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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第1章

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第3話 喰愛の魔女④

 ジャンヌは、町である魔女の噂を聞いた。

 その魔女と恋としたら、食べられるという。

 人間を食する魔女はよくいる。その中でも人間しか食べられない魔女がいると思い出し、あることを閃く。

「人間を食べる魔女って聞いてさ。どうやら、今回の魔女は人間以外食べられないタイプのようね」

「てことは…」

 アキセも察したようだ。

「まさか・・・」

「そう。ためさせて頂きました」

 ジャンヌは笑顔で返す。

「つまり、あんたはただの人間じゃないってことが確かめられたわ。これで謎は一つ解けてスッキリ」

「じゃねーだろ!それが聖女のやることか!人間を助けるのが聖女だろ!」

 はあ、ジャンヌはにらみつけてきた。

「あんたは、その人間の中に入っていないから。タイ・ショウ・ガイ!」

「はあ!助けてやっているのに、恩を仇で返しやがって!」

「おかしいな~私の記憶の中では、敵に売ったり、勝手に乱したりしか思い出せないけど」

「あれは、俺なりの気遣いです」

「ウソつけ!」

 アキセに怒鳴った。

アキセに憂さ晴らしをしたので、本題に入る。

「さてと、ストレス発散したし、結果も分かったことだし。さっさと生意気な魔女を殺して、尋問の続きとしましょうか」

 ジャンヌは、光の刃を作ったロザリオをもがき苦しんでいる魔女に向ける。

「え、まだこの状態が続くの・・・」

 アキセがいう。

「よくも・・・よくも・・・」

 グレモリーが立ち上がる。顔から焼ける音がし、蒸気が発生していた。

「だましたなああ」

 振り返ったグレモリーの口の周りの皮が破れ、豚の鼻が露わする。

「なるほど。それがあんたの正体ね」

「人間じゃない・・・あの女のにおいがする・・・」

「あの女・・・」

 誰のことだろうか。

 後からモノ音がした。振り返れば、いつの間にか縄を解いたアキセが逃げ出そうとしたところだった。

「あ!いつの間に!」

「おっと!」

 肉が引き裂く音がした。その音の正体はグレモリーからだった。

「逃がさない・・・殺してやる・・・無残に殺してやる!」

 グレモリーは、みるみる人から獣の姿に変えていく。

「ヤバ・・・」

 冷や汗をかく。



ぶひいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!

 廃れた小さな屋敷から巨大な豚が大きく鳴き叫ぶ。夜の静かな森が揺れ動くほど響いていた。よく見れば豚の足がムカデのように伸びた手になって気持ち悪い。

「あんなにでかくなるなんて・・・」

 近くの木の陰で隠れているジャンヌは、大きくなった豚を見ていた。

 屋敷が潰される前に脱出に成功していた。

 グレモリーは、鼻をひくひくさせ、周囲を見ている。

「探しているのか。そういえばあの元凶どこにいった?」

 ジャンヌも探してもアキセは見当たらなかった。

 グレモリーは見つけたのか、動きだす。

「あっちにいるな、元凶」



「やべぇ。こっちにくる」

 アキセは、木の陰から迫ってくるグレモリーを見ていた。

上着を召喚し、着替えていた。グレモリーに食べられた肩の痛みや血も流れ、肩を抑える。

「おまけに快晴で月が出でいるから、ろくに魔術使えねえし」

 月から出る『光』によって、『呪い』の濃度が低くなっている。魔術は使えなくないが、威力が弱い。使えるとしたら、グレモリーから出る『呪い』を利用するしかなかったが、あの巨大な豚と戦う気はない。

「さっさと逃げないと・・・」

 アキセが動く瞬間、身動きが取れなくなった。それは、グレモリーがアキセを木丸ごと掴んでいたからだ。

「見つけたぞ!毒物!雑菌!有害物!」

 グレモリーが切れたように言う。

「そんなに俺は汚くないが・・・」

「うるさい!」

 グレモリーはさらに強く握る。木がきびきびと音が鳴る。

「ぐわ!」

 体が締め付けられ、肩から血がさらに流れてくる。

「よくも騙したな!握りつぶす!」

 グレモリーは、アキセを握りつぶそうとしたが。

「いったああああああああああああああい!」

 グレモリーの悲鳴が響く。

 その衝動で握った手が緩んだ瞬間、唐突にアキセが引っ張られ、グレモリーの距離を取った木陰に隠れる。

 顔を見上げれば、ジャンヌが立っていた。

ジャンヌはあの時グレモリーの手首を切り、手が緩んだ隙にアキセを引っ張ったのだろう。

「死にたくなければ協力しろ」

 聖女とは思わない乱暴なセリフだった。

「そこは大丈夫って心配かけるところじゃないの?」

「さよなら」

「分かった!分かった!助けてください!」

「最初から素直に言えばいいもの。魔術は使える?」

「まあなんとか。あの魔女の『呪い』を使えば。作戦はあるのか?」

 ジャンヌは、口の端を上げる。悪だくみをする顔だった。

「今夜は快晴で月が出でいるのよ。たっぷりうっぷんを晴らしてやる」

 モナの時の鬱憤がそれなりに溜まっていたようだ。



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