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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第2章

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第5話 魔女図鑑を作る男④

「ジャンヌが変な伏線立てるから!」

「知らないわよ!」

 ジャンヌ、アキセ、ナタルは、ラプラスから必死に走っていた。

 すぐに終わるかと思ったが、まさか伝説のラプラス・ライブラーが現れるとは思わなかった。

「あのラプラスって、呪力とかなんか知らないの?」

 ジャンヌは、ナタルに質問する。

「えーと、そうですね。ノレッジを操るのと、知恵を盗むことくらいしか分かっていません!」

「それは誰も知っているぞ」

 アキセが横から言う。

「ラプラスは伝説級で情報が少ないんです。だから、彼女の話を聞きたかったんです!」

 ナタルは悔しがるように走る。

 ラプラスは、他の魔女よりも比べられないほどの実力を持つ。

 まともに相手にしたくない。

 だか、先ほどから違和感がする。あの魔女から何かが引っかかる。

 考える隙もなく、後ろからノレッジがざわざわと追いかけてくる。

「もうあんなに・・・今は急いであんたのエンジェライトを探すしかない」

「こんな森の中どうやって探すのかな」

 アキセがいう。

「コルンの発明品で見つけられないの?」

「え?!コルンってこうさくの魔女のコルン・ゴボルドですか!」

 ナタルは無視する。

「一応あるけど」

「じゃあ、さっさとやりな」

 その時だった。

 ドシンドシンと音を立てながら、地面が揺れる。

「何んだ!」

 後ろを向いたアキセが、叫ぶ。

 ノレッジを追い越して、巨大なモノが近づいていく。

 ドラゴンのようだったが、少し違っている。

 違うとしたら、翼がなく、走りに特化したような大きい足。地面につかず、真っすぐに伸びる太い尻尾。体が大きい割に小さい手。

 ただその生き物が、鉄でできている巨大なトカゲだった。

 その鉄のトカゲの背後にラプラスが飛んでいた。

「なんなの!?あれ~」

「確か、ラプラスは異世界の知識まで集めているという噂を聞いたことがあります」

「そんなマイナス情報聞きたくない!」

 ジャンヌは叫ぶ。

 追いつかないように必死に走り出す。

 その時だった。

「伏せろ!」

 アキセが叫び、ジャンヌに飛び込み、一緒に倒れる。

 ナタルも伏せる。

 頭上に光線が通り、避ける。

 その光線はおそらく鉄のオオトカゲの仕業だろう。

 顔を上げれば、木が無くなり、削られた道になっていた。計り知れない威力だった。

「本当にやなモノを出しやがって」

 見通しのいい道を走っては敵にすぐに見つかってしまう。

 少しでも視界を遮るために森の中に走るが、鉄の大トカゲはお構いなしに森を壊して追いかけてくる。

 このままではやられる。

 考えろ。この状況を奪回する方法を。

 ラプラスのあの一言を思い出す。

 あの会話で矛盾が生まれていた。

 もし、あのつじつまが合えば、勝てるかもしれない。

 たぶん、あの魔女は。

 走った先には広い森にたどり着く。

 ジャンヌは滑り込むように止める。

「急に止まるな!」

 アキセが叫び、足を止める。ナタルも連れられて止まる。

「あんたは、ナタルと一緒にエンジェライトを探して!」

「なんで、俺がこいつと!」

「作戦があるの。それに魔女を倒せるの、私しかいないでしょ!何。代わりにやってくれるの」

「やめときます」

 すぐ否定された。

「ちょっと待って下さい。もう少し彼女と話したいので・・・」

「そんな状況じゃないでしょ!早く行けって!今はあんたのエンジェライトを探さないと終わらないんだから!」

 この世に及んでラプラスと話したいというナタルに飽きて仕方がない。

「ちっ!行くぞ!」

 アキセは舌打ちをし、ナタルを引っ張る。

「せめて戦っているところをー」

 その場を離れたアキセとナタル。

 ジャンヌはロザリオに光の刃を作り、これから襲ってくる敵を前に警戒する。

 木の無い道から鉄のオオトカゲの頭の上に乗るラプラスが姿を見せる。

 遅れてきたノレッジは、森の奥へと飛んでいく。

「あれ、君だけなの?」

鉄のオオトカゲの頭の上に乗るラプラスは、問いかける。

「ラプラスは知識を奪うんでしょう。来たんなら、直接奪えばいいんじゃないの。なんでわざわざノレッジを使って回りくどいことするわけ」

「遊びたいからよ」

 単純に答える。

 ラプラスは鉄のオオトカゲの頭の上で寝そべり、頬杖を立てながら見つめている。

「それって自分からできないからじゃないの」

「何を言いたいの?聖女」

「あんたが本当のラプラスなのかってことよ」

 ジャンヌは睨みつける。

「どういうことかな」

 ラプラスもジャンヌを鋭く睨みつける。

「だって。さっき言ってたでしょ。やけに騒いでいると思ったらってね」

 あの一言が気になっていた。

「なぜ、魔女の一部である使い魔の状態を把握できていないのよ」

 使い魔は、魔女の一部で魔女と繋がっている。使い魔の考えも魔女が読めないことはない。

「そりゃそうか。他の使い魔を使っているモノ。つまりあんたは本当のラプラスから使い魔の権利を与えて操っているってことだよね。分かるはずもないモノ。それにラプラスって滅多に出ないっていうんじゃない。別の魔女が語ってもバレないものね」

 ラプラスは何も言わず、ただ黙り込んでいる。

「あなた、何の魔女かしらね」

 ジャンヌは聖剣ロザリオを向ける。

 ラプラスは観念したのか、ため息を吐きながら、鉄のオオトカゲの頭の上で立ち上がる。

「すごいな。よく分かったね」

「伊達に魔女を退治してないわ」

 ジャンヌはロザリオを構える。

「じゃあ、見破ったご褒美にちょっとだけ教えるね。そうさ!僕は空想(くうそう)の魔女ルシア・ファンタジア。ラプラスの代理さ」

 ラプラスだったルシアは、腕を広げて言う。

「代理?」

「ラプラスね。本を読むほうに専念したいから、探すのはノレッジたちなんだよね。僕も時々ノレッジと一緒に行って、食べていく人間たち見るのも嫌いじゃないんだけどね」

 ルシアは無邪気に言う。

「あと、あんたの呪力は、本の中身を実体化させるってところでいいかしら」

「ん~、少し違うけど、教えないよ」

「別にいいわよ。ラプラスが相手じゃなければ、遠慮なく殺せるんだから!」

「正体分かったからって、調子に乗らないでよね。聖女」

 ルシアは鋭い目つきをする。



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