表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『40歳OLと高校生、世間では“母子”、本当は恋人――バレたら即終了の年の差ラブコメ、始まります。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
シーズン8.5《社会人8年目と2人の出世…家族5人編のその後と特別編 ~ 》
PR
126/145

第2話「再会の朝、旅のはじまり」


静かな朝だった。


カーテンの隙間から差し込む光が、ゆっくりと部屋を満たしていく。


隣で、悠真が目を覚ます。


少し遅れて、真希もゆっくりと瞼を開いた。



「……おはよう」


小さな声。


まだ眠気の残る柔らかい声だった。


「おはよう」


悠真も同じくらいの温度で返す。



二人は同じベッドの中で、少しだけ動かずにいた。


昨日までの慌ただしさが嘘のように、時間がゆっくり流れている。


「今日からだね」


真希が言う。


悠真は小さく頷く。


「お盆休み」


その言葉だけで、空気が少し軽くなる。



やがて二人は起き上がる。


キッチンに立つ真希。


冷蔵庫を開け、手際よく朝食の準備を始める。


卵を焼く音。


味噌汁の香り。


ご飯が炊ける優しい音。


それらが、久しぶりに“家の朝”を作っていた。



悠真はその様子を少し離れたところから見ていた。


「手伝う?」


「いいよ。今日は任せて」


真希は振り返らずに言う。


その声には、少しだけ楽しさが混ざっていた。



食卓に並ぶ料理。


どれもシンプルだが、丁寧に作られている。


「いただきます」


二人で手を合わせる。



「久しぶりだな、こういうの」


悠真が言う。


真希は少しだけ笑う。


「ちゃんとした朝ごはん?」


「うん」



一口食べる。


その瞬間、どこか安心する味が広がる。


「やっぱりこれだな」


悠真の言葉に、真希は小さく頷く。


「でしょ」



食事を終え、軽く片付けを済ませる。


準備はすでにできていた。


荷物も、車も。


あとは――迎えに行くだけ。



車に乗り込む。


エンジンがかかる音。


その瞬間から、少しずつ“旅”が始まっていた。



真希の実家に着くと、玄関の前ですでに三人が待っていた。


「パパ!ママ!」


結翔が真っ先に駆けてくる。


未来と莉嘉もその後を追う。



真希はしゃがんで三人を抱きしめる。


「ただいま」


自然に出た言葉。


「おかえり!」


子どもたちの声が重なる。



悠真も少し遅れて頭を撫でる。


「いい子にしてたか?」


「してた!」


即答。


その元気さに、思わず笑みがこぼれる。



少しの会話のあと。


荷物を受け取り、再び車へ。



「どこ行くの?」


結翔が聞く。


悠真は少しだけ間を置いて言う。


「遠く」


未来と莉嘉が目を輝かせる。


「旅行?」


真希が頷く。


「うん。ちょっと長めの」



車が走り出す。


窓の外の景色が流れていく。



今回の目的地は三つ。


まずは 京都。

続いて 滋賀県。

そして最後に 大阪。


七泊八日。


少し長めの、大きな旅行。



「そんなに長いの!?」


結翔が驚く。


悠真は笑う。


「たまにはいいだろ」


未来と莉嘉はもうすでに楽しみで落ち着かない様子だった。



高速道路に入る。


都会の景色が、少しずつ自然へと変わっていく。



車内はすぐに賑やかになる。


「どこ行くの?」

「何食べるの?」


質問が止まらない。



真希は振り返りながら言う。


「全部楽しもう」


その一言で、子どもたちはさらに盛り上がる。



悠真はハンドルを握りながら、少しだけ横を見る。


真希が、穏やかな表情で外を見ている。



「楽しみだな」


悠真が言う。


真希は小さく頷く。


「うん」



仕事から少し離れた時間。


家族としての時間。



それは“特別”でありながら、


本当はずっと欲しかった“普通の時間”だった。



車は、ゆっくりと西へ向かう。


夏の空の下、


新しい思い出が、これから始まる。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ