第14話:腕章に懸ける信念
生徒会役員としての自覚。
権限と責任。
・・・生徒会会則第一条。
・・・頭である事を自覚し、模範として行動せよ。
・・・生徒の模範としての行動と言われても、具体的にどんな事をすればいいのかは、
まだわからない。
けれど、きっと先輩たちの振舞いを見ていれば、何かわかるはずだ。
だから、今日は先輩たちの仕事ぶりをしっかり観察して、勉強しよう。
技術は目で盗めというやつだ。
「さて、一年生は、今日はもう帰っちゃってもいいよ、やる事は終わったから」
「はい、わかりまし・・・・・・え?」
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「基本的に部活動も、一年生は来週から本格活動だから、君たちも生徒会の活動は来週からだね。僕たちは、各部の新入部員を含めたリストの作成があるけど」
「は、はぁ・・・」
「ってことで、また来週。あ、その腕章は持って帰ってもらうけど、一応借り物だから無くさないでね」
「あ、はい。わかりました」
生徒会室を後にした私は、他の一年生たちと話していた。
「責任かぁ・・・なんかすごい事言われちゃったなぁ」
「うーん、緊張するよね」
「あぁー・・・腕章の存在感が重い・・・」
「まぁでも、来週から生徒会始まるし、気合入れて行かなきゃね・・・」
「そ、そうだね」
やっぱり皆不安がってるみたい。
急に責任とか言われるとビビるよね。
「じゃあ、また来週」
「うん」
皆と別れた後、私は鈴や朱音さんと合流するために、テニスコートへと向かっていた。
廊下の窓からは、グラウンドが一望できた、
部活動らしい事をしている生徒はおらず、グラウンドの中心部はがらんとしていた。
逆に、隅の方では、様々な部活動生が、自己紹介のような事をしている。
私は、あの人たちを引っ張れるだけの人間になれるだろうか。
テニスコートに着くと、テニス部はもう活動を終えたのか、二人が待ってくれていた。
「あっ、お姉ちゃん来たよ」
「ごめん、待たせちゃった?」
「大丈夫、大丈夫、それより生徒会どうだった?」
「やってけそう?」
「うーん・・・どうだろ」
まだ私は責任と言葉の重みに打ち勝てているわけではない。
「どうだろ・・・って・・・なんか自信なくなってるね・・・」
「何言われてきたの?」
「その、生徒会として、生徒の代表として、責任を持って模範となる行動をしなさいって」
実際そういわれたわけじゃないけど、要約するとこんな感じだ。
「それが私にできるかどうか、ちょっと不安になっちゃってね」
私はまだ、人のコミュニティでの立ち回りを知らない。
集団の中での在り方を知らない。
そんな私に、代表として、振舞えるかどうかは、私の想像の範囲外にあった。
「あー、まぁ生徒会ってそうゆうもんだよね」
「生徒の代表として、大事な事だもんね」
分かっては居たけれど、妹や友達に改めて言われると、生徒会、その在り方そのものがとても大きいものなんだと思い知らされる。
「でも、由依ちゃんなら心配ないでしょ」
「そう・・・かな・・・?」
朱音さんがそう言ってくれたけど私はまだ自信は持てなかった。
「だって絶対問題起こすタイプじゃないじゃん」
「まぁ、そうかもしれないけど・・・」
「別に代表だからって「我らが生徒会である!」みたいな事するわけじゃないんだし、それなりに思いやり精神でも持ってれば大丈夫じゃない?」
「そういうもの・・・かな?」
「そうそう、だって生徒会長さんだって、威厳あるタイプじゃないでしょアレ」
そう言われればそうだ、副会長の須藤先輩はともかく、会長の一条先輩は、凛とした感じでもない。
むしろ穏やかさや、優しさを全力で前に出しているタイプだった。
「お姉ちゃんは優しさなら誰にも負けないよ。きっと」
「優しさで勝負していけばカンペキだね!」
「優しさ・・・」
私自身、自分の優しさを武器と思ったことは無い。
私らしい。と言われればそうなのかもしれない。
今までも何度か、その優しさが、以前の私と重なると言われた事もある。
「そうそう、優しさは最大の武器だよね」
「うんうん。優しさは世界を救うね」
「そ、それは言い過ぎじゃない・・・?」
「そんなことないよー」
それが私の武器であり、良さであるというのなら、
私は、私らしくある事、ただそれだけでいいのだろう。
「ありがと、なんか安心したかも」
そう言いながら鞄の中の腕章を意識して、生徒会長の言葉を思い出す。
「生徒会活動の時は、これを着けて行ってね。腕章には各々の信念が籠るって言うけど、生徒会という立場であるうちは、そこに権限と責任が発生することを忘れないようにね」
私がこの生徒会の腕章に懸ける信念。
それは、優しさ




