表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/155

第2話 女の国 後半②

「そういうことね」

 ジャンヌは静かに言った。

「女王様は、この国を変えたいとおっしゃっていました。僕の為に・・・」

 ロランは悔やんでいた。

「女王様も夢見てるな」

 アキセが横から冷やかす。ロランはアキセに睨み返す。

「おまえ、女だけの国なんて他にもある。大半は魔女狩りの被害者だ」

 魔女に関して浅知恵な者が多く、女であっただけで魔女として狩られることも少なくない。

「それにこの国は結構根深いと思うぞ。そう簡単に変われるもんか」

 アキセは吐き捨てる。

「そんなことはありません!女王様と・・・同じ意見を持つ女性も増えてきました。今この国は変えようとしています!」

「そうはいくかね」

「聖女様!どうか・・・クレア様を・・・助けて下さい!」

 ロランはアキセを無視して、ジャンヌに言った。

「あなたの気持ちは十分に分かった」

 人間の間のもめごとには関わりたくないのが本心だった。

 けど、サッフォーも怪しい。

おそらくロランは操られた。人を操作できる術はいくらでもある。魔女以外にも。それになぜ、管理下にあったロランが城ではなく、この監獄にしたのか。

 訊く質問が増えた。

「ロラン。サッフォーは魔術が使えるの?」

「それは・・・わかりません・・・」

「そう・・・」

 だとしたら。

「ジャンヌ~」

 アキセが気安く呼んできた。視線を向けば、聞いてほしい顔をしている。

「俺のアドバイス訊きたいか」

「何よ。話したいの。あんたでしょ」

「ん~。後でセックスしてくれたら・・・」

 ドン!

 ジャンヌは近くの壁に裏拳をぶつける。壁にヒビが入った。

「いいから話せ」

「・・・はい」

 軽く脅した。

「確かに人を操る術はあるが、それは対象になる相手に術か陣を描けないと無理だ。ということは?」

 アキセの言いたいことは分かる。魔術師ではない。

 次に考えられるのは魔族(アビス)

この国に魔女の頭を持つとしたら、魔族が扱えるほどの力を持ち合わせていない。 

「ロラン。私は魔女以外に人助けするほど、そこまでお人よしじゃない。けど、あなたが私にせがむってことは・・・」

もし推測が当たっていたら、厄介者がもう一人増えることになる。

「分かっています。僕・・・見たんです・・・サッフォーが・・・」

 その時だった。

 急に物音がした。誰かが近づいていた。

 暗闇から現れたのは、女の頭を持った看守だった。

「もしかして・・・」

 アガタが言っていた噂の魔女の頭だろう。頭だけになっても眠っているようだった。

 持っている女は、目が生きていない。操られている。

 頭だけの魔女が急に眼を覚ます。

「見~つけた!」

 子供のように声を高く上げた瞬間、天井が割れた。瓦礫の山から目の前に昼に講演会で現れたフードをかぶった魔女が立っていた。 

 魔女はすかさず頭の方へ駆けつける。

「しまった・・・」

 魔女は、看守を蹴散らし、魔女の頭を持ち上げる。

 フードを下ろされた首をない姿を露わし、首に付ける。

「やった・・・やったあああああああああああああ!」

 頭を取り戻せたことに喜ぶ魔女は、大きく体を回りながら、着ていた服を抜き捨てる。つぎはぎの体を露わする。

「さあ!戻った記念にこの町で分解の魔女ジュノ・デュラハンが暴れるわよ!」

 その時、壁に赤い陣が光出す。

「これって・・・」

 爆発だった。



 ジャンヌは咄嗟に白い炎で包まれていたので、爆発に巻き込まなくて済んだ。

「もう何よ。魔女といい。爆発が起きるって」

監獄が半壊していた。所々穴が空き、壁や天井が壊されていた。その中で死体になっている者がいれば、運が良く、陽気に逃げ出す脱走者の声がした。

 アキセとロランの姿がなかった。

 アキセはまだしても、ロランが心配だ。瓦礫に埋もれてしまったのだろうか。

「ロラン!」

 ジャンヌはロランを探す。

「聖女様!」

 瓦礫からロランが姿を出す。

「とりあえず無事ね。でも・・・」

 あの爆発で無傷で済んでいる。

 だとしたら。

「おいおい。俺の心配しないのかよ」

 アキセが何知らずに瓦礫から出る。

「まさかとは思うけど、ロランを助けてくれたの?」

 いつの間にか、手枷を外し、指に指輪をはめていた。指輪は見つけたようだ。

 アキセの性格上、人助けするような人柄ではない。おそらく。

「これから使うのにな」

やはり、ロランに何かやらせるつもりだ。

「これから?」

 アキセに言おうとした時だった。

 遠くから轟音が響いた。

 あの爆発でジュノは死なない。魔女が暴れている。

「いいのか。魔女が暴れているぞ」

「たく」

 ジャンヌは魔女を追いかける。


 アキセは、咄嗟に魔術で結界を作り、爆発から逃れた。

 爆発を仕掛けられたのは分かっていた。そこでこっそり魔術を仕掛けておいた。爆発した時に結界を発動するように。

 ジャンヌがいない間に次の行動を実行する。

 アキセは服と指飾り召喚した。魔術の杖の一つである指飾りで陣を描いていく。

「なぜ、助けた?」

 ロランがアキセに聞く。

「あ~嫌がらせに」

「は?」

 完成した陣をスライドしながら、ロランに飛ばす。

 陣がロランに触れたとたんに消える。

 転送の術。陣に転送の記号を書き込み、方位、時間、距離など指定するものを描けば転送できる仕組み。

「さて、どうやって懲らしめようかな」

 アキセはにやっと笑う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ