい。・・・なんていうか、会長の意外な面が見れて、面白かったです」


「そう言ってくれると嬉しいよ」



もうすぐ会長は卒業しちゃうけど、その前にいろいろ聞けて良かったと思う。


でも意外だったなぁ。まさかこの会長が受験に失敗してたなんて・・・

でもなんだかんだ有名大学に普通に行けそうな辺り、とても会長らしい。

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