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過労死したら異世界転生  作者: とし
異世界と出逢い
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龍の花嫁


「・・・ん?」


目を覚ましたなつきの目に入ってきたのは、真っ白な空間。

病院のベット?にしては広い部屋というか・・・部屋の端が見えないというか・・・


『おきた?』

「うわっ!?」


突然後ろから声をかけてきたのは、白金色の髪に恐ろしいほど整った顔をした女性だった。

先ほどまでそこに人など決していなかった。


「お、お化けーーー!?」

『あら失礼しちゃうわ』


目の前の美女は頬を少し膨らませて怒ったことを表現している。

全く怖くはないが。


『私はフロワ、ある世界の神よ』

「へ?」


突然、自分のことを神だと名乗るその女性。


『ちょっと信じられないと思うんだけど、とりあえず聞いてね。


あなたは、死んじゃったのよ。』


「・・・え・・・・・?」


何を言い出すんだこの人(?)は・・・

私が死んだ?

そういえば、さっき胸が苦しくて・・・あれ、その後どうしたんだっけ?



『・・・心臓発作。過労死よ。働きすぎちゃったのね。』

「そんな・・・、じゃあ!私の研究は!?」

『まだ確定ではないけれど、あなたの先生が引き継いでくれるみたいなことを話していたわ。』

「先生が・・・・そう・・・なら、大丈夫、かな・・・」



あくまでも自分の死より研究を気にするなつきにフロワは思わず笑ってしまった。



『変わった子ね。あのね、あなたの魂をここに呼んだのには訳があるの。聞いてくれる?』

「・・・はい。なんでしょうか・・・?」



『私の世界に転生して欲しいのよ。』



「ん!?」


フロワの発言に思考が止まるなつき。色々と非現実的なことが続き、頭の回転は早い方の彼女でさえ、どうしたらいいのかわからなかった。


転生・・とは・・・?生まれ変わるということ・・・?




どうやらフロワの国は、魔法の国らしい。そこには多くの魔獣や精霊がいるのだが、そのトップに君臨するドラゴンの魔力が千年に1度不安定になる時期があるらしい。最強の精霊、ドラゴンの魔力が暴走すると世界を滅ぼしかねない。そこで、彼らの魔力を導く存在が必要だという。



『龍の花嫁、と呼ばれる役割なの。それをあなたになって欲しいのよ』

「龍の花嫁・・・」



なんだそのネーミングは・・・!?


ドラゴンと生涯を共に過ごさなければいけないのだろうかと思ったら、どうやら違うらしい。



『なつき、あなたにして欲しいことはね、ただ私の世界で生きるだけでいいの。あなたの存在がドラゴンたちのストッパーになるのよ。』

「よ、よくわからないけれど・・・なんで私なんでしょうか・・・・・?」



そう、異世界だとか、龍の花嫁だとか色々と無理やり理解はしたが、これだけは謎だった。



『魂の波長と言えばいいのかしら?私の世界で供給できればそれが良かったのだけれど、龍の花嫁が務まりそうな魂がなくて、あなたの世界の神に頼んでいたのよ。あなたが死んだらこちらに頂戴って。』

「・・死んだら頂戴・・・」



引っかかる言葉はあったが、フロアは思ったより私が早く死んで喜んでいるらしい。

うーん、複雑な気持ち。



『本当なら記憶とかも全て消しちゃうんだけど、あなたの知識は役に立ちそうだから、記憶と一緒に残しておくわね。あ、いらないなら消すわよ?』



知識が役に立ちそう、そう言われて嬉しかった。

自分の今までやってきたことがまだ、活かせる、そう聞こえた。



「消さないでください・・・これは、この知識は私が生きてきた全てなんです・・・」



なつきの言葉を聞くとフロワはニッコリと微笑んだ。


『ふふ。それじゃあ早速転生の準備をしましょうか。あっちの世界にもう体は作ってあるはずよ。多分3歳くらいの体ね。最初は不便かもしれないけれど、ドラゴンたちがあなたを助けてくれるはずだわ。』

「ど、ドラゴンが・・・・」


もう全く想像がつかない。一体どんな世界なのだろうか。私は適応できるだろうか。


『転生してしまったら、私はもう干渉出来ない決まりなの。・・・でも、あなたなら大丈夫よ。きっと私の世界を楽しんでくれる。好きに生きて・・・・あ!でも働きすぎはダメよ。次はちゃんと老衰で死んでね。』


フロワはなつきの手を取ってそう告げた。

なつきは神と呼ばれるこの美女にそんな風に言われたのがなんだか嬉しかった。

自分を本当に思ってくれている、そんな気がした。


「ふふふ、長生きします。なんか、フロワさんがそんなに言うなら何も心配ない気がします。」

『ありがとう。・・・さ!なつき!あそこの扉を開けて。その先にあなたの次の人生が待ってるわ。』


フロワが指し示した先にはプラチナの美しい装飾が施された扉があった。先ほどまでは何もなかったところなのに・・・


いや、魔法の世界に行くんだ。きっと信じられないことがもっともっとあるんだ。


「じゃあ、フロワさん。いってきます、、、!」


笑顔で手を振るフロワに見送られ、なつきは扉を開けたのだった。



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