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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第2章

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第5話 魔女図鑑を作る男②

 満月が夜を青く照らしてくれる。

 ジャンヌは山の麓で偶然見つかった温泉で休むことにした。

 服を脱ぎ、温泉の中に入り込む。

「はあ~気持ちいい~」

 よく晴れた月を眺めながら、『光』を吸収していた。体の疲れやストレスも温泉に溶けていく。

「ああ、それにしてもナタルって男、めんどくさかったな。アキセが出てきてちょうどよかったー」

「何がちょうどよかったーだ」

 唐突に後ろからアキセの声がした。声からして不機嫌そうだった。

「それ以上来たら、殺す」

「何が殺すーだ。あんな変な男に押し付けやがって、くわ!」

 近くに丁度いい石があったので、後ろへ投げ、アキセを黙らせる。

「日頃の行いが悪いんだよ」

 ゆっくり温泉に浸かる時だった。

 温泉の中に黒い物体が徐々に近づいてきた。

「何?」

 黒い物体は、ジャンヌの目の前で温泉から出る。

 その正体は、昼間現れたナタル・イーブラーだった。

「やはり、体の構造は人間と同じですか」

 ナタルは、何かを納得したらしい。

「あああああああああああああああああああああああ」

 叫んだジャンヌは、ナタルを殴り飛ばす。



「いたたた。ジャンヌさん。ひどいです」

 ナタルは、ジャンヌに殴られた顔をさする。まだ痛みが治まっていないようだ。体を覗いたナタルに罪悪感を持つ気はない。

 当然の対応だ。

 一夜上げてからもジャンヌに付いて来るのは、アキセだけでなくナタルもついてきた。

 いつまで付いてくるんだ。これ以上ストーカーを増やしたくない。

「よし、決めました。」

 ナタルが、急に声を上げる。

「何よ・・・」

 ジャンヌは、嫌な目でナタルを見る。

「ジャンヌさん!付いて行ってもいいですか!」

 その一言で体が固まった。

「はあ!?」

 思わず口を上げる。

「ジャンヌさんと行けば、魔女に会えますし、もっと研究が進めると思うんです。どうかお願いいたします」

 ナタルは必死に懇願する。

 ジャンヌは頭の中で駆け回っていた。

 もし、このナタルが一緒に付いてきたら、戦いの中で状況関係なしで魔女に話しかけて、戦闘の邪魔になる。さらに日頃からじっと見られ続けるという気持ち悪さを考えるだけで鳥肌が立つ。

「ちょいと待った」

 話に入り込むアキセは、ジャンヌの肩に何気に乗せる。

「あいにくこいつは、俺の遊び相手なんだ。」

「ちょっと!」

 ジャンヌは眉を吊り上げる。

「それにおまえが付いてくると夜襲われないだろうが」

 ゴツ!

 目に見えない速さで、地面にヒビ割るほどアキセを殴る。

「いつもながら手加減なしか」

 顔に泥をつけながらアキセは言う。

「アキセさんは、ジャンヌさんと夜を過ごしたいのですか?」

「そりゃ~な」

 ナタルはアキセに声をかける。

「ちょっと何話しているんだ?」

 ジャンヌは突っ込む。

「それはそれでやってください!面白い結果が出るかもしれません」

「じゃ~やろ!」

「おまえら・・・」

 妙にアキセとナタルが意気投合し、手に怒りを込めて握りしめる。

「もう知らん!」

 ジャンヌは怒りながら二人を置いて歩き出す。

「待って下さい!あ!」

 ナタルが何もないところで転び、ペンタントが外れ、川に流される。

「え!?」

 その場でジャンヌとアキセは固まる。

「あ~どうしよう・・・あれがないと・・・」

 ナタルが動揺した時だった。

 先ほど静かだった森が騒ぎ始める。

「何?」

 警戒する。

「ヤバイ・・・来る・・・」

 ナタルが冷や汗をかく。

「来るってまさか・・・」と言う前にジャンヌの目の前に何かが通り過ぎる。

 目を追った先に、地面に穴が空いた。

 その穴から鳥のような生物が飛び出す。

 ただの鳥ではなく、四角の嘴で、嘴の中が本のように紙がペラペラと音がし、ギぃーと吠える。

「ちょ!これって!」

「ノレッジです!」

 ジャンヌの問にナタルが答える。

 ノレッジが、突進してくるが、ロザリオで切る。

 切られたノレッジは、真っ二つになり、消えていった。

「まさかこれだけじゃないよね」

 答えるように、空の方からざわついてくる。

空を見上げれば、ノレッジが獲物を狙う目で見つめる。

「あ~あんなにいるのね・・・」

 ジャンヌは呆れて言う。


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