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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第2章

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第3話 蜂害の魔女④

 着いた先は、森が広がり、広がった地表に無数の穴が広がっていた。穴から『呪い』が立ち昇り、蜂の羽音が轟いていた。ここが魔女の住処で間違いない。

 ジャンヌとアキセは、木の陰から様子を伺っていた。

「なんで俺まで巻き込ませるんだ」

「何よ。あんただって私を散々巻き込ませようとしているくせに。お互い様。手伝ってもらいますからね」

「へ~い」

 アキセのやる気のない返事がした。

「さて、どうしようかな」

 ジャンヌが考え込んだ時だった。

「何?手伝おうか」

 ごく最近聞き覚えがある女の声だった。振り返れば、何食わぬ顔で風の魔女がにやっと笑う。

「あんた・・・なんでここに・・・・」

 ジャンヌは眉を吊り上げる。やな予感がしてたまらない。

「おい、ジャンヌ。そいつ?魔女だよな」

 アキセが指していう。

「おお~君だね。聖女とセックスしたいリリムってさ」

「そうだけど」

 ゴツ!

 ジャンヌはアキセを殴る。

「否定しなさいよ!」

「事実だろ!」

「どこが!」

 怒りを手に込めながら力強く握る。

「いいね~漫才できるほどの仲良しさんだ」

 風の魔女がからかって言う。

「魔女が何用だ?」

 アキセが訊く。

「この中にいる魔女と戦いんでしょ。手伝うよ」

 風の魔女は穴に手を向ける。その行動に察した。

「ちょ!待って!」

 魔女の手から白い塊が集まり、穴の中へと跳んでいった。爆発のような音が響き、風が吹き荒れる。風が止んだ時には、更に穴が広がっていた。その穴の中の羽の音がさらに響く。完全に威嚇している。

「おま!」

 ジャンヌが視線を向けたときには風の魔女は消えていった。

「あの魔女め・・・」

 怒りの手の中に握りしめる。

「おまえも魔女に好かれるよな」

「あんたに言われたくない!」

 アキセに怒鳴った時だった。

 穴から蜂の使い魔たちが大量に飛び出し、真っすぐに近づいてくる。 

 咄嗟に木の陰で隠れる。

 羽音が耳の中で響き、耳を塞ぎたくなるほどの騒音だった。騒音の中、「あー」と情けない声が混じっていたが、気にしなかった。

 蜂の使い魔たちは、森の奥へ飛んでいった。

 木陰から出れば、横にいたはずのアキセがいなくなっていた。

 あの情けない声はアキセが蜂の使い魔と共に流れていったのだろう。

「まあ、どうせ平気だろ」と呟いたら、「平気じゃねえ~」と聞こえたような気がするが、無視する。せっかくアキセを手伝わせようとしたが、結局一人でやる羽目になった。

 その時、地面が大きく揺れる。

 穴だらけだった地面を崩れ、現れたのは、巨大な複数の頭を持った塊だった。

 黄色の複数の顔が球体状に固まり、口から『呪い』が漏れていた。

 あれが今回のターゲットであるほうがいの魔女ストリカ・ビークリアだろう。今までも姿が醜悪な魔女を見てきたが、今回の魔女もそれなりに気持ち悪かった。

 ストリカは、徐々に空へ浮いていく。

 逃げるつもりだ。これ以上高く飛んでは、戦いづらくなる。早く地面に下ろさなければ。

 その時だった。

 突然、空から光の雨がストリカに集中に降り、地面に落ちる。

 この技は、アタランテのものだった。アタランテが近づいている。

 無限と思える光の雨が本体を露わにする。黄色の人の形をしていたが、モドキと言った方が正しい。体から粘液でまとっている。

 ストリカは光に浴び、溶けたような音を鳴らす。

「そういうことか」

 複数の頭に囲まれていたのは、『光』から守っていた。『光』の抗体が低いだろう。姿を露わに『光』を含まれた日を浴びた瞬間、体が溶けだし、叫んだ。

 弱点を見抜けば、倒すだけ。

 盾にした顔が形成している。顔に囲まれる前に、白い炎をぶつける。

 その時、ストリカと目が合った。

 バレた。

 ストリカは叫ぶ。

「何?」

 背後から蜂の使い魔が迫ってくる。使い魔を呼ぶために叫んだのだろう。しかし、蜂の使い魔が光の矢に刺さ、塵となって消える。

「先輩!」

スピカに乗ったアタランテが近寄ってくる。

「あれが今回の・・・」

 ストリカは『光』からガードをするため、頭を形成していく。

「見ての通り、あの頭のおかげで『光』をガードしている」

「じゃあ、あの頭を壊して」

「一気にしかける」

 意見が一致した。

 ストリカを直接浄化させるにも骨が折れる。遠距離で強力な攻撃を与えるしかない。

「あの技ってどのくらいできる?」

「日差しあるので、1分でいけます」

 今日は快晴。『光』が最も満ちている。最大限に『光』が使える。

「分かった時間を稼ぐ。もう一度あの頭を壊し、魔女が見えたら、放ちな」

「はい!」

 アタランテは、腕輪から身長と同じ大きさの光の弓を形成する。腕輪に手をかざし、手の中で『光』を貯めている。

 アタランテの言う通り、放つまでおよそ1分。それまでにストリカの頭を潰す。

 ストリカは察したのか、蜂の使い魔の群れが襲ってくる。

 蜂の使い魔がアタランテに向かうが、スピカが噛みつく。蜂の使い魔の群れに向かって吐き出す。スピカは、口から光の咆哮を吐く。一直線に光が伸び、蜂の使い魔は浄化され、道が開く。

 距離は、およそ500メートル。走っていける距離。

 この瞬間にジャンヌは走り出す。

 ジャンヌに迫ってくる蜂の使い魔は、スピカが援護する。

 ストリカとの距離を縮めた。

 ジャンヌはロザリオに白い炎をまとう。

「燃え尽きろ!」

 白い炎をストリカに放つ。

 白い炎は、蜂の使い魔を巻き沿いながら、ストリカの頭の一つを包みこむ。

 全部浄化する必要がない。隙間ができれば、いいだけ。

 白い炎で浄化された頭が溶け、ストリカの姿を露わにした瞬間。

 青白い光の矢が一直線にストリカの脳天を突き刺す。

 黄色の体が徐々に青白くに侵食し、体中に包まれている粘液が、固まっていく。

 そして、体に亀裂が入ったストリカは叫び、爆発する。


 ジャンヌは安堵の溜息を吐く。

「やりました!先輩!」

 スピカに乗ったアタランテが歓喜の声を上げる。

「アタランテ。助かった」

「はい」

 アタランテは嬉しい笑顔で返した。


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