第11話:生徒会の仕事
この学校は入学してくる生徒の関係で、
委員会や生徒会は人手不足気味らしい。
私に、何かできることがあるのなら、
ここに、私が求めるものがあるのなら。
私には、生徒会役員という道も、あるのかもしれない。
-----------------------------------
「おっと、愚痴っぽくなっちゃったかな、ゴメンね。で、君たちは皆生徒会に興味があって来たのかな」
「その、生徒会に興味があるのは、私だけです・・・」
「私達はただの付き添いと言うか・・・」
「なるほど、だから運動服だったのか。えーっと、それで、どうして君は生徒会に興味を持ってくれたのかな?」
会長は、私を見据えて、軽くジョークでも吹っ掛けるような雰囲気のまま聞いてきた。
「え、えっと、生徒会なら、いろんな人達と交流が出来ると思って、それで・・・」
「交流かぁ・・・確かに、生徒会は各部活動の状況調査や、備品の点検等で、多数の生徒と話したり、場合によっては連絡先の交換をしたりもするね。後は、生徒会なら、って私的な理由のお悩み相談に来る生徒とかもいるね。恋のお悩み相談なんて、僕には管轄外なんだけどね」
からからと笑う生徒会長だったけど、
人と交流したいのならば、ピッタリの役職だと思うよ。
と念押ししてくれた。
「あ、そうだ、もし生徒会活動が気になるなら、今からちょっと見てみるかい?」
「いいんですか?」
「ああ、って言っても、そろそろシフト交代の時間だから、それに付いてきてもらうだけだけどね」
と、まもなく、生徒会室の扉が開き、女子生徒が入ってきた。
「会長、そろそろ交代お時間です・・・おや、見学者の方ですか」
「おお、ありがとう須藤さん」
「皆さん初めまして。私は須藤 千華、副会長です。どうです?我が生徒会長は、話が長いでしょう?」
「「あ、あはははは・・・・・」」
そんなこと言われても、素直にはい、そうですね、なんて言えるわけがない。
「ま、まぁ僕の話はともかく、僕はこれからこの子達を連れて仕事してくるから、対応、よろしくね、あぁ、あとね」
「わかりました。会長もお気をつけて」
「さて、これから向かうのはサッカー部だね」
「あの、生徒会って力仕事とか、体力勝負な仕事とかって、あったりします?」
私個人としてはそこは絶対に譲れない問題だ。
「うーん、あるにはあるけど、そうゆうのは適材適所だから、女子生徒にそんな仕事振ったりは基本的に無いよ」
「そうですか、私、体質的に体力とか筋力とかが不足気味で、ちょっと気になってたんです」
「ほう、まぁ、体質的な問題とかは、始めに言っておいてくれれば、それを考慮した仕事振りをするから、心配しなくていいんじゃないかな。ただ、人と交流したいって言うなら、校内の見回りとか、点検とかで校内を歩き回るくらいは必要だけどね」
確かに、自分は一歩も動かないで、いろんな人と触れ合いたい何て言うのは我儘かも。
「さて、そろそろグラウンドだね。サッカー部は少し奥の方だから、もう少し歩いてもらうけど、大丈夫かな?」
「あ、はい。今のところは」
サッカー部の活動場所に着くと、会長は早々に部員と話し始める。
「やあ、浅田君、伊東君。見回りに来たけど、今のところ問題やケガは起きたりはしてないかな」
「そうですね、今のところ問題ないですね」
「あ、そうだ、先月のボールの件だけどね・・・」
生徒会長と、サッカー部員は私達にはよく分からない話をしている。
だけど時折皆で笑いあったりしていて、とても仲が良さそうだった。
「もしかしてさ、生徒会長、生徒の名前皆覚えてたりするのかな。さっきから人の名前ポンポン出てきてるけど」
朱音さんがこっそり聞いてくる
「えー・・・どうだろう・・・さすがに部長とかマネージャーとか、そのくらいじゃない?」
生徒なんて、一学年で何人いるのかさえ知らない。その生徒一人一人の名前を憶えて、在籍してる部活動まで把握するなんて、基本的に無理だと思う。
「戻ってきた時に聞いてみようか」
「そうだね」
「やあ、おまたせ、基本的には生徒会の仕事はこんなもんだよ。部員たちから、近況や設備の状態を聞き出して、対応する。それだけ」
「あの・・・もしかして会長は生徒の名前全員覚えてたりするんですか・・・?」
朱音さんが聞いてみる
「まさか、全員は流石に覚えてないよ、精々委員会か部活動に在籍してる生徒くらいだね」
生徒会長は笑っているけど、
それって生徒のほとんどなのでは?
私は生徒会長の底知れないスペックに戦きながらも、生徒会そのものの活動の事を考えていた。
これなら、私でもがんばれそうだし、いろいろな人たちと仲良くなれるかもしれない。




