表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SECOND YOUTH~二回目の青春~  作者: 六依由依
第一章:高校生、はじめました
28/280

第14話:腕章に懸ける信念


生徒会役員としての自覚。


権限と責任。


・・・生徒会会則第一条。

・・・頭である事を自覚し、模範として行動せよ。




・・・生徒の模範としての行動と言われても、具体的にどんな事をすればいいのかは、

まだわからない。


けれど、きっと先輩たちの振舞いを見ていれば、何かわかるはずだ。


だから、今日は先輩たちの仕事ぶりをしっかり観察して、勉強しよう。

技術は目で盗めというやつだ。



「さて、一年生は、今日はもう帰っちゃってもいいよ、やる事は終わったから」


「はい、わかりまし・・・・・・え?」


---------------------




「基本的に部活動も、一年生は来週から本格活動だから、君たちも生徒会の活動は来週からだね。僕たちは、各部の新入部員を含めたリストの作成があるけど」


「は、はぁ・・・」


「ってことで、また来週。あ、その腕章は持って帰ってもらうけど、一応借り物だから無くさないでね」


「あ、はい。わかりました」





生徒会室を後にした私は、他の一年生たちと話していた。


「責任かぁ・・・なんかすごい事言われちゃったなぁ」

「うーん、緊張するよね」

「あぁー・・・腕章の存在感が重い・・・」

「まぁでも、来週から生徒会始まるし、気合入れて行かなきゃね・・・」

「そ、そうだね」


やっぱり皆不安がってるみたい。

急に責任とか言われるとビビるよね。


「じゃあ、また来週」

「うん」





皆と別れた後、私は鈴や朱音さんと合流するために、テニスコートへと向かっていた。

廊下の窓からは、グラウンドが一望できた、


部活動らしい事をしている生徒はおらず、グラウンドの中心部はがらんとしていた。

逆に、隅の方では、様々な部活動生が、自己紹介のような事をしている。


私は、あの人たちを引っ張れるだけの人間になれるだろうか。






テニスコートに着くと、テニス部はもう活動を終えたのか、二人が待ってくれていた。


「あっ、お姉ちゃん来たよ」

「ごめん、待たせちゃった?」

「大丈夫、大丈夫、それより生徒会どうだった?」

「やってけそう?」


「うーん・・・どうだろ」

まだ私は責任と言葉の重みに打ち勝てているわけではない。


「どうだろ・・・って・・・なんか自信なくなってるね・・・」

「何言われてきたの?」


「その、生徒会として、生徒の代表として、責任を持って模範となる行動をしなさいって」

実際そういわれたわけじゃないけど、要約するとこんな感じだ。

「それが私にできるかどうか、ちょっと不安になっちゃってね」

私はまだ、人のコミュニティでの立ち回りを知らない。

集団の中での在り方を知らない。

そんな私に、代表として、振舞えるかどうかは、私の想像の範囲外にあった。



「あー、まぁ生徒会ってそうゆうもんだよね」

「生徒の代表として、大事な事だもんね」

分かっては居たけれど、妹や友達に改めて言われると、生徒会、その在り方そのものがとても大きいものなんだと思い知らされる。



「でも、由依ちゃんなら心配ないでしょ」

「そう・・・かな・・・?」

朱音さんがそう言ってくれたけど私はまだ自信は持てなかった。


「だって絶対問題起こすタイプじゃないじゃん」

「まぁ、そうかもしれないけど・・・」

「別に代表だからって「我らが生徒会である!」みたいな事するわけじゃないんだし、それなりに思いやり精神でも持ってれば大丈夫じゃない?」

「そういうもの・・・かな?」

「そうそう、だって生徒会長さんだって、威厳あるタイプじゃないでしょアレ」

そう言われればそうだ、副会長の須藤先輩はともかく、会長の一条先輩は、凛とした感じでもない。

むしろ穏やかさや、優しさを全力で前に出しているタイプだった。


「お姉ちゃんは優しさなら誰にも負けないよ。きっと」

「優しさで勝負していけばカンペキだね!」


「優しさ・・・」

私自身、自分の優しさを武器と思ったことは無い。

私らしい。と言われればそうなのかもしれない。

今までも何度か、その優しさが、以前の私と重なると言われた事もある。



「そうそう、優しさは最大の武器だよね」

「うんうん。優しさは世界を救うね」

「そ、それは言い過ぎじゃない・・・?」

「そんなことないよー」



それが私の武器であり、良さであるというのなら、

私は、私らしくある事、ただそれだけでいいのだろう。



「ありがと、なんか安心したかも」

そう言いながら鞄の中の腕章を意識して、生徒会長の言葉を思い出す。



「生徒会活動の時は、これを着けて行ってね。腕章には各々の信念が籠るって言うけど、生徒会という立場であるうちは、そこに権限と責任が発生することを忘れないようにね」






私がこの生徒会の腕章に懸ける信念。




それは、優しさ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ