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『40歳OLと高校生、世間では“母子”、本当は恋人――バレたら即終了の年の差ラブコメ、始まります。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
シーズン8.5《社会人8年目と2人の出世…家族5人編のその後と特別編 ~ 》
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第8話「季節が運んでくる、家族のかたち」


秋は、静かに進んでいく。


気づけば、ひとつ、またひとつと――

大切な日がやってくる。



――敬老の日


朝から、子どもたちはそわそわしていた。


「今日はおじいちゃんとおばあちゃんのところ行く日!」


結翔が嬉しそうに言う。



真希の実家。


扉を開けると、すぐに迎え入れられる。


「いらっしゃい」


優しい声。



結翔、未来、莉嘉はすぐに駆け寄る。


「遊ぼ!」


「これ見て!」


一気に賑やかになる。



その様子を見ながら、真希は少しだけ安心した表情になる。


悠真も隣で静かに頷く。



「今日はゆっくりしてていいよ」


母親がそう言う。



その言葉に甘える形で、


真希と悠真は、少しだけ距離を取る。



縁側。


静かな時間。



「こういうの、久しぶりだね」


真希がぽつりと言う。



悠真は空を見上げる。


「だな」



子どもたちの笑い声が、遠くから聞こえる。



“任せられる安心感”


それが、この時間を作っていた。



その頃――


子どもたちは、別のことをしていた。



テーブルに向かい、三人で何かを書いている。



「なんて書く?」


未来が聞く。



「ありがとうって書く」


莉嘉が言う。



結翔も真剣な顔で、ペンを動かす。



“いつもありがとう”

“また遊んでね”



少し歪な文字。


でも、その一文字一文字に気持ちがこもっていた。



夕方。


その手紙を渡す。



「これ!」


三人が同時に差し出す。



真希の父と母は、少し驚いたように受け取る。



「……ありがとう」


静かに、でもしっかりとした声。



その場の空気が、少しだけ温かくなる。



帰り道。



「いい日だったね」


真希が言う。



悠真は頷く。


「ちゃんと伝わってたな」



家族が、少しだけ広がった一日だった。



――ハロウィン


夜。


家の中に、ほんの少しだけ非日常が入り込む。



「準備できた?」


真希が声をかける。



「うん!」


子どもたちが元気よく返事をする。



その瞬間――


リビングの扉が開く。



そこにいたのは――


かぼちゃのぬいぐるみを着た悠真。



「トリック・オア・トリート!」


少しだけ低い声で言う。



「きゃー!」


未来と莉嘉が笑いながら逃げる。


結翔も笑いながら構える。



「お菓子くれなきゃ、いたずらするぞー!」



真希は少し呆れながらも笑う。


「はいはい、どうぞ」



お菓子を渡すと、子どもたちは大喜び。



その夜。


子どもたちは遊び疲れて、早めに眠る。



静かになったリビング。



その中で――


悠真は一人、キッチンに立っていた。



ボウルに材料を入れる。


混ぜる。


焼く。



慣れているわけではない。


でも、丁寧に作る。



「……よし」


小さく呟く。



翌日。


夕食の時間。



「今日はデザートあるよ」


悠真が言う。



「え?」


三人が同時に反応する。



出てきたのは――


手作りのパンプキンケーキ。



「これ、パパが作ったの?」


未来が驚く。



「まあな」


少し照れながら答える。



一口。



「おいしい!」


莉嘉が声を上げる。



結翔も頷く。


「普通にうまい」



真希も一口食べる。



「……すごいじゃん」


その一言に、悠真は少しだけ笑う。



何気ないサプライズ。


でも、それがちゃんと“思い出”になる。



――七五三


秋の終わり。


空気が少し冷たくなる頃。



神社の前。


晴れた空。



結翔、未来、莉嘉は、少しだけ緊張した様子で立っていた。



晴れ着姿。


普段とは違う、少し大人びた雰囲気。



「似合ってるよ」


真希が優しく言う。



悠真も頷く。


「かっこいいし、かわいい」



結翔は少し照れくさそうにする。


未来と莉嘉は、嬉しそうに笑う。



「写真撮るよー」


カメラを構える。



三人が並ぶ。



シャッターが切られる。



その一瞬が、しっかりと残る。



そのあと、


少しだけ落ち着いた時間。



「もしもう一人いたらさ」


悠真がぽつりと言う。



「3歳で揃ったね」



真希は少し笑う。



「ほんとだね」



でも、そのあと、少しだけ表情が変わる。



「……でも、今はいいかな」


静かに言う。



「この年で出産は、ちょっときついし」



悠真は黙って聞く。



「まだ欲しい気持ちはあるけど」



そして、小さく笑う。



「この5人で、十分幸せ」



その言葉に、悠真もゆっくり頷く。



「うん」



神社の境内。


静かな風。



子どもたちが少し先で笑っている。



その光景を見ながら、


二人は並んで立つ。



増やす幸せもある。


でも――


“今ある幸せを守る”という選択もある。



秋は終わる。



でも、


家族の時間は、これからも続いていく。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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