第4話 魔法少女②
頭にクマに食われたような帽子。オレンジの髪に黄色の目。黄色と茶色をした服とスカート。先端に黄色の宝石をついている黄色の杖。
どう見ても。
「あんた魔女でしょ」
「魔法少女!」
先に口を開き、冷たい目線を送るジャンヌだったが、すかさず否定するペルチェだった。
「何言っているの。魔女」
「魔法少女だってば!」
いやでも否定する魔女。
「魔女っておばさんくさいから言わないでくれる」
口が汚くなった。
「魔女なんてもう古いのよ。今は愛らしい魔法少女が流行っているの」
あざとく見せるペルチェ。
「そうですか…」
ジャンヌは、ペルチェの会話についてこれなかった。アキセも同じ考えだろう。アキセも呆れるような目をしていた。
「あと、悪人はどっちかというとこいつだから」
親指を立て、アキセを指さす。
「おい、指さすな」とアキセが言っていたが、無視する。
「言い訳するな悪党!どう見たって、おまえが悪人じゃん!」
ペルチェは杖でジャンヌを指す。
「何が悪人って・・・」
アキセを椅子に縛られている。確かにこの状況を見れば、疑うのも仕方がない。
「確かに椅子を縛りつけて、尋問しようとしたのは認めよう…」
「拷問じゃなくて」
アキセが割り込んでくるが、ジャンヌは、怒りを押さえ、無視する。
「ペルチェだっけ。こいつの経歴を知らないから言えるのよ」
「犯罪履歴を探るより現行犯逮捕の方が手っ取り早いの!」
「微妙に分からなくはないが、今お取り込む中だから後にしてくれる」
ジャンヌは、ペルチェから視線を変える。
「そういって私から逃げようと思ったら、そうはさせない!」
「もう~話聞けって!」
ジャンヌが振り返れば、ペルチェの後ろから大きい手がジャンヌに殴りかかる。ジャンヌはまともに受け、壁を突き破り、外へ飛ばされる。
ジャンヌは、小屋から飛ばされながらも、体制を立て直し、綺麗に脚地する。
「たく。急に何よ」
小屋から白い綿が飛んでくる。
ジャンヌは白い炎を打ち出し、白い綿を消す。
「ち、死んでねえか」
壊れた小屋から悪態をつけながらペルチェが現れる。
「さあ、悪人を懲らしめるのよ!」
声を高らかにペルチェは杖で大きい綿を作り出す。
ジャンヌはロザリオを構える。
ペルチェは、大きい綿から大きいくまのぬいぐるみへと変化させる。使い魔だろうか。
使い魔は、魔女の一部から生まれた従者。
くまのぬいぐるみだと気が抜けてしまうが、魔女が召喚した使い魔だ。
油断はできない。
「行け!くまさん!その悪人をぶっ殺せ!」
くまのぬいぐるみがジャンヌに近づき、軟らかそうな腕を大きく上げ、ジャンヌに向かって下ろす。
ジャンヌは危機を感じ、後ろへ下がる。
くまはドンと大きく砕けるほど地面に叩きつける。
「はあ!?」
やはり油断できない。
くまは速さを増し、ジャンヌにパンチを襲いかかる。そのパンチをジャンヌはかわしていく。
「しつこい!」
ジャンヌはくまから大きく下がり、白い炎をくまに向かって放つ。
白い炎はくまを包み込む。
「くまちゃん!」
くまが白い炎が消える前に、その場を立ち去る。
目の前でくまのぬいぐるみを消され、怒りが込み上がってくる。
「よくもくまちゃんを・・・殺してやる!」
ペルチェの拳を強く握る。
「お兄さん!あの悪党って・・・いない!」
ペルチェが小屋の中を見ると助けたはずの被害者がいつまのかいなくなっていた。
「もおおおおおおおおおおおおおおおおおおおう!」
ペルチェの嘆きが森の中でどこまでも響く。




