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SECOND YOUTH~二回目の青春~  作者: 六依由依
第三章:夏休みサマーデイズ
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第14話:最後の一日


夏休み最終日。


「うー、やべー終わらねー」


「最初の方にかなりやってたのに?」


「それで油断してた・・・・・・」


鈴は宿題に追われている。

夏休み序盤にあんなこと言ってたのに・・・



私は生徒会長の言う通り、宿題を分割して、きちんと終わらせた。

鈴がだらだらしてたショッピングの日だってちゃんとやったんだよ?

海に行ったあの日から数日はちょっといろんな事に手が付かなかったけど・・・



「由依ー?」

ふと私の名前を呼ばれる。

お母さんだ。


今までもそうだけど、夏休み、海に行ったその日から、さらに過保護気味になった。

私がトラウマを患ってしまったからな訳だけど、

その原因を作ってしまった鈴と彩音さんは、悪気があった訳じゃないから、あまり強く言及しないで欲しいと、私から言っておいた。



「何お母さん」


「今日は大丈夫なの?」


「うん、平気だよ」


私のトラウマは何のきっかけも無しに起きるものじゃないって、何度も言ってるのに・・・


基本的は、足が付かない水深の水。海。不安定な水に浮かぶもの。

辺りに反応する。


「じゃ私明日の準備してくるから」


「気をつけてね」


「もー。そんなに心配しなくても大丈夫だから」



お母さんと別れ自分の部屋へと向かう。


「・・・ふぅ・・・」


部屋に着いて、一息。

階段を昇るだけで少し息が乱れるのは相変わらずだ。


さて、明日の準備をしておかないと、

とはいえ、明日は始業式だけなので、用意するものなんて大したものは特にない。


早々に終えてしまった私は、ここまでの人生をぼんやりと振り返っていた。

雑音の無い静かな場所だと、だいたいそんな無駄に深い思考に落ちる。



去年、6月に目覚めた私は、一切合切何も覚えては居なかった。

自分の名前も、家族の顔も、妹が居たことも、友達の存在も。


そんな私を助けてくれたのは、他ならぬ、家族だった。妹だった。友達だった。


何も覚えて居ない私を、皆は覚えていて、

それが、悲しくて、有難くて、申し訳なくて、幸せだった。

そんな皆の助けがあって、私は高校へと進学することができた。

沢山の人たちと交流し、仲良くなって、青春を送るために。

その目標は達成できているだろうか。

友達はできた。生徒会に入って、いくつかの交流もできた。


でも、まだ足りない。

・・・と、思う。


4ヶ月の学校生活で、友達!と言える人は、鈴を除けば4人。

最初の友達、朱音さん。

その幼馴染、牧原さん。

生徒会の同級生の、東原さんと、星野さん。


知り合いクラスの人たちならもっといっぱいいるけど、

これって、高校生の平均としてはどうなんだろうね。


学校の内外で楽しいことも、そうでない事も、色々経験してきたけど、

後期は、もっといろいろな人と仲良くしていきたい。


夏休み明け、私の事が事細やかに校内新聞に載って拡散される。

そこには、大きな悩みを抱えた人の助けになりたいと、そう、書かせてもらった。


一年生なのにおこがましいかもしれない。けど、

誰かの役に立ちつつ、誰かと仲良くできるなら、

一年生でも、活動的に動いたっていいじゃない?



でも、



・・・もし、誰かの役に立てなかったら?

その選択が、間違っているとしたら。

私を、疎ましく思っている人がいたら?


・・・私はどうすればいい?


私は一人の生徒を思い出した。

「六依由依。あんたには絶対負けないから」

そう私に向かって言い放ったクラスメート。

本庄未來さん。



彼女は、私に対して、どんな感情を抱いているのだろう。

あまりいい感情とは思えなかった。


私は時折悲観的な思考に陥る事はあれど、

大丈夫、そんなことは無い、とその悲観的な思考を行動に反映させたことはあまり無かった。


いままで、それでも問題は無かった。

だけど、私の知らない所では、実はそれが裏目に出ているのかもしれない。




「由依ー?ちょっと入るわよー?」

外でお母さんの声がする


「はーい」


私が返事をすると、お母さんが入って来る。


「何の用?」


「あなたの部屋クーラーも無いのに30分も降りてこないから・・・」


「だから、大丈夫だって・・・」

今日そんなに暑くないし。


「そう?なんか不安そうな顔をしてるけど・・・」


「え?そ、それは・・・」

心当たりは無い訳じゃない。


「なんかあるのね?母さんに言える事?」


「一応・・・」


「言ってごらん?」


一応、お母さんに話してみた。

私の選択は、間違ってはいないのかどうか。



「なるほどねぇ・・・」


「どう、なのかなって・・・」


「別にこのままでいいんじゃない?」


「そ、そう・・・?」


「うん。あなたの選択は間違ってないわ。嫌う人はいるかもしれないけど、きっと、喜んでくれる人の方が多いと思うわ。」


「・・・」


「だから、胸を張っていい事だと思う」


「うん、わかった」


「もちろん、それを由依自身が嫌になったら逃げてもいいのよ」


「それは・・・どうだろう・・・」


「ま、何にせよ無理はしないでね」


「うん」



お母さんからのお墨付きも貰い、私はよしっ、と気合いを入れて立ち上がる。


明日からは、もっともっと頑張ろう。

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