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さよならを歌え  作者: 須景夜々


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5/7

今日は部活に遅れる。そう。補習である。つい先日あった社会の小テストが砕け散った。欠点をとってしまい放課後に追試を受けなければならなくなってしまったのである。綾城に言ったところ「バカなんじゃないの?」と一蹴された。「綾城はどうだったんだ」と反論したら満点のテストを突きつけられ「あんな簡単なテストでどうやったら欠点を取るの?」と言う罵倒まで言われて僕は何も言い返せずにトボトボと追試へ向かった。



「追試へようこそ秋鹿。」

「お前もかよ。」

先に追試部屋にいたコイツは|藤正(ふじまさ)。中学からの付き合いで何かと関わることが多い僕の数少ない友人だ。放送部に属していてよくボケる。髪が僕の比じゃないくらい長くて、校則違反の常習犯。風紀委員のブラックリストに入っている噂がある。


「あれ?藤正だけ?」

「そうらしいぞ。ちなみに俺は休んでただけだから欠点をとったのはお前だけだ」

「マジかよ。」

「今日は部活ないのか?」

「普通にあるよ。ちゃんと報告してきた」

「綾城とキャッキャしてんだろ。知ってんだかんな。いいな〜お前は可愛い子と楽しく部活できて。」

「放送部にはいないのか?お前のタイプ。」

「ざんねんなことにいないんだよ。ってか綾城みたいな人が一学年に二人もいてたまるか。お前は状況のありがたさに気づいていない。今やうちの高校の半分の生徒がお前の命を狙っている」

「そんな大袈裟な。ただの部活友達だって」


直後、先生が部屋に入ってきて追試が始まった。

今回は勉強したのでおそらく欠点は回避できただろう。追試が終わった後、藤正と自販機へジュースを一緒に買いに行った。僕はカフェラテで藤正はよくわからない炭酸飲料を買っていた。


「お前ってさ、綾城のこと好きじゃないの?」


藤正は炭酸飲料を開けながら聞いてくる。


「だからそんなんじゃないって。」

「そんなことあるか?あれと同じ空間にいて好きにならないなんて」

「ならないよ。一目惚れでもしたら別だったかもな」

「あれに一目惚れしないなんて難儀なやつだ。じゃ、俺は帰るわ。部活頑張れよ」


 そうして藤正は炭酸飲料を勢いよく飲み干し、帰っていった。土砂降りの中、傘をささずに帰る彼の姿は勇ましく見えた。なぜ彼は天気予報を見ないのだろうか。




部活が終わったのは6時で空は明るくも暗くもなかった。5月に入ったがまだまだ暖かいとはいえずに肌寒く雨が降っているので尚更寒かった。生徒玄関で須波先輩が傘を持っていないことに気づいた裕太先輩が傘に入れていた。須波先輩はいいよいいよと言わんばかりの勢いで頭をブンブン振っていたが裕太先輩に押し切られて入ることに。そしてそのまま相合傘で帰って行ったのを僕たちは目撃してしまった。土砂降りの中僕たちは先輩たちを黙って見送ること3分。綾城が口を開いた。


「相合傘なんてすごい勇気ね。人に見られたらどうするんだろう。」

「そうだな。恋浦さんが見たら乱闘になるんじゃないか?」

「まあでも今日は朝、雨が降ってなかったから傘を忘れるのは仕方ないわよね。降水確率も低かったし」

「もしかして、綾城も忘れたのか?」

「相合傘とか絶対嫌だからね」

「まさか、まだ命を捨てる勇気はないよ」

「何言ってんの」

「ほら、傘。俺もう一本持ってきてるから」

「用意がいいのね、、、ありがとう」

傘は後日返してもらいました。

感想待ってますー。

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