第3話:水着選びは女子の華
「さてと・・・どんな水着にしようかなー」
水着コーナーにやって来た私達は、皆各々の求める水着を探し始める。
だけど、私は、未だにどんな水着にしようか決められず、
適当にコーナーをぶらついているだけだった。
ずっとそうしてるわけにもいかないので、鈴と話してみる。
「鈴」
「何お姉ちゃん」
「鈴はどんな水着にするの?」
「うーん、パッションカラーで元気な感じを出していきたいかなー」
「パッションカラー?」
「オレンジとか黄色とか、そういう元気な色」
「へー、なんか鈴らしいね」
そんな事を話していると、朱音さんも寄って来る。
「でも鈴くらいの見た目でそれだと、子供っぽくならない?」
「それは、まぁ形でカバーするしかないよね」
「ってなるとやっぱり・・・」
さっきからいろんな用語が飛び交っているけど、私は全然理解できない。
タンキニ?タイダイ?何それ?
私はただ見ているしかなかった。
「そうだ、由依はどんなのがいい?」
「ぅえ?」
突然振られて変な声をあげてしまう。
びっくりしたときいつもこうなっちゃうのなんとかしたいな・・・
「わ、私・・・?えっと、まだわかんない・・・」
「うーん。そっか、なんか希望とかは無いの?」
希望?希望かぁ・・・
「希望・・・ちょっと手足が細すぎると思うから、そこらへんなんとかできるやつがいいな・・・」
「はーん・・・細いのをなんとかできる水着ねぇ・・・」
朱音さんは腕を組んで考え始める。
「じゃあ色は白っぽい薄い色で決定だね」
「だね」
鈴の提案に朱音さんが二つ返事で肯定する。
「そうなの?」
「白系の薄い色は全体的にシルエットが大きくなるんだってさ」
「私達にとってはネックだけど、由依にとってはちょうどいいかもね」
「へー、そうなんだ」
何か話すたびに勉強になる。
美術部に顔出しに行ったとき聞いてみようかな。
「あ、ほら、こんなのいいんじゃない?」
鈴が水着を一着持ってくる。
ほぼ白と言える薄い水色の水着だった。
「ほー、いいんじゃない?希望叶えてるし、由依にも合いそう」
朱音さんからの印象も良さげだ。
上はヒラヒラした布が付いていて、丈の短い可愛い印象だった
「フレアトップって言うんだよ」
「ふーん」
下は普通の水着に、巻きスカートのようなものが付いている。
えっと、これ、なんて言うんだったっけな・・・
「パレオだよ」
そうだ、パレオだ。これは知ってた。知ってたよ。出てこなかったけど。
「とりあえず隠すならパレオだよね」
「ほらほら、とりあえず試着室行ってきなよ」
鈴に押されて、試着室に押し込められる。
まぁ・・・着てみるけど・・・
服を脱いで、水着に着替えてみる。
あ、結構可愛いかも。
試着室は狭くて暗いので、鏡で見える姿は暗く近いけれど、
悪くは無いと思う。
すると、外から声が聞こえる。
「どう?着てみた?」
「うん。一応」
「どれ、ちょっと見せてよ」
「外誰も居ない?」
いくら水着ショップと言っても、プールでも海でもない所で水着はやっぱりちょっと抵抗がある。
「大丈夫だって、試着室外向いてないから」
そろりと試着室のカーテンを開けると、そこに居たのは二人だけだった。
「おおー、いいじゃん。可愛いじゃん」
「雰囲気にもあってるよね。似合ってるよ」
「そ、そう?」
二人に称賛されて、ちょっと嬉しくなった私は柄にもなくくるりと回ってみる
「「あっ・・・」」
途端二人の何かに気づいた声が聞こえる
「え?何?着方間違ってた?」
「あ、いや、そうじゃなくて・・・」
言い淀む朱音さん
「・・・ちょっと、気になるじゃん。何見つけちゃったの?」
「いやさ、由依の背中、傷あったの忘れてて・・・」
「あっ・・・」
すっかり私も忘れてた。手足の事ばっかり考えてたけど、
そういえば背中もそうだった・・・
「一応その水着でも半分くらいは隠せるけど・・・どうしよっか」
「全部隠せるのってあるの?」
一応聞いてみる。
「まぁ、あるにはあるけど、背中も手足もーてなると、どうだろうね」
「可愛くまとまってる水着の中では結構隠せてるほうだよねこれも」
「うん」
「そっか・・・じゃあ、このままでいいかな・・・」
「お姉ちゃん的には背中の傷が見えてるのって、どうなの?」
私の傷?
うーん、確かにきになると言えば気になるけど、
それは私が見られて恥ずかしいってよりも、見た人が私の事をどう思うかって方が気になる。
でも、
「気にはなるし、ちょっと恥ずかしいけど、いつまでも隠し続けられるものじゃないから、多少は仕方ないかなって」
「一応隠そうと思えば隠せるよ?」
「でも、それに拘り過ぎて、それ以外が微妙な感じになったら本末転倒だしね」
「まぁ、本人がそう思ってるなら大丈夫か」
「ってことは、お姉ちゃんの水着はそれでいいの?」
「うん。こういうのに詳しい二人に選んでもらったし」
「由依はどう思ってるの?やっぱ最終的な決定は由依にやってもらわないと」
「私?うん。私もこれすっごい可愛いと思う」
「よしっ、決まりだね」




