第6話 〝サービス券〟 1/3
小旅行の翌日。
栞乃とハルが後ろを歩き、キミは千秋と並んで下校途中。
「だーかーら、ゴメンってば!」
提げた学生鞄を膝で蹴るように歩いて千秋は、
「一日中謝ってるでしょ、悪気はなかったんだって! 許してくれても良いじゃん!!」
キミを置いて逃げた事を謝っている。
キミは、真夜中の樹海に白骨化した死体の男性の霊と残されて怒っていた。
「……怖かったんだもん」
千秋は眉を上げて怒るものの、流石に申し訳なく思っているようで唇を窄めて謝罪する。
「怒るか謝るかどっちかにしろよ……器用なヤツだなぁ。てか、あの時、男性が立ち上がったのに気づいたんならさっさと教えろよ。回りくどい言い方してさ」
「回りくどい? なんのこと?」
「とぼけるな。ひとりで逃げるつもりだったんだろ。悩んでるとか考えて、とか。そりゃ、あの場面で逃げたら友だちのままじゃいられねえっつーに」
「あれは、違っ! 全然違うの!」
怒ったような謝るような千秋の顔が赤くなった。しかも俯く。
きみは嘆息した。
「違うなら、あの時伝えようとした事を言ってみろよ。今ここで」
「はあぁ!?」
千秋は顔を上げ、後ろの栞乃とハルを順に見、
「こんなところで言えるわけないでしょ!」
言って、キミに向かって学生鞄をブンブン振り回した。
するとハルが後ろで、
「栞乃ちゃん止めてあげてよ。一日中千秋ちゃんの様子が変だよ」
「べつにいいのだあ~、犬も猫も食べないのだ。怒ったり嫌なことは寝ると忘れるのだ。今日みたいに、宿題をやってこなくてカエ姉に怒られた事も、明日になればケロッと忘れることができるのだ!」
「……栞乃ちゃん、宿題はやろうよ」
腰に手を当てて威張る栞乃とハルのやり取りを、キミは横目で見つつ千秋にバシバシ叩かれる。
「助けろよ栞乃! 痛ッ痛ッ! 痛いって千秋!! 何なんだよいったい!」
「ちーあーきー、そのへんで止めておくのだー。早く行かないとお気に入りの席が取られちゃうのだ」
千秋は肩でふぅふぅ息をして、
「キキョウでかき氷奢ってよね!」
プイッと顔を逸らして千秋は体を向き返る。
「檸檬ベースに追加で蜂蜜、白玉もち!」




