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『40歳OLと高校生、世間では“母子”、本当は恋人――バレたら即終了の年の差ラブコメ、始まります。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
シーズン8.5《社会人8年目と2人の出世…家族5人編のその後と特別編 ~ 》
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第5話「走る日、つながる日」


秋の空は高く、澄んでいた。


ルクシア株式会社のグラウンドには、朝から賑やかな声が響いている。



「第40回 秋の運動会、開催します!」


マイクの声と同時に、拍手が広がる。



今回の企画――


悠真が関わったもう一つの案。


“秋の運動会”。



社員だけでなく、その家族も参加可能。


そのため、結翔・未来・莉嘉も――


“真希の親戚の子ども”という形で参加していた。



「絶対勝つ!」


結翔が気合を入れる。


未来と莉嘉も、それぞれ小さく拳を握る。



悠真は軽く笑う。


「ケガだけすんなよ」



競技が始まる。


まずは球入れ。


未来と莉嘉が参加。



「いけー!」


小さな手で、一生懸命ボールを投げる。


入ったり、外れたり。


それでも楽しそうに笑っている。



真希はその様子を見ながら、手を叩く。


「いいよ、そのまま!」


完全に“母の顔”だった。



次はリレー。


結翔の出番。



「頼むぞ」


悠真が小さく声をかける。


結翔は真剣な顔で頷く。



スタート。


全力で走る。


バトンを受け取り、一気に加速する。



「速いな」


誰かが呟く。



ゴール。


息を切らしながらも、満足そうな顔。


「やった!」



真希は思わず立ち上がる。


「よく頑張った!」


その声は、しっかり届いていた。



そして――


悠真の出番。


100m走。



スタートラインに立つ。


周囲は若手社員が多い。


だが、その中でも落ち着いている。



「意外と速いんだよな」


同僚の声。



スタート。


一気に駆け出す。


無駄のないフォーム。



ゴール。


結果は――上位。



「やるじゃん」


声がかかる。


悠真は軽く息を整えながら笑う。



続いて200m。


さすがに少しきつい。


だが最後まで走り切る。



真希は遠くからその姿を見ていた。


(ちゃんと頑張ってる)


そう思うと、少しだけ嬉しくなる。



その頃――


女子リレー。


そこには――

氷室結衣 の姿もあった。



社長とは思えない軽やかな走り。


周囲から歓声が上がる。



「すご……」


未来がぽつりと言う。



昼休憩。


グラウンドの端に、家族が集まる。



そこに現れたのは、真希の母親。


「お弁当、持ってきたよ」


大きな重箱。



「ありがとう」


真希が少しだけ柔らかい表情で言う。



シートの上に広げる。


手作りの料理が並ぶ。



「いただきます!」


五人で手を合わせる。



結翔がすぐに食べ始める。


「うまっ!」


未来と莉嘉も続く。



悠真も一口食べる。


「……いいですね」


自然と出た言葉。



その横で、真希の父親が腰を下ろす。


「どうだ、会社は」


穏やかな声。



悠真は少しだけ姿勢を正す。


「忙しいですけど、なんとか」



「仕事は?」


「順調……だと思います」



父親は軽く頷く。


「無理はするなよ」



その一言に、悠真は少しだけ安心する。


「はい」



午後の競技も終わり、


運動会は無事に幕を閉じた。



夕方。


家に戻る前に、立ち寄ったのは地元の銭湯。



「ひろーい!」


結翔が声を上げる。



男湯。


悠真と結翔。



「今日どうだった?」


湯に浸かりながら、悠真が聞く。



「楽しかった!」


即答。



「リレーも勝てたし!」


誇らしげな顔。



悠真は少し笑う。


「ちゃんと走れてたな」



一方――


女湯。


真希と未来、莉嘉。



「つかれたー」


未来が湯に沈む。


莉嘉もそれに続く。



真希はその様子を見ながら、優しく言う。


「よく頑張ったね」



約一時間。


ゆっくりと体を休める。



風呂上がり。


五人が再び合流する。



「これ!」


結翔が牛乳瓶を持つ。



「乾杯!」


五人で同時に飲む。


冷たい牛乳が、体に染みる。



「うま……」


悠真がぽつりと言う。



真希も小さく笑う。


「こういうの、いいね」



夜。


家に戻る。



それぞれが自分のベッドへ。



子どもたちはすぐに眠りにつく。


運動会と銭湯。


一日分の疲れが、一気に出た。



真希も布団に入る。


悠真も隣に横になる。



「今日、いい日だったね」


真希が言う。



悠真は目を閉じたまま頷く。


「うん」



特別じゃない。


でも、確かに大切な一日。



そのまま、静かに眠りに落ちていく。



秋の夜は、やさしく更けていった。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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