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SECOND YOUTH~二回目の青春~  作者: 六依由依
第四章:お悩み相談生徒会
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第5話:文化祭前準備


秋の空は好きだ。



他のどの季節より、

空がからっぽで、雲ひとつ無い夏の空よりも、

そこに何も感じない。


眺めていると、何か物悲しくなってくる。

吸い込まれそうになる。


それが、なんでかクセになる。




「ちょっと由依?」


「えっ?あっごめん」


今私たちは、文化祭の準備の真っ最中。


私のアイデアが(くじで)採用された、ファンタジーというテーマで始まる文化祭。


私のクラスは、魔法使いを模したポテトを販売する、

マジックポテトの出店らしい。

らしいというのは、私は生徒会役員なので、その会議には参加出来なかったから。


「由依は午後から見回りなんだから今は手伝ってよ」


「あっ、ごめんごめん」


物思いにふける暇もない。

クラスは大忙しだ。


力仕事は無理なので、簡単な書き物を任される。



マジックポテトと書かれた看板に、カラフルなペンで星やらハートやら、キラキラとした飾りを描き込んでいく。



マジックポテトってなんだろう。



「ねえ彩音さん。マジックポテトってなんなの?」


「いろんな味と色のソースをかける蒸かし芋だってさ」


「ふーん」


そんな話をしていたら二人のスマホが同時に震える。


「ん?なんだろ・・・・・・・・・あ、本庄さん、デビューの日時が決まったって」


「ふーん、12月24日・・・イヴじゃん!PeacE.やるねぇ」


「まだ2ヶ月も先だね」

ライブには、私達は見に行くって約束してる。

私との関係は不明瞭だけど、ライブ自体は楽しみ。









午後は生徒会で見回り活動だ。


「具体的には、何をするんですか?」

星野さんが聞く。私も気になる。


「基本的には、きちんとルールに則っているか、無理のある計画ではないか、準備に致命的な遅れは生じていないか等です」

副会長の須藤さんが説明してくれている。


「出店物の場合、基本は調理済みで、パック詰めされているものが条件です。屋台は、調理機具が使えるので、よく加熱すれば、未調理のものも可能です」


へぇー、そんなルールがあったんだ。




「ところで須藤さん?」


「何でしょう?三島さん?」


「文化祭、楽しみにしてる?」


「は?どういうこと?」


「いやぁ、須藤さんずっと堅い顔して楽しくなさそうだもの」


「顔だけで判断しないでよ」




三島さんと須藤さんが話している横で、私たちも別の話をしている。





「へー、クラスメートにPeacE.の新規メンバーが・・・」


「な、内緒にしといてね?広めて良いって聞いてないから」


「うん。わかった。秘密にしとくよ」

話題は本庄さんの話。クラスメイトの一人が人気アイドルユニットのメンバーになったなんて話、

食いつかない人は居ないんじゃない?


「って事はさ、由依ちゃんって本条さんと仲いいの?」


「う、うーん・・・鈴たちとは良さそうだけど、私はあんまり・・・」


「そうなの?なんか六依さん誰とでも仲良くできそうなのに」


「前に会った時、あんたには絶対負けないからって、ばっさり言われちゃって、あんまり私の事良く思ってないみたい」

未だ理由はわかっていないし、その後会話があった訳でもなく、

それが原因で何か新しい問題が起きたわけでもない。


「でもその子と由依ちゃんて特に接点無いよね」


「うん・・・言われたの初対面の時だし・・・何が原因だったんだろう・・・」


「うーん・・・六依さん、なにか目立つこととかって、したことある?」


「目立つこと・・・」

自発的に目立とうとしたことは、そこまで多くはないけど、

初日の自己紹介からいろいろ目立ちっぱなしだとは思う。


「入学式の日の自己紹介で自分の身の上全部話したから、そういう意味では目立ってたと思う・・・かな」


「それが気に入らなかったとか?」


「えー・・・?なんで?」


「・・・なんでって言われると・・・わからないけど・・・接点無いのにいきなり「絶対負けないから」なんて言われるって・・・それくらいしか・・・」


「・・・うぅん・・・」

そうだよね・・・私の名前も知らない人が私に対して何かしらの感情を抱くはずないし、私の名前を知った、その第一印象が悪かった。以外に考えられる事なんて・・・


・・・あ、


「そういえば、初めて会った時に、クラスメートなのにそれに気が付かないで話しちゃったのもあるかも・・・朱音さんとかは気づいてたのに、私だけ・・・」

クラスメイトの名前や顔覚えて無かったってやっぱりまずかったかな。


「あー・・・それちょっとショックだよね」


ううん・・・それが原因だったのかなぁ


明確な回答は出ないまま、見回り対象の教室に到着したため、この話は一旦終了になった。



・・・やっぱり、一度直接聞いてみるしかないのかな。










見回りを終え、自分たちのクラスの出店に戻ると、

雰囲気が一変していた。


「お、おかえりお姉ちゃん」


「すごい雰囲気出てるね」


「でしょ?」


マジックポテト屋さんは、キラキラの装飾でカラフルに装飾されて、

とてもファンタジーな雰囲気だった。


「はい、売り子衣装」


「ん?」

鈴から何か手渡される。


広げてみると、フリフリのピンクの丈の短いドレスのようなものだった。


「・・・何これ」


「魔法少女の衣装」


「コスプレ?」


「うん」

まぁ・・・魔法使いテーマだし、そこまで場違いではない・・・けど・・・


「なんで私に?」


「着てみてよ、似合うかもよ」


なんで!?ここで?


「いや、私、生徒会の仕事あるから売り子とかしないよ?」


「あ、そっか、ざんねーん」

そう言って鈴は衣装を回収すると、屋台の裏の箱にしまった。



もし仕事なかったら着せられてた・・・?


鈴なら似合いそうだけど、私は無理だって。

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