第1話:生徒会活動
妹の鈴は言っていた。
優しさは世界を救う。って。
流石にそれは言い過ぎだと思うけど、
きっと困っている人を救うくらいはできると思う。
だから、
生徒会として、生徒の代表として、その優しさを武器に、
私は、誰かの役に立つため、頑張っていこうと思う。
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月曜日。
学生生活が始まって最初の休日は、これからのことで頭がいっぱいだった。
勉強のこと、友達のこと、そして、生徒会のこと。
今日から始まる本格的な生徒会活動は、私に何をもたらしてくれるのだろう。
最初の方の授業は、中学校のおさらいのようなところだ。
中学校時代は知らないけれど、内容自体は受験のために必死で覚えた。
だからついていけないなんてことはない。
たまに、初めて聞く単語が前提のように語られたりはしたけれど。
放課後。
私は生徒会室のドアを開く。
当然のように最後の一人なので、生徒会室には、役員全員が集まっていた。
「遅れてすいません!」
「大丈夫だよ。君の身体の事は把握しているし、それを責めたりはしないよ。ともかく、これで全員だね」
会長は今日もドアを開いた瞬間正面に立っている。
もしかして、毎回こうなんだろうか・・・
「ささ、六依さんも席について。とりあえず、一年生の皆に、生徒会の仕事について教えなきゃね」
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「ま、こんなところだね。大体わかったかな?細かいところは実際にやっていく過程で覚えていくだろうから、今はざっくりとでいいよ」
生徒会の仕事の基本は、各設備の管理、運営。
大きなところは教員が行うけれど、細かいところや生徒主体で行っている部分は生徒会の仕事だ。
後は、法律や金銭が関わってこない程度の生徒の問題の解決等。
なんか雑用っぽいな・・・とか思ったけれど、普段はそんな感じなんだろう。
「と、言うわけで、早速、一年生たちは部活動の視察についてきて貰っていいかな?各部長たちに新しい生徒会役員の紹介もしなきゃいけないしね」
腕章は持って来てるよね?と会長は言う。
部活動の見回り。
それが生徒会としての、最初の仕事だった。
とはいっても、主目的は、私たちが、新しい生徒会役員であるという事を知ってもらう事らしいけど。
「さて、最初はバスケットボール部だ。活動規模としてはそこまで大きい訳じゃないけど、去年と一昨年は結構強かったな。今年はどうなるかな?」
会長は、話し始めると、本当に必要な情報なのかどうなのかわからないような事も話し始める。
いつもは脱線しそうになると副会長が止めてくれるのだけれど、今は居ないので、ずっと話していた。
「やあ、生徒会長の一条さんだよ」
「ああ、会長・・お、今年は三人もいるじゃん」
「いやー良かったよ。これで一人とかだったら文化祭とかどうなってた事か・・・」
「まぁでも女子二人だから力仕事とかはそこまで楽にはならなそうだね」
「まぁ、そこまで贅沢は言えないね」
相変わらず、仲のよさそうな会長。生徒会と部長というより、まるで友達同士のようなやりとり。
「さ、とりあえず自己紹介しとこうか。この人はバスケ部部長の奥村 武蔵だよ」
「東原浩司です。よろしくおねがいします」
「星野八重っていいます。よろしくお願い致します」
「六依由依です。よろしくお願い致します」
「へー、皆これからよろしくな。って言ってもこれからそんなに頻繁に会ったりはしないけどな」
「まぁ定期視察は週一だしね」
流石バスケットボール部。部長は、背が高い方だと思っていた会長よりもさらに背が高い。
胸の位置すら少し見上げる必要がある。
「基本的に各部活動で行う事は、部長かマネージャーから、報告書を受け取って、代わりにその週分の報告書を渡す事が一つ」
そう言いながら、さっき部長からもらった報告書を見せてもらった。
それは部員の怪我の情報や、壊れてしまった備品等、その週で起きた事が書かれているものだった。
「報告書があれば、毎日見て回る必要は無いし、部員視点での状況報告が一目でわかるからね。あとは、生徒会が制作したリストに沿って、役員自ら点検に不備がないか回るんだ」
そう言いながら会長はリストを手に、いろいろな場所を見て、正常な状態、起きやすい異常などを細かく説明してくれた。
「これに、あとはマネージャーから、部員の近況を伺って終了だね。近況ってのは、喧嘩があったとか、何かがあって部員間の関係が悪化しているとか、そうゆうトラブルやその種になりそうな事は無かったかどうかとかだね」
さて、ここでやる事は終わったから、次に行こうか、と会長が体育館を後にしているとき私は、
意外とやることが多いんだなぁと思いながら、
この仕事を行っている私の像をイメージしていた。
色々な人と仲良く話していている私。
そんな私になれればいいな。




