小間使い
小間使い
「ヨシ君はどうしてそんなに使えない人物なんだ!」
おかしな形で俺を管弦楽部の退部をさせた源次郎だと思ったら、それが一事が万事と言うようないびつな学校生活になってしまった。
源次郎が学級委員長、そして俺が一年生のときと同じく副委員長となったが、源次郎はいちいち俺に仕事を押し付けてくる。面倒くさいことばかりを俺にさせて、しかも思うとおりに俺が動けないと何故かこの源次郎と言う男はこういう癇癪を起して高音域の叫び声をあげる。
使えるとか使えないとか、源次郎にとって俺はいったい何者だよ? こういう立場に立たされるのが本当の理由として、俺は管弦楽部を辞めさせられたのか?
「これはお前のためを思ってやっていることなんだよ」と言って、悪事を働く詐欺師というのはいるものだ。まさか小曽根源次郎という男はそういった犯罪者だったのか?
大人になって、モノ書きになる源次郎だが、「便所の落書き」と評されるくらいのものしか書かない程度の低い奴だった。害がなければまだしも、源次郎の書いたものによって被害をこうむる人まで出てくる始末で、それでも反省する気もなければ強気でさらに人に対して源次郎は意味不明と言った攻撃心を燃やすばかりで、善悪の判断というものがまるでつかない男だった。
放課後に教室中の机や椅子を、全部廊下へ俺が一人で運び出して、教室内では源次郎が用務員のオジサンと話をしていた。
源次郎は俺の手伝いを全くせずに、なにやらリストを書いている。俺一人で再び机も椅子もすべて教室内へ運び込むことになる。校門が閉められる時間までに運びきれず、すると源次郎は俺の頭に雷を落とす。
「だから、どうしてヨシ君はどうしてそんなに要領が悪いんだ!」
どこまで要領がいいとしても、さすがに俺一人では机も椅子も短時間では運べない。
やがて生徒会の選挙の時期が来た。
「ヨシ君、僕は生徒会長に立候補するから推薦人をやりたまえ!」
小曽根源次郎の名誉のための便利な小間使いとして、源次郎に寄生して生きなければ、存在意義が消滅してしまうヨシ君。いつの間にか俺はそういう立ち位置に立たされていた。小曽根源次郎にこき使われるばかりのバカげた学校生活。
かったるくてやる気が起きないから、俺は推薦文の原稿を書く筆が進まなかった。すると源次郎が眉間にしわを寄せてケチョンケチョンに怒りまくる。
「どうしてヨシ君は努力というものをしないんだ! やらなければいけない義務を放棄する、君のその傲慢な神経が僕には理解できないよ! それだからヨシ君はダメなんだ!」




