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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第2章

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第9話 手探の魔女①

 美術館、オペラ座といった芸術の町だった。

 建物にも芸術性が高く、見物に来る客も多く華やかに見える町でも、人身売買、薬物など裏の取引が多い町でもある。

 裏取引でも時に値打ちがあるため、アキセも堪能していた時だった。

「なあ、訊いているか、今回の目玉についてさ」

「あ~確か・・・」

 二人の男の話を耳に入ってしまった。

 それは息を飲むほどだった。


 街に着いた時にはもうすぐ夜になるところだった。

 赤かった空が徐々に黒く染まっていた。

 街灯にあるエンジェライトは、月の『光』を吸収し、照らし始めている。

 町は祭りだと疑うほどのにぎやかだったが、もう宿に休みたかった。

 もう夜になる。

「宿探さない・・・」

 背後からあの気配がする。

「と!」

 振り返り、殴ろうとしたが、顔の寸前で止まる。

 別人だった。黒髪。黒目。顔が整った青年。以前、魔術の町アリルスブルクで会ったリカルドだった。

「あれ、リカルド?」

――おかしい。気配が完全にアキセだと思っていたが

「俺が何かしたか?」

 少し切れ気味に言う。

「ごめん。人違いだった」

 危うく顔を殴るところだった。

「人違いで殺すつもりか」

「だから悪かったって」と思い出す。

そういえば、リカルドにはある取引をしていた。町の外に連れていく代わりにある質問をすることを。

「まさかとは思うけど、質問したいがために追いかけてきたんじゃ・・・」

 ジャンヌは一歩下がる。

アキセと一緒に連れられて質問できずに終わった。その質問がしたいがために追いかけてきたのだろうか。

「そんなストーカーと一緒にしないでほしい」

 その時だった。

「ごめんよ」と少年がぶつかってきた

走り去っていく少年の手に懐中時計を持っていた。

「あれ、あなたのでしょう」

 冷静にリカルドに尋ねる。

 リカルドは溜息を吐く。

「たく」

 盗まれたにも関わらず、ゆっくり歩く。

「あイテ!」

 少年が唐突に転び、懐中時計が少年から離れる。

――けど一瞬少年の足が止まって転んだような

 リカルドは少年を追い越し、懐中時計を拾う。

 少年は舌打ちして逃げる。

「その懐中時計って何?」

 銀色の懐中時計だった。

「ただの懐中時計だ。それより」

 リカルドが腰に懐中時計を仕舞いながら、話を変える。

「聖女は、ここにある『魔女の手』のことで来たんじゃないのか」

「『魔女の手』?」

 首をかしげる。

「知らないで来たのか?」

「旅は流れるままにきたの」

「どっちにしても聖女としては無視できないだろう」

「私、そこまで仕事熱心じゃないけど」

 魔女の部位は、人間に扱えるほどじゃないが、何に使われるか分からない。無視はできない。

「そうね~聖女として仕事してほしいなら手伝ってよ。さらに上乗せでこの間の質問にも答えてあげる」

イタズラな目で見つめる。

「あれは、勝手に消えたじゃないか。不成立だ」

「ち。上乗せしてもっと要求したのに」

「聞こえてるぞ」

「じゃあ、なぜその『魔女の手』に執念あるのか聞いてからにしようかしら」

 イタズラな笑みをする。

 リカルドは面倒くさそうに溜息を吐く。

「あの『魔女の手』は、俺と関わっている」

「ん?どういうこと?」

 首を傾ける。

「俺の先祖が魔女と関わってな。その問題解決に」

「何したのよ?わざわざ魔女と?」

 魔女の契約ほど面倒くさいものはない。

 魔女と契約を結ぶのは、首輪を繋がれているような状態。魔女が解除されない限り、自由を奪われる。契約内容はそれぞれだが、その契約を破かれたら、どう裁かれるのか、想像はつかない。運が良くて、怪我して生きて帰ればいい方だ。

 リカルドは少し悩んだ様子だったが、話すようだ

「魔女から課題出されてな。それが私の代まで続いているんだ」

「課題?契約しちゃったとか?」

「いや、していない」

――え?何それ

「契約していないなら、無視すればいいじゃないの?」

「それが無視できないような課題なんだ」

「そうなの・・・」

 契約されなくても魔女に目つけられた時点で魔女に付き纏われる。早く解放されたいにも。

「で、その『魔女の手』をどうするつもりだったの?」

「壊す」

 以外な回答だった。『魔女の手』を奪って何かに使われると勝手に思ってしまった。

「それで問題解決になるの?」

「多少は。で、どうするんだ?話は終わりだ。仕事するのか」

 リカルドの目的は、『魔女の手』の破壊。理由は抽象的だか、全部真実とは思えない。

 けど、魔女から解放されたいのなら。

「魔女を殺してとは頼まないのね」

「だとしても所在不明の魔女だ。それに聖女一人で殺せるかも分からないし」

「私、それなりに強いんだけどね」

「その辺りの魔女を殺すくらいにだろう」

 少し貶したような。

 魔女を倒すのもそんな簡単なことではない。『魔女の手』が破壊で終わるならいいか。

「いいわよ。仕事してあげる。その代わり手伝いなさいよ」

「分かった」

「で?その『魔女の手』はどこに?」

「オークション会場」


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