第2話:オシャレ能力と私
二日後
つまりは皆で水着を買いに行く日。
鈴と一緒に、集合場所へと歩いている。
朱音さん曰く、都会の方まで出るから、気合い入れてきてね。
との事だが、
中学以前の私が残した服しか持ってない私にはあんまり関係無いのかもしれない。
一応持ってる服の中では、それなりにお洒落っぽいやつを着てきたけど・・・
もう家出ちゃったから遅いけど、鈴に聞いといた方が良かったかな・・・
「鈴、」
「何?」
「私の服、おかしくないかな・・・?」
妹ではあるけど、人生経験的には鈴の方が長い。
私はまだ一年ちょっとだし、そのうち半分以上は病院生活だし、私の人生経験は無いも同然だ。
「うーん・・・」
鈴が私の服をジロジロ観察してくる。
そんな近くで見なくても・・・
「おかしくはないかなぁ。可愛いと思うよ。でもちょっと古いかもね」
「古い・・・古いかぁ」
五年前の服だし仕方がないとは思う。
「水着以外にもいくつか新調しないとね」
「そうだね」
私の高校生としての世間知らずが露見している私。
駅前に付くと、朱音さんはもう待っていた。
集合時間まではまだ5分ある。
「あ、来た来た、おーい、こっちだよー」
遠くで朱音さんが手を振っている。
「ごめん、どのくらい待った?」
「うーん・・・2分も待ってないね」
「よかったぁ」
「じゃ、行こうか」
「うん」
そう軽く言葉を交わし、私たちは速やかに駅構内に向かう
・・・んだけど・・・
「・・・・・・・・」
「どうしたの?由依?」
「あの・・・私駅電車使った事無くて・・・」
切符を買わなきゃいけないっていうのは分かってるんだけど・・・
「家近いから、必要無かったんだよねー」
鈴がそういいながら戻って来る
「えーっと、切符だよね。確か・・・」
無事切符を買えた私もなんとか電車に乗り込み、向かい合わせの座席に座る。
「まぁ都会って言ってもそんなにザ、都会!みたいなところには行かないけどね」
「高いもんね、運賃」
「これから買い物にいくのに、電車賃でいっぱい持ってかれたら冗談じゃないしね」
クーラーの効いた車内で、3人で笑い合う。
話題がひと段落したので、今日集合してから思ってた事を言ってみる。
「・・・朱音さんっておしゃれだよね」
今日の朱音さんは、ラフな感じで、露出は多いけど、下品じゃなくて、
濃い色合いだけど、うるさくなくて、アクセサリーがアクセントになってて可愛くまとまってる。
朱音さん自身のキャラクターともマッチしてて、とてもおしゃれだった。
私も自分のに合うコーディネートとかしてみたいなぁ
「私?そうかな?」
「うん。私より全然おしゃれ」
「それはお姉ちゃんがあんまりこだわってないからでしょ?」
「一応気を使ってはいるよ?・・・その、5年前の服・・・だけど・・・」
「5年前・・・ってことは自分で選んだ服とか持ってないの?」
「うん・・・」
「じゃあ、それも見たりしておかないとね。由依の女子力アップ計画も考えておかなくちゃ」
「何それ・・・」
「何って、文字通り由依の女子力を上げる作戦だよ」
「そ、そこまでしてくれなくても・・・」
「でもあんまりわかってないでしょ?そういうの」
「・・・うん。よくわかんない」
「じゃあやっぱり私たちが教えてあげるよ」
「ありがと」
「ようし、そうと決まれば!・・・っていっても、今日は水着選びだから時間が余ったらでいい?」
「え?あ、うん。いつでも大丈夫だよ」
「一応海行く時までにはやっとかないとね」
私の周りの友だちは、皆良い人ばっかりで、なんか申し訳なくなる。
目的地に着いた私たちは店に向かって歩いていた。
「ショッピングモールってみたこと無いかも」
「わたしもあんまり使わないなー」
「すごいよー?色んなショップが揃ってるからね」
「へー。どんなお店があるの?」
「ほら、これ」
朱音さんがパンフレットを見せてくれる。
「・・・ほぼ全部衣服って書いてあるけど・・・」
「まぁファッション系のモールだしね。ブランドショップとか、靴特化とか、デニム特化とか、いろいろあるよ」
「ふーん。そうなんだ」
「だ・か・ら、由依の女子力アップ計画もここでやるよ」
そのショッピングモールは、朱音さんが言った通り、どこを見ても、衣服が陳列されていた。
店舗のイメージは結構バラバラで、バリエーション豊かだった。
「ほんとに服ばっかりだね」
「各ショップでやっぱり個性があるから、みんなお気に入りのショップがあるみたい」
「へー」
個性かぁ・・・店舗の雰囲気は結構違うけど、並んでる服の違いは今見てもよくわかんないや。
「あ、あったあった。ここが水着の店だね」
少し歩いた先にひときわ南国感あふれる店がある。
ここが今日の目的地。
海の為に、で水着を選んで新調するのだ。
私に似合う水着はあるかな?




