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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第2章

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第6話 彩花の魔女④

「どうだったかしら。サプライズは?」

 フィオーネは見下ろして言う。

「魔女はいつもサプライズがあるから、慣れているわよ」

「つまらない」

「なんであんたは、普通に復活しているのよ」

 ジャンヌはフィオーネに問いかける。

「ん~」

 フィオーネは、立てた人差し指を頬に当てながら考え込む。

「ちっぽけな頭で考えたら~」

 フィオーネは、勝ち誇ったような不気味な笑みを見せる。

「分身を使った」

 フィオーネの視線がアキセに向けられる。

「死にかけたところで用意していた分身に移動したんだろう」

 大きい桃色の花を動かし、アキセの前まで動かす。

 フィオーネがアキセに向けている隙にジャンヌは、手と足に『光』を結晶化し、トリモチを切り剥がす。



 アキセに近づいたフィオーネは足を伸ばし、アキセの顎を足で上げる。

「生意気」

 フィオーネが足でアキセの顔を蹴る。

「さっきのあれ。結構気色悪かったけど」

 フィオーネはアキセを見下ろす。

「それはやりがいがありました」

 顔に傷ついたアキセが余裕そうに言う。

「後でじっくり相手してもらうかしら」

「遠慮しときます」

「あなたの意見はいらない」

 フィオーネが桃色の花から降りる。

「さて」

 フィオーネが振り向こうとした時、飛び掛かるジャンヌが白い炎の剣が振り下ろそうとしていたが、  フィオーネは後ろへ下がる。

「野蛮な放火魔」

「悪趣味枯れ女」

 にらみ合うジャンヌとフィオーネ。



 どうする。

 フィオーネが燃やしても、すぐに復活する。これではいくら『光』が無限に使えても、切りがない。

「あら、もしかして困惑してるの」

 フィオーネが煽るように言う。

「私がだだ燃やされるためにあなたの前に出たと思う」

 フィオーネは不気味な笑みを見せる。

 まだ何を企んでいる。

「そろそろかしら」

 何かを企んでいる笑みを見せるフィオーネ。

「え?」

 ジャンヌは、突如力が抜けたように倒れる。

 背中に重みを感じる。

 背中から服が破け、植物のような獣が現れる。細長い葉を伸ばし、黄色の花の頭の異獣(エヴォル)だった。

 植物型の異獣(エヴォル)。エンゲ。

 寄生植物のキティヌスが異形(デミ)化した異獣(エヴォル)

 生き物に寄生し、相手が死ぬまでエネルギーを吸収する。相手が死ねば、種を生み出し、巻き散った後でしおれて死ぬ。

「いつの間に・・・」

 ジャンヌは思い出す。

 昨日の夜、『根の塊』をかばい、花の狼に背中に攻撃を与えられた時から体に寄生していた。アキセが見た時には何もなかった。ジャンヌの体に植物の怪物が寄生し、エネルギーを吸収し、成長していた。

「ああ、いい眺めよ」

 高い声を上げながら興奮するフィオーネは、ジャンヌの顔に踏み、見下す。

「今回はね。『光』を効かないエンゲちゃんを使ってみましたー」

 フィオーネが陽気に言う。

「こんな日中でも『光』を吸う元気もなければできないでしょ」

 『光』を吸わせないように体力を奪っているのか。

 エンゲは、魔力を持たない異獣(エヴォル)の仲間。

 異獣(エヴォル)は、異形(デミ)化前から持っていた本来の能力を引き伸ばし、進化した獣。

 『光』の浄化を効かないところを利用し、今回の作戦に出たのだろう。

 フィオーネは勝ち誇ったのか悪い笑みをみせる。

 ジャンヌは、抵抗するようにフィオーネをにらみつける。

「あら。まだそんな目つきするんだ。じゃあもう一押し」

 フィオーネはパチンと指を鳴らす。

 地面から茎針が伸び、ジャンヌの体を貫通させ、さらにジャンヌのエネルギーを吸われている。

 さらにフィオーネはジャンヌの顔を踏みつける。

「もう、浄化する力はない。でも安心して。まだ死なせないから」

 悪意のある笑みを見せる。

「生きたまま皮を引きはがしてやる!一つ一つ骨を引き抜いてやる!肉体を崩してこの子たちの養分にしてやる!」

 一言ごとに怒声を上げる。

「もう想像しただけでたまらない~」

 声を高らかに興奮するフィオーネ。

 その時だった。

ジャンヌを囲むように根が伸び、ジャンヌに貫いたツルを切った。

「はあ?」

 フィオーネが、向いた先にあの『根の塊』が立っていた。

「あんた・・・」

 強く言って離れたあの『根の塊』が、ジャンヌを助けに来てしまった。

 だか、魔女に勝てるはずがない。

「やめろ!」

 ジャンヌの声を聞きもせず、『根の塊』は、根を伸ばし、フィオーネを襲うが、フィオーネは、ツルを掴む。

「何これ」

 フィオーネは、さらにツルを強く握る。

「私の邪魔をしていてくれる。雑魚が!」

 ツルを握り千切る。

 ピ!と『根の塊』は驚く。

 そして、地面から茎針が伸び、『根の塊』を絡める。

 『根の塊』はじたばた暴れるが、茎針は取れやしない。

 フィオーネはジャンヌから離れ、『根の塊』に近づく。

「生意気な雑魚。邪魔したおしおきをしないとね」

 フィオーネは笑顔の中に悪意を感じる。

 ジャンヌはフィオーネがこれからする行動に予想がつく。

「やめて!」

「はい、散って」

 フィオーネは笑顔で手を握ると、ツルは、種の魔物を強く絡み付け、バラバラにされる。

 バラバラになった根が落ちていく。

 

 あの時も何もできなく、ただ目の前でルチア様が傷つけていくのか。


「あら~聖女のくせにあんな魔族(アビス)にまで嘆くわけ~あははははははははははは!」

 フィオーネが高笑いする。どこまでも続く笑い声が銃声で打ち消される。

「銃声?」

 その銃声は、アキセが茎針からわずかな隙間から手を伸ばし、銃を構えていた。

 アキセが狙ったのは、ジャンヌの背中にいるエンゲだった。

 エンゲの頭がなくなっていた。

「貴様!」

 フィオーネが怒声を上げた途端に腹に弾が当たる。

 フィオーネには何も起きなかったが、アキセに絡まれた茎針が枯れていく。

「どうして・・・どうして力が使えない!」

 フィオーネの顔色が変わった。

「何をした!あの弾はなんだ!」

 フィオーネが叫ぶ。

 立ち上がったアキセは、答えることなく、不適な笑みを見せる。

 その時、白い炎がフィオーネの頭に当たる。

「ああああああああああああああああああ」

 フィオーネが叫ぶ。

 ジャンヌはふらつきながら立ち上がる。

 殺意を込めたような目つきをするジャンヌは、一歩一歩フィオーネに近づく。

「来るな・・・」

 白い炎で髪が一部燃やされ、顔には火傷のような跡がついたフィオーネが怯えながら、下がっていく。

「来るな来るな来るな来るなああああああああああああ」

 フィオーネの頭をジャンヌが掴む。

「くたばれ」

 ジャンヌはフィオーネを白い炎で燃やす。

 フィオーネはどこまでも続く悲鳴と共に消えていった。

 ジャンヌは、膝をつく。

「まだあの時と・・・」

 ジャンヌは力尽きて倒れる。


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