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過労死したら異世界転生  作者: とし
いざ王都へ
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ゴブリン・クライシス2

とあるドワーフ視点で始まります。


ゴブリンが巣くっちまったせいでここ数ヶ月ろくな武器が作れていない。


なんとかせねばと、毎日毎日この集落の鉱夫達と話し合いだ。


ギルドに頼みさえすればすぐに収まるだろうと思っていたが、俺たちはゴブリンの繁殖力を甘く見ていたらしい。


倒しても倒しても出てくるゴブリンのせいで、貴重な鉱石が全く取れないとは・・・・・


今日もこれから会議が始まる。

何か打つ手があると良いのだが・・・・



「話があるんだけどよ、」



そう切り出したのは、結構な古株で、腕も良い鉱夫。



「今日きた冒険者の女が、、魔法で殲滅するっていうんだ。」



その言葉に、この場にいるもの達にどよめきが走る。

しかし、めでたい知らせだというのに何やら、彼の顔は優れない。



「成功したら最高の武器を安く売ってくれっていうんだよ。」



「それだけか?」

「お安い御用じゃないか。」



皆が疑問の声を上げる。

なぜ彼はこんな顔をしているのだろう。

ゴブリンがいなくなったら、武器一つなんて軽く超えるほどの利益が出るのに。

それだけで済むなんて、むしろかなりいい話なのではないか?



「その姉ちゃんよ、D級っていうんだ・・・・・」



ーーーああ、結局まだ俺たちはゴブリン供に苦しめられるのか。





* * * * *




一方その頃、ドワーフ達の会議でそのように言われていたことなど露知らず、なつきは最高の気分であった。





「あはははははは!!!アルバくん、逞しくなったねえ!!」


「・・・・・なつき様、迷惑になりますから、お静かに・・・・」



アルバに背負われ、完全なる酔っ払いと化していた。

フラフラで尚且つ酒場から離れようとしないなつきを、従業員の助けを借りて無理やり背負い、この状況に至った。



「いやー、初めにあったときはあんなにヒョロヒョロだったのに、人って変わるもんだね〜〜」

「そうですね。」

「重いでしょ〜?」

「鍛えているので大丈夫です。」

「そこは軽いっていうところだーーー!」

「はいはい。」


今まででは絶対にありえなかったが、アルバはなつきの話を流すという技をこの時会得したのだった。


道中そんな感じで、住人に煩いと怒られるのではないかとヒヤヒヤしたが、それもなく無事に宿屋へと到着した。



「なつき様、お水です。」

「ベッドふかふか〜」


部屋に入るやいなやベッドへと勢い良くダイブしたなつきに水を渡しに行く。


「はい、飲んでください。」

「はーい。」


水を飲み、これで二日酔いの心配は幾らか軽減されただろうかと一安心したアルバであった。

もう夢の世界に片足を突っ込みそうななつきを見て自身の部屋に戻ろうとした時だった。




むぎゅ




「!!?」


ベッドに背を向けた瞬間後ろに引っ張られ、なつきが寝転がるベッドへ倒れ込んでしまう。


「なつき様!?」


犯人であろうなつきを見ようと振り返ると、アルバはギョッとした。




距離が近い・・・!!!!




ベッドは一人用のもので、そこに二人で転がっているこの状況はとても心臓に悪いものだった。



「ふわふわ!」


「!!!??」



頭に手が伸びてきたかと思うとなつきはアルバの頭にある、獣特有の耳を触っている。



「ずっと触ってみたかったのー!子供達とか可愛すぎるけど街中で襲いかかるわけにもいかないし。あ、尻尾もふわふわ!」



街中で子供に触るのは不審極まりないということは理解しているのに、なぜこの人は自分の耳と尻尾を平気で触れてくるのか。しかもベッドの上で。



「なつき様、お、俺だって男なんです!少しは・・・・」

「zzz・・・・」



ーーーね、寝た!?




自分が客観的に見て、かなりおいしい状況にあることは理解していた。


初対面の時は女神と見紛うほどの美人で(本人は無自覚のうえ無関心だが)、奴隷であった自分に無償で救いの手を差し伸べてくれた優しさを持ち、その上誰もが憧れる強力な精霊魔法を使いこなす。


いや、しかしこんな分際で手を出していいような方ではない、そうアルバは強い心を持ち、なつきから離れようと試みた。


が、しかし、



「な!?」



ぎゅっと、先ほどからアルバの尻尾をつかんでいるのだ。

しかもやたらと力が強く、無理に引き抜くこともできない。



ーーー身体能力は普通の人間とおっしゃっていたのに!!!



なぜこんな時にこんな力を発揮しているのか。

それとも身体能力も実は鬼人並ですというオチだったのだろうか。




「・・生殺しだ・・・・」




隣でスヤスヤと安心しきった顔で眠る彼女を、出会ってから初めて、恨めしく思ったのだった。

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