第12話:高校生活のこれから
あの後生徒会長と一緒に、野球部・陸上部・吹奏楽部・文学部と回っていった。
会長はどの部の部員とも楽しそうに話していて、人脈の広さを実感させられた。
だから私は、
「生徒会のメンバーは皆そんな感じなんですか?」
と聞いてみた。会長だけが特別交流幅が広いとか、そういう可能性だってある。
「うーん・・・詳しい事はあんまりわからないけど、基本的に皆仲は良い方じゃないかな。そのほうが、いろいろ情報が入って来るしね。プライベートでも付き合いがある役員もいるみたいだし、そういう意味では、他の学校の生徒会よりも緩い雰囲気があるかもしれないね。」
流石に部員の末端の名前まで覚えてるのは僕だけだと思うよ。と会長は笑う。
相変わらずずっとニコニコしてる人だなぁと思いながら、会長の仕事ぶりを眺めていた。
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昼休み
スケジュール上はもう放課後だけれど、
私達は、また中庭に戻って来ていた。
「生徒会、結構濃かったね」
「っていうか生徒会長がね」
「なんか・・・すごい人だったね」
生徒会を見学してきた私たちは、それぞれの感想を言い合う・・・はずだったけれど、
生徒会長の話から始まっていた。
「で、ほら、お姉ちゃん、生徒会はどうだった?」
本題はこちら、私のこれからの話だ。
「うん、確かにいろんな人と楽しそうに話してたね。人手不足って言ってたし、私、生徒会で頑張ってみようかな・・・」
誰かと交流して、仲良くなりたい、そんな気持ちはずっとあったけれど、
今まで誰かに助けてもらってばっかりだったし、今度は私が誰かの役に立つ番だ。
そんな気持ちも、今の私の中にはあった。
「私も生徒会のことはそこまでよく知ってるわけじゃないから、あんまり色々言える立場じゃないけど、私も、生徒会がオススメかな?あそこなら私達テニス部と会って話す機会もあるかもだし」
朱音さんとしても、私が生徒会に入る事は賛成のようだ。
「うん。わたしも賛成。専門技術が必要な訳じゃないから、未経験状態から始めてもなんとかなりそうだしね。それこそ中学そのものが未経験のお姉ちゃんでもね」
「なんか皮肉ってない?鈴?」
「え?そんなことないよ。少なくともそんな気は無かったよ」
「ならいいけど」
一応鈴からのお墨付きも貰う。これで満場一致だ。
「ところでさ、生徒会ってどうやって入るの?」
いろいろこの先の事を考えていた私は、もっと手前の、大事な所を聞き忘れていた。
「あっ・・・私も知らない・・・・」
「わたしも・・・・部活動ならわかるんだけど・・・」
「あのー・・・・すいません」
私はもう一度生徒会室を訪ねた。鈴と朱音さんはもう一度テニス部の方へ顔を出しに行ったから、今度は私一人だ。
生徒会室には、生徒会役員と思われる人が勢揃いしていた。
私は思わずたじろいでしまう。
「ん?君は誰だい?」
生徒会室の一番ドアに近い位置にいた男子生徒が私に話しかけてくる。
「え?えっと、あの、私・・・・その、生徒会にですね?」
緊張であたふたしながら必死に言葉を紡ぐが、文章は生まれなかった
「おや、君はさっきの・・・どうしたんだい、忘れ物?」
一番奥にいた生徒会長が、私に気づいて、話しかけてきた。
「お知り合いですか?」
会長の左隣の女子生徒が聞く。
「知り合いと言うほどじゃないけどね、さっき話した、今日生徒会の仕事見学をしていた生徒だよ。あのときは三人組だったけど」
「ああ、なるほど、で、ご用はなんですか?忘れ物ですか?」
「え、えっと、私あの時生徒会に入るにはどうしたらいいかって聞いてなくて、それを聞きに来たんです」
「そういえば言ってなかったっけ、基本的に委員会も部活動も同じ、配布された希望票を直接渡す形になるね。今週木曜の放課後が提出日だから、その時にここに渡しに来てくれればいいよ」
「は、はい。ありがとうございます」
「それで、他に用事はあったりするかい?」
「い、いえ、それだけです。失礼しましたっ」
そう言いながら私は生徒会室から撤退した。
あの時は一人しか居なかったけど、生徒会室に役員がズラリと並んでいる姿は、なかなかの威圧感だった。
私はあの中に入ってちゃんと仕事出来るのだろうか。




