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SECOND YOUTH~二回目の青春~  作者: 六依由依
第一章:高校生、はじめました
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第2話:わたしという人間


結局、入学式では、立っている時は私は妹の鈴に体重を預けっぱなしだった。



入学式が終わると、次は皆それぞれの教室へ行き、オリエンテーションが始まる。

もう私はそれなりに調子は戻っていたけれど、鈴は手を離してくれなかった。






-----------------------






「これから一年間、皆さんの担任となる、松江まつえ 雄大ゆうだいです。皆、よろしく」


この若そうな男の先生が、教壇の上で喋っている。

第一印象は、明るくて、器が大きそうな感じだ。






「って訳で、早速皆で自己紹介をしよう。これから一年クラスメートになるわけだし、皆の事を知っておくことはかなり大切だからね」

でも、シラバスや、年間スケジュールの配布など差し置いて一番始めに自己紹介は予想外だった。


「とりあえず出席番号一番から、別に長く話そうとかしなくていいぞ。40人もスピーチしてたらこの時間終わっちゃうからな。ってことで、一番の秋山から」


「えーと、秋山です。趣味は・・・」


このクラスには、様々な人達がいた。

真面目そうな人、

大人しそうな人、

面白そうな人、

強そうな人、


いったい私は、何人と仲良くなれるだろう。








「じゃあ次、36番、六依鈴」

私のひとつ前、妹の鈴の番だ。


「はい、出席番号36番、六依鈴です。後ろに居る、由依お姉ちゃんの妹です。」

いきなり指を指され、視線が集まる。

「趣味は、ゲームと、珍しいお菓子探しで、好きなものは、珍しいお菓子とお姉ちゃん。皆よろしく」


私はまだ自己紹介してないというのに、この注目度。鈴にはあんまり私の事アピールしないでと言っておいたのに・・・





「次は、37番。六依由依だな」

ついに、この時が来た。私に起きた全てを、打ち明ける時が。


「先生、自己紹介、ちょっと長くなってもいいですか?」

「え?あ、ああ、まぁちょっとくらいなら」

「ありがとうございます」


先生に断りを入れてから、私は教壇の前に立った。

他の人達は自分の席の前で自己紹介していたけど、私は、あえて、ちゃんと聞いてもらうため、この場に立った。

クラスが軽くざわつく。入学式ですこし目立ってしまった上にこれだから当然ではある。







「出席番号37番。六依 由依。 鈴の姉です。」


「・・・私には、いくつか知ってもらいたい、事があります。」

軽いざわつきが消え、教室には私の声だけが響いている。





「私は、中学校を卒業した直後、事故に遭って、しばらく意識不明だった時期があります・・・その期間は・・・・・・五年間です」


クラス全体の空気感が変わった気がする。静まり返っていた教室が一瞬ざわつきを取り戻し、またすぐに消え去る。


「つまり・・・私は今、二十歳です。」




「そして、その時に私の身体は成長を止めてしまって、二十歳になった今も、中学卒業時点のこの姿のままです」


二発目の爆弾は言葉も出なかったのか、今度はざわつきも何も無かった。


「五年間寝たきりだった時に衰えてしまった筋力は、まだ戻って無くて、体力は絶望的に無いです。入学式の時のアレは、それが原因です」


これで納得してもらえるかどうかはわからないけど、重症患者だという誤解は解けてほしい。




「そしてもう一つ。 その事故の時に、私は記憶喪失になっていて、中学以前の記憶がありません」

三発目の爆弾。あっけにとられたクラスメートを見ていると、理解してもらってるかどうかさえ怪しい。

こうやって、全て言葉に出してみると、私は相当とんでもないことになっているんだな、と感じる。


「だから、人眼関係とかは、この高校でゼロから作っていくことに、なります・・・・・・だから・・・みなさんと、仲良くしていけたらな・・・って、思います」

と、私は軽く笑顔で言う。本当は笑うつもりなんてなかったけど、

こうでもしないと、この教室の空気感に、私が耐えられなかった。


「よろしく・・・おねがいします・・・」



静まり返った教室で、私は教壇から、自分の席へ、そそくさと帰る。



私は全部言い切った。言い切ってしまった。


心拍数が上がってゆく。

全身が冷えてゆき生命力の衰退を錯覚する。

反対に頭は熱を持ち、思考能力が奪われてゆく。




目覚めて半年、どうなるかわからない史上最高の賭けに、最大の勇気の振り絞った私は、

達成感、

不安感、

充実感、

恐怖感。




今まで感じてきた様々な感情が全て同時に襲い掛かってくるような感覚に苛まれていた。

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