表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SECOND YOUTH~二回目の青春~  作者: 六依由依
第一章:高校生、はじめました
27/280

第13話:生徒会会則第一条


木曜日。


一年生は、入部する部活や委員会を決定する日だ。


私は、生徒会への参加を決めた。


沢山の人の役にたつために。

沢山の人達と交流するために。




‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐




参加表明は、放課後、各活動場所へ希望票を提出することで意思表示を行う。


必然的に、全新入部員が顔見せを行う場とする為らしい。





私は生徒会室の前にいた。

部屋の前には誰も居ない。

私は体力面で難があるので、ここまで来るのに少し時間がかかってしまった。

もう他の生徒は入会処理を終わらせてしまったか、はたまた、私以外には入会希望生徒が居ないのか。



「失礼します・・・・」

恐る恐る生徒会室のドアを開ける。



「やあ、待ってたよ」

「うわっ」


目の前にいたのは、生徒会長、一条和也先輩。

心にもない叫び声をあげてしまった私は、すかさず訂正して謝る


「あっ、いや、違うんです、ただビックリしただけなんですすいません」


「いや、気にしてないよ、他の二人もそんな感じだったから」


「二人?」


「うん、君以外にも二人、生徒会入会希望者が来てくれたんだよ。せっかくだから自己紹介しようか」


生徒会室には役員が集まっていたけれど、前に来た時には見なかった人が二人。一年生の校章を着けた生徒がいた。



「えーっと、東原ひがしはら 浩司こうじです。よろしくお願いします」

少し気弱そうな感じの男子生徒が言う。

身長は私と同じくらい。男子としては小柄な方かも。

星野ほしの 八恵やえです。よろしくね」

こちらは、全体的にふんわりした雰囲気の女子生徒だった。

身長は私よりも小さかった。けど、私はあんまり成長しないから、この三年の間で抜かれてしまうんだろうと思う。

「り、六依 由依です。よろしく、おねがいします」



二人と私の自己紹介、

それが終わると、生徒会長が、

「さて、新参三人の自己紹介が終わったところだし、次は僕たち現役の番かな?」

と、今度は生徒会役員の自己紹介を始めた。



「僕が生徒会長の一条和也いちじょう かずやだよ。って、皆はもう知ってるよね。入学式でも演説したし、それに校内新聞にも載ってたと思うし、おまけに」

「会長」

「ああ、ごめんごめん。話が長かったね。じゃ、副会長よろしく」

「はい。皆さん初めまして、生徒会副会長。二年、須藤千華すどう せんかです。六依さんは一度お会いしましたね」

「あっ、そうですね」

ほぼすれ違ったレベルの"お会いした"だったけど。



須藤さんは、なんていうか、ドラマとかで見る秘書のようなイメージだ。

かっちりしてて、いつも会長の話が長くなりそうになると、話を先に進めてくれる。

制服も一切無駄のない着こなしで、どちらかというと風紀委員って感じ。



「三年生の、江川えがわ 佳奈恵かなえです。役職は書記ですね。」

江川さんはロングヘアで、生徒会の中では唯一眼鏡をかけていた。

他に特徴的な所と言えば、ペンケースにも、シャープペンシルにも、携帯電話にも、同じキャラクターのストラップが付いている。

よっぽど好きなのかな。


「会計の三島みしま れんだよ。よろしくね」

言ってはいなかったけれど、付けている校章から考えて、きっと二年生で、整った顔付きと、爽やかな印象をあたえる男子生徒。



・・・簡単に言うと、かっこよかった。


でも流石にまだ自己紹介しただだし、外見だけで惚れるとかそんなことはないはず。



「さて、皆の自己紹介が終わったし、これで、第21期生徒会の結成だね」

会長が言う。

「それで、新生徒会結成というわけで、君たちに伝えておきたいことがあるんだ」

それは、今まで見てきた会長の中では一番真剣なテンションだった。


「生徒会会則第一条。「かしらである事を意識し、模範として行動せよ」ってね。要するに、生徒会はいろいろな面で、生徒全体を統括し、牽引する立場にあるって事。一年生といえど、影響は無い訳じゃないから、あまりふざけたことをしたり、問題は起こさないでね」


そう言いながら、会長は私たちに腕章を渡してくる。


「生徒会活動の時は、これを着けて行ってね。腕章には各々の信念が籠るって言うけど、生徒会という立場であるうちは、そこに権限と責任が発生することを忘れないようにね」


いつも通りの口調ではあったけれど、その腕章と言葉には、それ以上の重みを感じる。

権限と責任。


全く考えていなかったわけじゃないけど、生徒会長に直接そう言われると、それは数倍の現実味を帯びて私にのしかかる。

私にそれがきちんとこなせるだろうか。


いいや、やるしかない。


全てを失って困惑の中にいた私は、周りの人たちにここまで引っ張り上げてもらった。

ならばその分、今度はこの三年間をかけて、私が皆を引っ張り上げる番だと。




今までお世話になった分、それ以上の何かを成し遂げたい。




授かるばかりが私じゃないと、私の十五年間と、四年半と、半年間の恩返しを。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ