表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
完結篇

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

154/155

第8話 決着⑨

 ラプラスはブラック・レイクを見渡せるほど見える山から眺めていた。

 ノレッジたちに指示を与え、ナリカケになる魔法陣。アレイスターの脳。ウィーン辞典の回収をさせた。

 手元に回収した魔法陣の本を読んだ。

「こんなもんか」

 ラプラスは本を閉じた時だった。白い刃がラプラスの顔をかすむ。

「ラプラス・・・」

「珍しいわね。あなたから来るなんて」

 振り向けば、白い鳥がいる。白い鳥が天光の聖女イヴの姿に変える。

「今回の事件。あなたが仕掛けたでしょ」

「あら、どうしてそう思うの」

「白を切らないで!」

 イヴが怒りの混じった声を上げる。

「あなたがウィーン辞典を収集せず、わざと人間ともに渡したことも。すべての知識を奪っていないことも」

 その発言にラプラスは笑う。

「マリカラから奪うのに苦労したわ。ろくに発明していないのに知の魔女とか言ってるんじゃないわよとか言って。生意気だったわ」

 ラプラスは、最古の魔女である()(てい)の魔女マリカラ・ウィーンからウィーン辞典を奪うため、殺害した。最古の魔女であるマリカラが相手でも倒せた。

「あなたの苦労話を聞きにきたわけではない」

 イヴは鋭い目つきをする。

「全員奪ったって意味ないでしょ。また新しいことも生まれなくなるし。それに約束通り聖女に関する知識も奪ってあげているでしょ」

 だから町によって技術水準が違っている。

「それでも聖女を巻き込ませているのはどういうことよ!」

 怒鳴る。

「あなたにもそんな顔するのね」

「あなたの実験にこれ以上付き合うつもりはない」

「いいじゃない。聖女の一人や二人」

 白い刃が迫ってくる。ノレッジが盾になり、白い刃に触れた途端にノレッジとともに消える。

「話している途中でしょ」

 ラプラスは見下ろす。

「いつでもあなたを殺せるのよ」

「リリス様の紹介がなきゃ、あの戦争を終わらせなかったこと忘れてない」

 第5次世界大戦は、ラプラスが全人類の知識を奪ったことで終わった。

「それにあなたにも責任あるでしょ。宗教を教えて、人間たちにも魔女を退治させようとして。しかも宗教を理由に人間の争いも起こった。聖女も巻き込んで。だからって作っておきながら宗教と縁を切るのもどうかと思うけどね」

 ラプラスは挑発をするように言う。

「それは知恵としか入っていないでしょ。あの頃から生きていないあなたに言われたくないわ」

「確かにあなたほど生きてはいないけど、それでも分かるわよ。どんな時代になっても人間は忘れているだけで、本質的には何も変わっていないんだから」

 ラプラスは断言した。

「私たちは人の心に触れているから生まれている。だから人間に対してはある程度は理解しているもの。あなたは人間というものを分かっていない。でも仕方ないか。あなたたちは人間の心に触れていないものね。白女神(ヴァイス)の一部から生まれているんですものね」

「私はあなたより生きている。その分、人間を見てきた。何度も繰り返していた。人間で多くの争いも生まれた。けど、人間の弱みを握って遊んできた魔女も忘れていないから」

 イヴの声が低くなった。

 魔女が原因で多くの争いが起きた。

「あなたは知恵の魔女。この世界の始まりまで知識を持っているはずよ。これ以上求めるつもり」

 イブはラプラスに問いかける。

「私がやったら意味ないでしょ。人間たちが考えて手に入れた知識が見たいの」

 ラプラスは笑う。

「またね」

 ラプラスは消える。



 黒炎(こくえん)の魔女ジャンヌ・ダルクは闇の中にいた。

 魔女は死ぬことはない。また生まれ変わればいい。生まれ変わってジャネットを殺してやる。アキセも殺してやる。また黒女神(シュヴァルツ)になればいいんだ。

 その時、闇から無数の黒い手が伸びている。

「何これ!?」

 足に触れた途端に足が崩れていく。払おうにも力が使えない。

「あらら。食べられているわね」

 そこには、闇を切り裂いた夜輝(よき)の魔女リリス・ライラ・ウィッチャ-だった。

「リリス・・・」

 最古の魔女の一人。魔女の中で最強と言われる魔女がなぜここにいる。

「やっぱり、人間が作っただけはあるわね。欠陥だらけ」

 リリスは哀れみと呆れるような顔で見つめられる。

「何を言っている。私は魔女だ!」

「そうね。呪力。魂も魔女よ」

「だったら・・・」

「なぜ、黒女神(シュヴァルツ)を目指すの?」

「え?」

 なぜその問いなのか思わず口が開く。

「なんで、わざわざあんな醜いのになるのよ。それに知らないの。ナリカケになった魔女は黒女神(シュヴァルツ)に食われて転生できないって」

「え・・・」

「魔女なら知っていることなのに、知らないなんて、だからバカにされるのよ。そうか。その知識も外したのか。あなたが黒女神(シュヴァルツ)させるために。だから、あなたに興味ないのよ」

「じゃあ、なぜおまえがくる?」

 他の魔女が興味ないなら、なぜリリスが目のまえにいる。

「からかいたくなったから」

 あまりにも深くない理由で、あざとく、悪意のある笑みを見せる。

「だって、黒女神になりたいって言うから。そういうおバカさんっていろいろとからかいがあるもの」

 その言葉で悟った。

「まさか・・・あの時未来を見せたのは・・・」

「私よ」

「だとしたら、未来が違う・・・」

 アキセが魔族(アビス)化なんてしてなかった。

「あ~。そういえば私が少しいじったからね」

 悪意のある笑顔を見せる。

「なんでもかんでも真に受けるものじゃないわよ」

 足を失い、手も失っていく。

 リリスは未来を知っている。その映像すら書き換えられた。この闇の中でも、平然といる。

「おまえの力はなんなんだ・・・」

「私ね。『呪い』を思い通りにできるからね。みんな『呪い』を使っているから私も使えるの」

 魔女の力は『呪い』を利用する。

 リリスは『呪い』そのものを使えるというのか。

 体を失い、顔だけになり、黒い手が覆っていく。

「あら、黒女神にも魔女にもなれないなんて。かわいそう。違った。叶えているか。だって黒女神(シュヴァルツ)の一部になるんだから」

 最後までリリスは笑っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ