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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第2章

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第6話 彩花の魔女①

 昼が過ぎ、もうすぐ夕方になる頃、ジャンヌが森の中を歩いていた時だった。

 ぴーと高い鳴き声が聞こえたと思えば、後から頭に何かが当たる。

 ゴキッ!

 衝撃があまりにも重く、首に嫌な音がした。

 その衝撃でジャンヌは膝をつく。

 言葉にならないほどの痛みだった。

「いったー。何?」

 首を手で押さえながら、振り返れば、石だと思っていたが、目があり、根で包み込んだ体に足が生えている生き物がピーと鳴いてジャンヌを見つめている。

魔獣(モンスター)でも異獣(エヴォル)ではないし。それに使い魔でもない・・・」

 植物の生物は、魔獣(モンスター)異獣(エヴォル)との判別は難しい。

 魔族(アビス)化・異形(デミ)化以前に本来持っている能力なのか判断がしづらいからだ。

 特に敵意を向いていなかったので、退治する必要もなかった。

 敵意のない相手を切るほど、残忍ではない。ジャンヌの信条は、襲ってくるものは、皆切る。

「次は気をつけな」

 ジャンヌは、『根の塊』に一言言ってから、歩き出すが。

「ついてくる」

 どんなに歩いても『根の塊』は、親鳥に付いていくひな鳥のように追ってくる。

 振り返れば、木の陰に隠れ、こちらの様子を覗き込む。前を向いて歩けば、ピーピーと歩いてくるというその繰り返しだ。

 どうしよう。なぜかついてくる。

 このまま付きまとっても困る。

 どうやって追い払おうかと悩んできた時にあの男は現れる。

「なんだ、ここにいたのか?」

 黒い髪と目の優男。中指に指輪がはめ、黒いロングコートで全体的に黒を基調とした服を着ているアキセだった。

木の陰から出できた。

 なぜ、この男はタイミング悪くも良くも現れるのかとジャンヌは、頭を抱えながら、アキセを無視続ける。

「無視するなよ。おいってば・・・」

 陽気に言うアキセだったが、言葉が途切れる。

「ん?」

 ジャンヌは気になって振り向くが、『根の塊』の頭から根が伸び、アキセの顔を縛り、身動きを封じていた。

「な・・・何これ」

 ピー!と高い鳴き声で『根の塊』がアキセを弧に描くように振り上げ、地面にたたきつける。

「おえ!」と汚い声を出すアキセ。

「あー」と抜けたような声を出すジャンヌ。

『根の塊』は、まるで飼い主を守るようにジャンヌの前に立ち、アキセを威嚇する。

「くそ生意気な・・・」

 顔に土をつけられたアキセは、『根の塊』をにらみつける。

『根の塊』はアキセの顔を見てあざ笑う。

「ジャンヌ!なんだ!その生物は!」

「ん~私の新しいボディーガートかな」

 ジャンヌは、いたずらな笑みを見せる。



 小さな村だったが、静けさがあった。

 家が花に包まれたように草が絡まり、花がところどころに咲いていた。

 まるで花園ような村で一人の女が歩いていた。

 華やかなドレスで足を見せている。バラのような赤い目。根のような髪が後ろにまとめていた。

「ああ、綺麗に咲いてくれたわ」

 茎針が体中を絡め、口から花を咲く人間だったものを女は顔を近づけ、甘い声で花の匂いをかいでいた。

「いい匂い」

 他にも腹から赤い花が咲いている人間、手足が体から千切られ、断面から花を咲かせているなど、人間だった花を女は眺めていた。

 そこに地面から一輪の花が伸び、女の耳元に話しかける。

「何?あの聖女が近くにいる・・・」

 女は思い出す。

体中が燃えながらあざ笑いする少女の声が頭から響く。

「また、燃やすのか・・・憎い」

 女は、噛み砕く。


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