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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第2章

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第3話 蜂害の魔女③

 ジャンヌとアタランテは、魔女がいるという巣に行くことにした。

 村長の話では、この先の森にいると話を訊き、向かっていたところだった。

「先輩と一緒に仕事できるなんて嬉しいです!」

 アタランテは歓喜の声を上げる。

「アタランテと組むのも久しぶりね」

 アタランテは元奴隷だった。

 幼い頃から奴隷として売られ、人間として扱っていなかった。

 聖女として目覚めた時、星獣(アストラ)のスピカが助けに来たそうだ。彼女を保護した時には、人に襲われた時だった。赤く染まっていたスピカが人間にミンチで死にかけそうになり、アタランテを連れてかれるところだった。

 ジャンヌは、その場にいた人間を殺した。

 アタランテはすぐにスピカの元に走り、抱きしめた。

 聖女は人間を守るのも仕事だか、それは魔女に襲われたに限る。聖女を襲う人間も少なくない。自身の身を守るためにも人を殺すことに戸惑いもない。

 聖女に覚醒した女は、魔女に襲われやすいが、魔女以外特に人間に襲われる時もある。

 もう聖女は人間ではないからだ。

宗教に連行する者もいれば、魔女を襲われている時に助けに来なかったと理不尽な理由で殺される者もいた。

 魔女よりも人間の方が時々恐怖を感じる。しかし、旅を続け、優しさを持っている者もいる。全てではないことが、完全に信用なんてできない。

 敵は魔女だけでないってこと。

 アタランテとスピカを聖女の地に連れて帰り、聖女として修行をした。

 今では、スピカと共に聖女の一員として魔女を狩っている。たまにジャンヌと組んでいる数少ない聖女の仲間であり、後輩でもある。

「イヴ様の指示で?」

「そうなんですよ。先輩もですか?」

「ん・・・まあ・・・偶然ね」

 これは、あの風の魔女が誘導されての結果だった。

 後輩であるアタランテまで魔女に目をつけたくないし、巻き込まれたくない。

 とりあえず、ウソをついた。

「アタランテは、魔女のこと聞いている?」

「はい、ほうがいの魔女ストリカ・ビークリアっていう魔女で。蜂の魔女のようです」

 風の魔女はそこまで教えなかった。あの魔女め。

「あれ、スピカ?」

 アタランテが声を上げる。

 そういえば、アタランテと一緒にいる星獣(アストラ)のスピカがいない。

 聖獣(ルーチェス)と組む聖女も少なくない。

 聖獣(ルーチェス)は聖女以外にも『光』を持つ獣。星獣(アストラ)聖獣(ルーチェス)の一種。

 スピカは、狼の星獣(アストラ)

 星には精霊が宿っている。

 月に近い星たちは、月からの『光』を浴び続け、力をつけた星たちは、流星となってこの世界に落ちる。獣の姿となった星たちが星獣(アストラ)と呼ばれるようになった。

 アタランテは周囲を見回してもスピカの姿はなかった。

「実は、ここに来る前、スピカが人を襲ったんですよ」

「スピカが?」

 スピカは無作為に人を襲う星獣(アストラ)ではない。アタランテを無視して襲われるとは、どんな人間だろうか。

「はい。やけにスピカが気になっているんですよ。どこに行ったんだろう?スピカ―」

 アタランテがスピカを呼びかけると、茂みの中から、スピカが現れる。

「あ、スピカ!」

 アタランテはスピカの元に近づく。

「あれ、何くわえているの?」

 スピカが何かをくわえているのが、茂みに隠れて見えなかった。スピカが前に出れば、口にアキセの頭をくわえながら、引きずっていた。

「あ・・・」

 ジャンヌは、ジト目をする。

「あーダメだよ!その人。一般人なんだから!」

 ジャンヌは、スピカを止めるアタランテの肩を掴む。

「先輩?この人ですよ。止めないと」

「大丈夫。その人は・・・」

「はい?」

 アタランテは首をかしげる。

「あの・・・助けてください・・・ジャンヌ様・・・」

 頭から血が流れているアキセは、ジャンヌに救いの手を差し伸べている。

「あの・・・助けを求めているんですけど?」

「ん~」

 指を立て、頬に当て考え込むジャンヌ。

「そこ考えるとこ・・・てか。だんだん強くなっているような・・・意識が・・・」

 スピカは、アキセを強く噛んでいる模様だ。

「ん~。やって」

 親指を立て、笑顔で親指を首の前で横切る。

「待ってー」

 必死に止めるアキセだったが、ガブ!とスピカは噛む。

「ああああああああああああああああああ」

 アキセの叫びはいつまでも響いていた。


「なんで死んでないの」

「第一のセリフがそれ」

 星獣(アストラ)であるスピカに噛まれても、なぜか死亡にまで至らなかった。

――ち。死に損ないが

 経緯を知りたかったので、一命をとりとめたので仕方なくアキセを助けることにした。

「で、なんでスピカに追いかけられたわけ?」

 ジャンヌは、アキセに問いかける。

「知るか!つーか、飼ってるんなら!ちゃんとしつけしろ!」

 アキセは怒鳴るが、スピカは威嚇で返す。

 スピカはアキセを敵と認識している。相当気にいらないようだ。

 アキセもやけに嫌がっている。

 考えるとしたら。

「もしかして、動物苦手なの?」

 アキセが咄嗟に視線を変えた。

「あ~そうなの。よかった~」

 ジャンヌは悪い顔をする。

「何かが?」

「あんたにも苦手なモノがあって安心したの」

 アキセは獣を嫌い。やっと弱みを見つかった。

「先輩。何ですか?この人?」

 アタランテが尋ねる。

 リリムはさけとくか。アタランテまで巻き込むわけにはいかない。リリムの体質は淫魔と変わらない。

 良し。

「こいつ、淫魔・・・」

 ドス!

 ジャンヌが言い切る前にアタランテがアキセの顔を殴る。

 アキセは後ろへ倒れる。

「このケダモノ!女の敵!」

 アタランテは、アキセに怒鳴りつける。

「うん。いいパンチ」

「ほめるな!」

 アキセは起き上がりながら、強く突っ込む。

「前に言ったと思うけど、聖女は淫魔を嫌っているので」

 淫魔は、相手を誘惑させる種族。聖女は『光』で浄化されるので、誘惑には効かない。女の正気を失いさせ、性行為に誘うので、聖女の間では嫌われている。

「なんで聖女って、こんな暴力的なんだよ!」

「前に言ったと思うけど、あんたが思っている聖女はいないから」

 その時だった。

「地震?」

 足元が小刻みに振動する。

 スピカが地面に向かって唸る。

 何かが近づいている。地面が徐々に大きく揺れていく。

 咄嗟に地面から離れる。

 立っていた地面から土が盛り、地面から何かが飛び出した。

 3体の蜂の使い魔だった。

 お尻についた大きい針をドリルのように回転し、地面を掘ってきたのだろう。

 周囲を確認すれば、アタランテとスピカは無事のようだ。ついでにアキセも平気のようだ。

「どうやら、本拠地は近いようね」

 蜂の使い魔はドリルを回転し、距離を詰める。

 避けても追いかける。

 白い炎を打ち込もうとしたが、青白い光の矢が蜂の使い魔に刺される。

 アタランテの矢だ。

「先輩!ここは私が!」

 アタランテは、左の親指と人指し指を立てる。左腕に青い宝石が等間隔に埋め込まれている銀色の腕輪に手をかざす。腕輪の宝石から弓のように青白い光が伸びる。腕輪から手を引きながら、青白い光の矢を生み出す。

 アタランテの聖剣。『スターレット』の力。

 襲ってくる蜂の使い魔に向かって光の矢を放つ。光の矢は、一本の矢から、複数に分散する。蜂の使い魔は光の矢に刺され、浄化される。

「任せる」

 この場をアタランテに任せる。

「じゃあ、俺はここで・・・」

 アキセが立ち去ろうとしたが、スピカが威嚇する。

「ナイス。スピカ!」

「おい!俺を巻き込ませるつもりか?俺は一般人だ!」

「ウソつけ!」

 ジャンヌは、アキセを引っ張り、魔女の本拠地へと急ぐ。


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