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『40歳OLと高校生、世間では“母子”、本当は恋人――バレたら即終了の年の差ラブコメ、始まります。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
シーズン8.5《社会人8年目と2人の出世…家族5人編のその後と特別編 ~ 》
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特別編⑧「白い季節と、重なるぬくもり」


ハロウィンが終わり、季節は一気に冬へと進んだ。



朝。


窓の外を見ると――


一面の白。


道路も屋根も、すべて雪に覆われていた。


そして今も、静かに降り続いている。



「雪だー!!」


結翔が一番に声を上げる。


未来と莉嘉もすぐに駆け寄る。



「外行こう!」


「雪合戦しようよ!」



その勢いに押されるように、


真希と悠真も支度をする。



近くの公園。


白く染まった地面。


足を踏み入れると、キュッと音がする。



「よし、チーム分け!」


結翔が仕切る。



「パパと俺!」


「ママと私たち!」



自然と分かれる。



悠真と結翔チーム。


真希と未来・莉嘉チーム。



「いくぞ!」


雪を丸めて投げる。



「きゃっ!」


未来が避ける。


莉嘉もすぐに反撃。



真希も容赦ない。


しっかり狙って投げる。



「ちょっと本気すぎない!?」


悠真が笑いながら叫ぶ。



結翔も負けじと投げる。


「いけー!」



雪が飛び交う。


笑い声が響く。



転びそうになりながらも、また立ち上がる。



勝敗は――


引き分け。



「もう一回やろ!」


「いや、一旦休憩!」



息を切らしながら笑う。



その何気ない時間が、


とても“冬らしい”一日だった。



それから数週間後。



家族で向かったのは――

野沢温泉スキー場



雪山。


広がるゲレンデ。


白銀の世界。



「すご……」


未来と莉嘉が目を輝かせる。



結翔はすでにそりを持って走り出していた。



子どもたちは、それぞれ“少し高めのそり”を持ち、


思い思いに滑り始める。



「速いー!」


「もう一回!」



何度も登って、何度も滑る。


その繰り返しだけで、十分楽しい。



一方で――


悠真はスキー。



「……久しぶりだな」


準備しながら呟く。


経験はある。


だが、上手いとは言えない。



滑り出す。



「うわっ」


バランスを崩す。


転ぶ。



「……だよな」


苦笑する。



その横を――


真希が滑っていく。



スノーボード。


滑らかな動き。


無駄のないターン。



明らかにレベルが違う。



「……すご」


悠真が思わず見とれる。



その姿は、


どこか仕事中の真希にも似ていた。


無駄がなく、しなやかで、強い。



(やっぱり、すごいな)


改めて思う。



少しして。



「大丈夫?」


真希が戻ってくる。



「まあ、なんとか」


悠真は苦笑する。



「じゃあ、一緒に行こ」



そのままリフトへ。



隣に座る。


少しだけ距離が近い。



「ゆっくりでいいからね」


真希が言う。



「お願いします」


悠真は素直に答える。



滑る。



転びそうになる。



「ほら、体重こっち」


真希が手を添える。



支えられながら、少しずつ進む。



「……できた」


悠真が小さく呟く。



真希は少し笑う。


「でしょ」



またリフトに乗る。


また滑る。



その繰り返し。



“できないことを、一緒にできるようにする時間”


それが、二人にとっては心地よかった。



夕方。


ホテルへ。



訪れたのは――

野沢温泉 旅館さかや



落ち着いた和の空間。


雪景色を見ながらのひととき。



夕食。


温かい料理。


家族で囲む食卓。



「今日楽しかった!」


子どもたちが口々に言う。



「また来たい!」



その言葉に、真希と悠真は顔を見合わせて笑う。



そして夜。



温泉へ。



水着を着て入れる混浴。


家族で入れる、少し特別な空間。



湯気が立ち上る中、


ゆっくりと体を沈める。



「はぁ……」


自然と声が漏れる。



子どもたちは静かに話している。


今日の出来事。


雪のこと。


そりのこと。



その少し離れた場所で――


真希と悠真は並ぶ。



肩が触れる距離。



言葉は少ない。



身体をただ、そっと寄り添い重なり合う



「今日さ」


悠真が小さく言いながら濃厚なキスをして言う



「うん」



「また、ちょっと好きになった」



真希は一瞬だけ驚いて、


少しだけ笑う。



「何それ」



「滑ってるとこ」



その言葉に、少しだけ照れる。



「……ありがとう」



湯気の中で、


静かな時間が流れる。



派手な出来事はない。



でも――


確かに“満たされている”時間だった。



そのまま部屋へ戻る。



子どもたちはすぐに眠る。


遊び疲れた一日。



真希と悠真も、ゆっくりと布団に入る。



「いい旅行だったね」



「うん」



外では雪が静かに降り続いている。



白い世界の中で、


家族の時間だけが、あたたかく残っていた。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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