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SECOND YOUTH~二回目の青春~  作者: 六依由依
第三章:夏休みサマーデイズ
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第11話:ビーチ後半戦


「・・・なんだ?どうかしたか」


二人が戻って来たので牧原さんについての話が中断になって、

つい二人で牧原さんを見つめてしまっていた。


「ううん、なんでもないよ」

「なんでもなーい」


二人ではぐらかして、昼食にする。





「はい、焼きそばだよ」


「うんありがと」

鈴から焼きそばを受け取って食べ始める。


正直そこらの焼きそばとさして変わらないけど、

特別な時に皆で食べる食事は美味しく感じるっていうのをひしひしと感じる。

食事すら楽しい。


「ほら由依」


「ん?」

振り向くと彩音さんがたこ焼をこっちに差し出している。


「あーん」

えっ

ちょっと恥ずかしいよ・・・

でも好意を無下にするわけには・・・


「あ、あーん・・・」

意を決して口を大きく開ける、


途端すぐさま口にたこ焼が突っ込まれる。


「んぐぅ・・・・・・・・・あふっ!」

熱っ!

やっぱりたこ焼でこれはマズいって!


「はぁーっ、はぁーっ」

飲み込めず噛めず吐き出せず、とにかく息を吸い吐きして、熱を排出する。


「あれ?ご、ごめん!これそんなに熱くなかったたからいけると思って・・・・・・うわ熱っ!最初の一個だけじゃん適温だったの」




そんなトラブルがあったものの、無事(?)昼食を終え、午後の部へと突入する。













「お、落とさないでね・・・」

震える声で懇願する。


「大丈夫大丈夫。落ちたら捕まえてあげるから」


「だから落とさないでって・・・・・・」


私は今、大きなビニールベッドの上で寝転がり、海の上を漂っている。

私・・・泳げないのに!













「泳げなくても海に出てみようよ」

「えぇ・・・恐いよ・・・」

「その為の、これ!」

「何・・・これ?」

「ビニールベッドだよ。慎二、空気いれよろしく」

「そう来ると思って、足踏み空気入れを持ってきたぞ」

「ちっ」

「なんで舌打ち・・・」

「待って、どうやって使うの?」

「膨らませたら水に浮かぶマットレスになるから、それに乗ってー」

「波にさらわれて落ちちゃったりしたら・・・」

「常に私達が近くにいるから大丈夫だって」

「本当・・・?」

「本当本当!大丈夫だって!」








波が起こる度にベッドは大きく上下して、踏ん張る私の重心移動に合わせてぐらぐらと揺れる。

心許ない事この上無い。








一際大きな波を受けて、ベッドが傾く。


「うわわわわわ、落ちる落ちる落ちる!」


なんとか堪えようと反対側に重心をかけるが、無駄に終わりそう。



必死の抵抗も空しく、私の体はもう横向きになっている。

そしてそのまま重力に負け



「あっ、きゃぁああ」



私の体は海へと飛び込ん・・・・






「だ、大丈夫!?」


「ん?鈴?」

私はまだ海の上にいた。

どうやら鈴が支えてくれているらしい。


「あっ、ごめん無理かも」


「え?」


直後私はお尻から水に触れる感覚のあと、背中足頭確かめるまもなく全身海に没した。


待って待って、待って!

私は泳げないんだから!


空気を求めて水面を欲す。

だけど、そこまでどういけばいいの?

目を開けてはいられない。どこがゴールか分からない。




触れる水を掻き分けて、足元の水を蹴り落として、必死にもがく。






顔が水面を裂き、空気に触れる。


「ぁっはあぁっ!」


待ちわびた空気に、息を吐き、新しい空気を吸い込む。


だけど、たったそれだけの行為をしただけで、また私の体は沈んでゆく。



助けて!

たった四文字が叫べない。



何回か水面に顔を出すが、一回呼吸をするので精一杯。



まだっ、まだ待って!

手足は既に悲鳴をあげ始めている。こんなこと、もう数度と繰り返せないだろう。


けども、まだ死にたくはないので、もがくしか無い。





そんな終わりの見えない恐怖を感じている時、



っ!


必死に動かしている右腕がいきなり動かなくなった。

「おい!大丈夫か!」

誰かに腕を掴まれてる気がする。



そしてそのまま水面まで引っ張られた。

「っあふぁっ」


水面から出た瞬間、呼吸を再開する。

今度はすぐ沈んでしまうなんて事は無かった。


安堵感と、今までの恐怖感から、涙腺が熱い。


視界がぼやけて良く見えない。

海水か、それとも涙か。


「はぁ、はぁ、はぁ」

呼吸できる事を確かめながら、周囲を見渡す。


「良かった、大丈夫みたいだな」


「あ・・・・・・」

私を引き上げてくれたのは牧原さんだった。


「うぅ・・・んぐ・・・牧原さぁん・・・・・・」

涙腺も感情も何一つ抑える事が出来ず牧原さんに頭を押さえつけて涙を流す。


「あぁ・・・と、とにかく、浜に戻るから、背中につかまってなよ」


「・・・・・・うん・・・」


浜に戻るまで、私は牧原さんの背中にしがみついたままずっと泣いたままだった。







「うぅ・・・・・・ぐず・・・・・・うぅぅぅ・・・・・・」

浜についても、結局泣き止めなかった。


「とにかく、助かったよ。慎二が来てくれなかったら・・・」

「わたし達じゃお姉ちゃんを引き上げられなかったかもしれなかったよ・・・うん・・・」



「はぁ・・・泳げない人を沖に出したりすんなよな」

「「ごめんなさい」」

「それはこいつにいってやれ」


「「由依(おねえちゃん)・・・ごめんなさい・・・」」

「・・・ぐず・・・ひぅっぐ・・・」


私が落ち着いて話せるまで、三十分くらいかかったらしい。

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