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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第1章

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第3話 喰愛の魔女⑤

「どこに行った・・・」

 木より大きい大豚となったグレモリーは、『呪い』をまき散らしながらイラ立ってる。

 そんなグレモリーに、ジャンヌは手に作った白い炎の球を勢いよく投げ飛ばし、グレモリーの頬に当たる。

「あああああああああああ」

 焼ける音がした。グレモリーがジャンヌに向いた。

「許さない!」

 グレモリーが走り出す。

「食いついた」

 ジャンヌも走る。

 グレモリーは、木をなぎ倒しながら追いかけてくる。

 あの大きさでは、すぐに追いつくのも時間の問題だったが、二本の木がグレモリーの目に刺さったことで解決される。

ぎやあああああああああああああ

 グレモリーの苦痛の叫びがする。

 目に刺した木を引き抜く。痛みがひどいのか、手で目を押さえる。

「イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ!」

 怪我した子供のように大げさに泣き叫ぶ。

「合図ね」

 ジャンヌは、周囲の木が騒いでいた。

 多くの木が集合し、一つの大きな手へと変化する。グレモリーと大きさが変わらないほど巨大になった。木の手は握りしめ、グレモリーの腹に殴りこむ。

 グレモリーは、バランスを崩し、木を倒しながら転がっていく。その先にあった大きい湖に落ちる。焼ける音を鳴らし、大きい呻き声を上げながら、もだえ苦しんでいる。まるで熱湯で豚を煮えているように。

「作戦。成功」

 苦しむグレモリーを見たジャンヌは作戦に成功した喜びに浸り、ガッツポーズする。

「おまえ、怪我人に無茶な注文をしやがって…」

 振り向けば、疲れているのか、アキセは息が上がっている。

「そんなに疲れる作業だったの?」

「分かり切ったようないい方するなよ。あの木を動かすのに、木一本一本に記号を書いてきたんだぞ。しかも、月の浄化で消えないようにな!」

 魔術の陣は直接月明かりや日の明かりで発動しなくなる。角度を考えながら、陣を描いていたのだろう。

「あーそうなんだー」

 ジャンヌは片言に言う。

「このアマ・・・」

 ジャンヌの作戦は、日中浴びている湖に『光』が珍しく宿っていた。そこでその湖に魔女を落とすことにした。落とすためにもアキセの魔術を利用したといったところだ。

 月が出でいたが、グレモリーの『呪い』を利用し、魔術を発動させる。

 アキセが使った魔術は、操る分の木に記号を刻み、操作する陣で木を操るという。

「しかしまあ、エグイこと思いつくな」

「手っ取り早いでしょ。まあ、これで消えるとは思ってはいないけど」

 ジャンヌは、湖の方へ視線を向く。

 湖の『光』は一時的に宿っていたため、ただの湖に戻る。

 湖からグレモリーが這い上がる。体は人の姿だが、顔が豚になっている。疲れ切っているのか、息が上がっている。湖の『光』だけでグレモリーを消えるまで浄化するまでとはいかないと思ったが、それなりに弱まっているので、良しとする。

 ジャンヌはグレモリーに近づく。

「あら。いいカッコになったじゃないの。ブタさん」

 ジャンヌは見下す。グレモリーは、殺意のある目でにらみつける。

「今の感想をいいましょうか」

 悪意のある笑みを見せ、「ざまあ」と見下す。

「よくも・・・よくも・・・」

 グレモリーが湖から立ち上がり、ジャンヌに向かって走り出す。

「ああああああああああああああああああああああ」

 グレモリーは冷静に判断ができないほど頭に血が上っている。もうやけくそになり、ジャンヌに襲ってくる。こうなってしまっては、後は簡単だった。

 刃を出したロザリオを上に上げ、グレモリーの首を切る。

「さよなら」

 鋭い目をしたジャンヌは、上げたロザリオにまとった白い炎をグレモリーに放つ。

 白い炎に焼かれるグレモリーは高い悲鳴を上げながら、白い炎と共に消えていった。

「あ~すっきりした」

 やり切った一言を言ってやった。



 ジャンヌは、グレモリーを退治し、あと残すのは、アキセだけだった。

「さてと、ムカつく魔女は消えたことだし、あとは・・・」

 振り返るが、アキセの姿はなかった。

「ち、逃げやがった・・・」

 舌打ちする。

 グレモリーを退治している間に逃げたのだろう。自分が怪我人って言っているわりに逃げ足が速い。

 それでも今回のことで謎は解いたようで、増えてしまった。

 アキセがただの人間ではないことは確かだ。でも、グレモリーがなぜ彼を人間だと思ったのか。考えられることは、彼は人間と何かのハーフ。それにジャンヌが最も気になっていたのが、グレモリーが言っていたあの女の言葉に引っかかる。

「もしかしたら…」

 ジャンヌは思い当たることがあった。


 アキセは、ジャンヌから逃れ、木の木陰に隠れていた。

「あーあ。さすがに俺がただの人間でないことは、バレたかな」

 肩の傷を見ていた。

「どうしようかな」

 肩の傷はみるみる内に塞がっていく。



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