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過労死したら異世界転生  作者: とし
ギルドゲーム
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ギルドゲーム2


ギルドゲームの開幕まで残り1週間を切った。結局なつきは魔具競技と冒険者ギルドの団体戦に出場が決まっている。参加者が多いのでどちらもまずは予選から始まり、それを通過することができたら本戦に出場できるというわけだ。


魔具の方は、例年、予選は指定された魔具を大量に作り、本戦ではある課題が与えられそれを解決する魔具を各店の代表者が作らなければならないというわけだ。当日まで何もすることがないように思えるが、材料集めという戦いの火蓋がすでに落とされているのだった。


「店番は僕がするから、残り期間、なつきはこのリストにある素材を集めてきてくれるかい?これ以外に必要そうなものはギルドに依頼したいんだけど、それもいいかな?」

「ん、わかった。私は大会のことはよくわからないから全部任せるよ。あ、でも無駄遣いは禁止ね。」


実際、この提案は喜ばしいものであった。材料集めと称してエルランドとアルバとも実戦の練習ができるからだ。

彼らも商業ギルドの大会に協力的なので手に入れた材料を売ったりすることもなく、無償でくれるという。まあアルバはともかく、エルランドの方はお金に困っているということはないから無欲なのだろう。


そんなわけで、なつき、エルランド、アルバは馬車で王都から少し離れた森にきていた。近くに街はなく、魔物が多く出るため、魔の森と称される場所だ。エルランド曰く修行にはもってこいの場所らしい。レオから頼まれた材料も問題なく手に入るらしく、かなりお得な場所と言えるだろう。


「ところで団体戦ってどんな感じなの?予選とかもあるんでしょう?」

「予選に関しては毎年違うから対策を立てようがないんだ。まあお前ら二人なら予選程度は問題ないはずだ。上位32組が本戦に出場できる。本戦はチームでの戦闘だ。」

「なるほど。」


予選はおそらく問題ないということで、本戦に向けてのチームでの戦いに慣れようということだった。


「基本的には俺とアルバが前衛だな。なつきは後衛で補助をしてくれ。」

「回復とか防御をメインでいいのね。」

「ああ。あと、試合開始前に10分間時間が与えられるんだ。そこで自分を守るための陣を素早く描いてくれ。」

「なるほど。わかった。」


その10分で自衛のための結界の魔法陣を描いてしまえば、アルバやエルに守ってもらう必要がなくなる。

もちろん強度には限界があるため、それなりの実力者には10分やそこらで描いたものは通用しないだろうが。


早速、魔物の討伐にかかる。現れたのはオークの群れだった。中級の魔物だが連携の練習にはちょうど良いだろう。

エルやアルバの動きに合わせ、二人の補助に取り掛かる。オークの動きを邪魔したりは問題なくできるのだが、二人の早い動きに合わせて補助魔法をかけ続けるとなるとなかなか難しかった。これは確かに練習が必要そうだ。


それから数十分ほどしてようやくオークの群れを殲滅させることができた。体感的には何時間も魔法を使っているかのようだった。それほど集中力を要したのだ。


「ごめん、足引っ張っちゃったかも。」

「やはり回避だけが課題だな。」


オークはさほど素早い魔物ではなかったため、なつきはオークからの攻撃を避けることはできた。しかし、相手が経験を積んだ冒険者となれば難しい。


「俺が背負って逃げ回るとか・・・・・?」


ついにはアルバが馬鹿な提案をしだす始末だ。いや、それではあなたが攻撃に回れないじゃないかと呆れたが、エルランドの反応は違ったのだ。


「いや、案外ありかもな。」

「うぇえt!?何言ってんの!?」


正気か?と思ったが、彼は至極真面目に発言したようで、前半はそれを作戦にしても良いのではないかということだ。手練れの冒険者相手には流石にそれは通じないし、むしろ無謀だ。しかし、幸か不幸か、本戦のトーナメントは予選の順位で配置されるらしい。もし1位と2位ならば決勝でしか当たらない。つまり、最初はアルバに背負われながら戦い魔法陣などの手を見せないようにする。相手が強くなってきたら、魔法陣で結界にこもる。


「問題は結界の強度よね。あ、精霊魔法と一緒に使えば補強が・・・・あれ、でもそうすると防戦一方になる?」

「一度に複数の精霊魔法を使う魔術師もいるがお前はどうなんだ?」

「あ、そんな手が・・・」


そこまで必要性がなかったため一度に複数の種類の魔法を使ったことなどない。しかし試して見る価値はある。


「"ノエル"」


右手には癒しの力を、左手には守りの力を・・・・・・


なるべく鮮明にイメージするように心がける。龍の峰にいるノエルにイメージが伝わるように。

すると実験のために近くにいたアルバの擦り傷が消え、一方ではなつきを囲むように結界が現れた。


「できた!!!」

「すごいですね・・・・これでできることが増えますね。」

「驚いた・・・。提案はしたが、複数の魔法を使うのは本来は容易い事じゃないんだ。イメージがよほどうまいのか、それとも精霊が協力的なのか・・・・」


あ、それは後者だね。

なるほど。精霊さえ協力的なら、結構色々できちゃうということか。


「精霊を複数呼ぶってのもできるのかな?風の魔法を使えば結構避けられると思うよ。」

「できるんじゃないか?」


物は試しだ、と思い、ノエルとシルキーを呼んでみる。すると結界を出したまま、体を宙に浮かすことができた。


「これで動体視力さえ上がればなんでも避けられるんだけどなあ・・・・・そういうメガネを作るとか?あ、装備って制限があったりするの?」

「いや、そういったものはないぞ。それも全て含めて実力とみなされるからな。」

「なるほど。じゃあかなりのことができるかも・・・・装備に付与して欲しいものとかがあったら言って!できるだけのことをしてみる!」


正直お荷物なのではないかと思っていた、冒険者ギルドゲームだが、思ったより活躍できるかもとなれば話は別だ。別に殺し合いをするわけでもないし、せっかくの魔法の能力を思う存分使えるのだ。どうせなら派手にやるのもアリかもしれない、そしてついでにサナギの宣伝もしてみよう。エルランドがいればかなりの宣伝効果があるのでは・・・・・?魔具競技の方でもうまくいけば高い宣伝効果を得られるし、自分とは関係ないイベントだと勝手に思っていたけど、ギルドゲーム、急にビジネスの臭いがしてきたぞ・・・・・・


突如ギルドゲームの魅力にとりつかれ、黒い笑みを浮かべるなつきの思惑なんてエルランドもアルバもこの時点では気づくことはなく、妙に頼もしくなった彼女に期待をするばかりであった。

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ほとんど毎日更新していたのですが、最近忙しくなってきてしまったので、1週間ほど更新をお休みさせていただきます。楽しみにしていただいている読者の皆様、申し訳ございません。次回、ギルドゲームがいよいよ開幕です。これからも応援よろしくお願いいたします。

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