第13話:生徒会一年生の会
生徒会活動を終え、解散となった放課後、
鈴達の所へ向かおうとした私に、声をかける人がいた。
「ねえ、六依さん」
「ん?」
振り返ると、そこにいたのは、
同じ生徒会役員の一年生。
東原 浩司さんと、
星野 八恵さん。
「ちょっと今日、時間開いてたりする?」
「時間?まぁ・・・開いてる、けど・・・」
私自身はこのあと特に予定は無い。帰るだけだ。
その帰宅に、鈴が必要なんだけど。
「じゃあさ、ちょっと帰りにミテン寄っていこうよ」
「ミテン・・・?」
「近くの喫茶店の事だよ」
「へぇ・・・そんなのあるんだ」
もう少し詳しく聞くと、どうやらこの高校の近くに、
"喫茶サミテン"という喫茶店があって、生徒の間でミテンと呼ばれ親しまれているらしい。
「ちょっと待ってね、鈴に連絡するから」
「鈴?」
「妹の事」
「へー、妹いるんだ」
「うん」
LINEで喫茶店によって行く事について送ると、
鈴「じゃあ終わったら連絡してね、迎えに行くから!」
とのこと。過保護気味ではあるけど、たまにそれが有難い。
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ミテンと呼ばれた喫茶店は、そこそこ大きく、
既に何組かの生徒が駄弁っているのも見える。
「大丈夫?六依さん」
喫茶店につくなりいきなり東原さんが私に声をかけて来る。
「ん?何が・・・?」
「足とか、疲れてない?」
「え? あ、うん、大丈夫、この程度の距離ならもう大丈夫だよ」
生徒会のメンバーは、私の事情を知っている。
だから、ちょいちょい心配されることもあるけど、いきなり心配されるのは、いつまでたっても慣れない。
そうこうしている内に、
私達のテーブルにこの店のオススメらしいコーヒーが運ばれてきてくる。
「それで、今日は何のためにここに?」
ちょっと寄ろう言われて来たものの、目的は聞いてはいなかった。
「それはね、」
星野さんがそれに答える。
「六依さんとお友達になろうって、二人で話してたの」
「友達に・・・?」
私があっけに取られていると、今度は東原さんがしゃべり出す。
「うん。せっかく同じ生徒会に入ったんだしね。本当はもっと早くこの話しようと思ってたんだけど、六依さん生徒会活動が終わったらすぐ居なくなっちゃって・・・」
「あ・・・ごめん・・・」
待たせてたら悪いと思って、基本的にいつも終わったらすぐ鈴達の所へ向かってた。
「ううん、いいのいいの、タイミング切り出せなかったのは私達だから」
「ってわけでさ、とりあえず連絡先の交換だけでもって・・・いい?」
「うん。いいよ」
二人が作ったらしいLINEのグループへの招待が来る。
「・・・生徒会一年生の会・・・?これ?」
「うん。名前はいいの思いつかなかったから適当に付けちゃった」
「へ、へぇ・・・そうなんだ・・・」
まぁ私も命名センスとかはまるで無いので人の事は言えないけれど。
その後喫茶店で行う話は、私の事ばかりだった。
「それ、本当だったんだね」
「うん。会長はなんて言ってたの?」
「会長は、「一応本人から聞いた事だから本当だと思うし、覚えておいてあげると六依さんの為になると思うから、皆よろしくね」って」
「へぇ、会長、そんなこと言ってたんだ・・・」
いっつもニコニコしてて適当なノリが多い会長だけど、やる事はしっかりいつのまにかやってるし、
根回しや所連絡もバッチリ。正直尊敬できる先輩。
「でも・・・そんな状態だと、普段の生活も大変じゃないの?」
星野さんの疑問は最もだと思う。実際、教科書とノートを限界まで満載したバッグは私は持ち上げられないし
「いつもは鈴が助けてくれるから大丈夫」
「鈴って、妹の事だっけ?」
「うん。そうだよ」
「でも学校に居る時はどうするの?」
「鈴と私、同級生なんだよね」
「「そうなの!?」」
「妹と私、5歳離れてるんだけど、私が高校進学5年遅れたから、タイミング同じになったんだ」
「あ、そっか・・・今20歳なん・・・ですか?」
「ちょ、ちょっと、敬語はなんかくすぐったいからやめて・・・」
確かに形式上は年上にはなるのかもしれないけど、そんな扱いされるような資格は無いと思う。
中学の記憶が無い私的には、むしろ私のほうが・・・って感じ。
あと、誕生日を迎えたからもう21歳。
「あはははは・・・そうだよね。同じ高校生だもんね」
「うん・・・できれば対等なポジションでよろしくね」
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「またいつか会おうね」
「生徒会でいつでも会うよ?」
「あ、いやそうじゃなくて、こうやってプライベートでね」
「そうだね。夏休みとかも何回か会おっか」
「うん」
喫茶店を後にした私は、新しい友達と別れ、迎えに来た鈴と帰路に就く。
「何してたの?」
「生徒会の人とお喋りしてた」
「へー、友達にはなれた?」
「うん」
「よかったじゃん。私もテニス部の友達増えたよ」
「へー、そうなんだ」
姉妹で行う友達発表会。
二人とも、高校生活は順調なようだ。




