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『40歳OLと高校生、世間では“母子”、本当は恋人――バレたら即終了の年の差ラブコメ、始まります。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
シーズン8.5《社会人8年目と2人の出世…家族5人編のその後と特別編 ~ 》
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特別編④「にぎわいの街と、遠い世界」


滋賀での一日を終えた翌朝。


車は再び走り出した。


次の目的地――

大阪。



「今日は大阪だよ」


悠真が言うと、後部座席の三人が一斉に反応する。


「大阪って何あるの?」

「たこ焼き!」


結翔の即答に、真希が小さく笑う。


「それは絶対食べるね」



高速を抜け、市街地へ。


空気が変わる。


人の数、音、スピード。


すべてが一気に“にぎやか”になる。



最初に向かったのは――

あべのハルカス



高くそびえる建物を見て、子どもたちは自然と見上げる。


「でか……」


結翔が思わず呟く。


未来と莉嘉も、言葉を失ったように見上げていた。



展望台からの景色。


街が一望できる高さ。


車も人も、小さく見える。



「ここ、すごいね」


真希がぽつりと言う。


悠真も頷く。


「全部見える感じだな」



しばらく景色を楽しんだあと、次に向かったのは――

通天閣



下町の空気。


にぎやかな通り。


串カツの匂い。


笑い声。


すべてが混ざり合っている。



「なんか、さっきと全然違うね」


未来が言う。


真希は頷く。


「同じ大阪でもね」



そのときだった。


通りの一角に、人だかりができている。


「何あれ?」


結翔が指を差す。



近づいてみると――


テレビ撮影だった。


カメラ、スタッフ、照明。


その中心に、数人の芸能人が立っている。



「え……テレビ?」


莉嘉が小さく言う。



その中には――

女優の綾川玲奈(あやかわ・れいな)

そして――

『Seven☆Days』のNANA(ナナ)事… 如月七海(きさらぎ・ななみ)


“光の女王”と呼ばれる存在。


画面越しではなく、目の前にいる。



さらに――


50代の芸能人でイクメンの新藤洋輔(しんどう・ようすけ)

若手の28歳の俳優の深瀬郁哉(ふかせ・いくや)

若手で昨日が30歳と発表した稲垣美琴(いながき・みこと)

現役日本代表MF背番号7番の芳崎理玖(よしざき・りく)


総勢7〜8人。


賑やかなメンバーだった。



「おいしいー!」


たこ焼きを頬張りながら、綾川玲奈が笑う。


その横で如月七海も楽しそうに笑っている。



「テレビの人だ……」


未来が小さく呟く。



真希は少しだけ距離を保つ。


「近づきすぎないでね」


子どもたちに優しく言う。



悠真もその様子を見ながら、少しだけ苦笑する。


「完全に別世界だな」



カメラの前の彼らは、明るく、完璧に“見せる人間”。


一方で――


その少し外側にいる自分たちは、“ただの日常”。



結翔がぽつりと言う。


「すごいね」


悠真は優しく答える。


「すごいな」



だが、それ以上は近づかない。


写真も撮らない。


声もかけない。



真希は静かに言う。


「こういうのは、遠くからでいいの」


その言葉に、子どもたちは素直に頷く。



そしてそのまま、少し離れた店へ。



「はい、たこ焼き」


悠真が買ってくる。


熱々のそれを、みんなで分ける。



「……こっちの方がいいかも」


結翔が言う。


真希は笑う。


「でしょ」



特別な人たちのいる場所と、


自分たちのいる場所。


それは近くて、でも確かに違う。



それでも――


どちらも同じ街の中にある。



夕方。


街の明かりが少しずつ灯り始める。



「今日も楽しかったね」


真希が言う。


悠真は頷く。


「濃いな、今回の旅行」



子どもたちの笑い声。


手を繋いで歩く帰り道。



にぎやかな街の中で、


家族の時間は、ちゃんと静かに存在していた。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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