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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第2章

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第4話  水鱗の魔女⑤

「イテテ。完璧に背中の骨にヒビ入ったって・・・」

 魔女の蹴りで木を何本が倒しながら、最後の木にぶつかり、背中に強打され、体が起き上がれずにいた。

「やべえ、起きられない・・・」 

 水しぶきをあげながら、何かが近づいてきた。

 今、ジャンヌは魔女と相手している。この状況で来るとしたら使い魔しか考えられない。

「使い魔たちが来るな」

 腰の骨が折られ、立てられない。このままでは使い魔に殺される。

「最後の手段と行きますか」

 右手に人差し指に長く鋭い銀色の指飾りをつけ、手の甲に宝石をはめ込んだグローブをつける。

 そして左手に古びた本も召喚する。


 日が暮れた。

 多少日に当たったが、『光』を十分なほど吸収していない。魔女を殺す分しかない。月明かりが届くまで時間がかかる。それまで持ち堪えるのか。

 ペグは、消耗が狙いなのか、鱗を混ざった水が渦を巻きながら、蛇のように襲ってくる。『光』の消耗を避けるため、避け続けている。

「調子乗りやがって~」

「あらあら、さっきの勢いはどこにいったのかしら。負け犬の遠吠え」

 ペグは、余裕な顔ぶりで見つめている。

 距離を取ろうとしたが、木の根に足が当たり、後ろへバランスを崩す

「しま・・・」

 攻撃される。

 思わず目をつぶるが、地面についても攻撃が来なかった。

 ゆっくり目を開ければ、ペグが凍りの彫刻像のように体中に凍っていた。

「これって・・・」

 よく見れば、白いモヤが漂っている。触っても感覚がない。木や川までも凍っていた。

 おそらくこれは、魔術で起こした現象。犯人は分かっている。アキセの仕業だと。

魔女文字(ウィーンもじ)を使いやがったな!」

 魔女文字(ウィーンもじ)

 魔女名に使用され、魔女しか読めない文字。()(てい)の魔女マリカラ・ウィーンが作ったと言われている。魔術として使えるのは数十くらいのもの。

「魔術師風情が!この程度のちから・・・」

 ペグの体が徐々に凍りつけていた。ペグが必死に動かそうとする。

 そうはさせない。

 ジャンヌはすかさず動かなくなったペグの体にロザリオで横に払い、体を上下に分かれる。上半身のペグの頭をロザリオで貫通させ、地面に刺す。

 ペグは、ジャンヌににらみつける。

 ジャンヌは殺意と怒りの目つきで返す。

「消えろ」

 冷たく言い、ペグに『光』を注ぐ。



「動けない…」

 アキセは、横になっていた。

 今回の魔術は、冷める意味を持つ『冷』を使い、更に結界の陣を2重にし、魔術を発動した。

 魔女文字(ウィーンもじ)は、上級魔術並の魔術で魔女と等々の力を発揮する。『呪い』を大量に使うため、『呪い』の抗体が高くなければ、使えない代物だ。

 そのおかげで使い魔たちは氷の彫刻像になって固まった。ジャンヌが魔女を退治するまで魔術を発動し続けた。

 固まった使い魔たちは、塵状になって消えていった。

 ジャンヌが魔女を退治した知らせだった。使い魔は、魔女の一部で生まれた存在のため、魔女が死ねば、ともに死ぬ。

 退治したと分かって、集中力が切れ、力が抜いてしまい、横に倒れた。

 もう動けない。背中もイタイ。今日は散々な目にあったと思った時だった。

「生きてるの?」

 その声で顔を上げれば、疲れ切った顔をしたジャンヌが木に寄りかかっていた。

 どうやら死んでいるように見えたようだ。失礼な。

「生きてるけど・・・」

「なんだ」

 ジャンヌは残念そうで疲れ切ったような顔をする。

「凍らせたあの魔術。そんなに体力消費するの?」

「まあそれなりに強い魔術使ったからな」

「へ~そうなの」

「何。興味なさそうな声。俺、けっこう苦労したんだから、礼の一つくらいほしいね」

 答えてくれるかのようにジャンヌは、無言で手を差し伸ばしてきた。

 まさか優しく頭をなでるのかと期待をしたが、額にデコピンを食わられた。

「何、期待しているのよ。バーカ」

 ちっ、違ったか。

 ジャンヌは、アキセと向かい合うように木に寄り添って座る。

「私も疲れたから、寝るわ」

「そう。俺も少し寝る」

 月明かりに照らされながら、深い眠りに入った。



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