破滅を呼んだ尽きない興味
「・・・あと少し・・・・・」
とある大学の研究室、佐倉なつきは必死にパソコンと向かい合っていた。
幼い頃から科学への興味が尽きなかったなつきは、猛勉強の末有名大学に入り、博士課程を終え、研究者になった。今までの研究の成果を論文に書き起こし、これで研究者として大成できるやもしれないという野望を抱いていた。
数日間もの間、研究室にこもりきり、周りからはこんを詰めすぎ、ちゃんと寝ているかなどと心配されているが、そんなものは御構い無しだ。今はただ、この研究を終え、次の段階へとステップアップしたい一心であった。
もう来年には30歳になろうとしていたが、なつきはずっとこんな感じだった。
ほとんどの人が憧れる青春の一ページなんてものには縁も興味もなかった。
彼女が唯一心を惹かれたのは、未知なる科学の世界。
これ以上に自分を魅了するものなんてないと断言できた。
「よし、一区切り・・・」
あとは最後の部分を書き起こすだけ。
よし、寝よう。あれ、最後に寝たのはいつだっけ・・・?
流石に、頑張りすぎただろうか?
そう思ったら睡魔が襲ってきたので、仮眠をとってからシャワーを浴びよう、なんて呑気に考えていた。
***
それはなつきが眠りについてから1時間ほどしたときだった。
「んっ!?」
突然、胸が苦しくなり、なつきは目を冷ます。
苦しい・・・
誰か・・・
今研究室には誰もいない。救急車を呼ぶしかないと即座に思い、ソファから立ち上がった。
そこで彼女の意識は途切れた。




