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幻想古典詩歌集成──詳解・現代語訳  作者: 武菊 御名行


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8/10

第8回 冬の家族

【原文】

貼るタイプ

貼らないタイプ

あなたには

燃やすタイプで

家族とりどり



【現代語訳】

私は貼るタイプのカイロを腰に貼って仕事をしている。

貼らないタイプを面白がって持って登校するのは子供たちだ。

あなたは、苦労して手に入れた『ハクキンカイロ』を自分でメンテナンスして、普段でも大切に使っている。

こうしてみると、我が家にはたくさんの種類のカイロが揃っている。

色とりどりの個性的な性格が集まった、我が家そのもののようだ。



【解説】

現代和歌。

貼るタイプと貼らないタイプがあるとくれば、これはホッカイロのことだろう。

最近キャンプや登山でも人気な、ベンジンを燃料にして触媒反応で発熱する昔ながらのタイプも出てくる。


家族とりどり、と言っているということは、「あなた」以外にも家族がいるということか。


「あなた」は詠み手のパートナーだろう。

もしかしたら、持ち物へのこだわりがある性格で「燃やすタイプ」のカイロを好んでいるのかもしれない。

それとも、その人にはアウトドアの趣味があるのだろうか。


カイロをシャカシャカ振るのを面白がって、貼らないカイロを喜んでいるのは子供によくありがちだ。


ならば貼るタイプを使っているのは詠み手自身だろうか。


「これは何について詠んでいるのか」をわかった人がクイズを解いた気分になって、少しニヤリとできる、冬の情景を切り取った一首。

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