表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/155

第3話 喰愛の魔女③

「あれ・・・ここどこ?」

 アキセは目を覚ます。

 どうやら屋敷にいるようだった。

 所々窓が割れているが、建物を覆っている葉が変わりに塞がってくれている。窓から漏れている月明かりが唯一の明かりだった。部屋の中もベッドだけの寂しい部屋だった。

 アキセはここまでの経緯を振り返る。

 ジャンヌにブラックドックを押し付け、モナを護衛しようと戻れば、唐突にモナにキスされ、なぜか気を失った。失う前に薄ら笑いをしたような気がする。

 体を起こそうにも、全く動けなかった。よく見れば、縄でベッドの端に縛り、大の字になっていた。それになぜか上半身が脱がされている。

「あ!やっと目が覚めた!」

 アキセが声をした方向を見るとモナがこっちに近づいてくる。

「え~と、これはどういうことですか?」

 いやな予感がする。

「あれ、気づいていなかったの?」

 モナはイタズラな笑みを見せ、優雅に一回転する。

 桃色の髪。血のように赤い目。体と一体化したような赤と白の服。足の関節部に透き通った淡い桃の布。別の格好へと姿を変えていく。

「もしかして…」

「そうよ。私、喰愛(しょくあい)の魔女グレモリー・アムール。それが本当の名前よ」

 魔女は、時に人間姿に変えることがある。『呪い』を調整し、全く出ないようにさせているため、気付くことができない。

「魔女でしたか・・・」

「あれ?驚かないの?」

 グレモリーは、あざとく首をかしげる。

「まあ、何度も魔女に会っているもので」

「ふ~ん」

「しょくあいってことは・・・つまり愛を食べるってことか?」

「あら、よく魔女名が分かるなんて、賢いね」

 魔女名は、魔女が象徴する名前。ただ魔女しか読めない魔女(ウィーン)文字を使うため、その意味を解読した者は多くない。現在解明されている魔女(ウィーン)文字は、数えられる分しかいないという。

「まあ、それなりに魔術師をやっているので」

「ふ~ん」

 グレモリーは、興味なさそうに返す。

「私。恋がしたくて溜まらないの~」

 グレモリーは、頬を赤くして、気持ちが高まっている。まるで恋する乙女のようだった。

「恋って素敵じゃない。こう、ドキッて胸が高まる瞬間。これがたまんないのー。きゃっはー!!」

――一人で勝手に盛り上がっている。これが普通の女の子だったらかわいいのに。

「特に人間と恋するのがだ~い好き!」

「はあー」

 アキセは気が抜ける声を出す。

「人間ってホント、かわいくて仕方がないの。食べちゃいたいほどに」

「そうですか・・・分かったから、これを解いてくれる?」

「え?どうして?」

 グレモリーの高まった気持ちが静まり返る。

「これから食べるのに解くわけないじゃん」

グレモリーは不気味な笑みを見せる。

 アキセは冷や汗をかく。

「私ね。人間の恋を食べたいの!とってもおいしいの!特にね。お互いに恋している時ってのがたまんないの!いつもならお互い恋してから食べるけど。今回は今までにない恋をしちゃったの。あ・な・た・に」

グレモリーは、瞳を輝きながら見つめている。

「君とは出会ったばかりだし・・・お互いまだ知らないし・・・」

「それまで待てない。我慢できないほどあなたに恋をしたもの」

 グレモリーはベッドに乗り込み、アキセの上に乗る。

「だから、あなたをこれからじっくり食べようと思いまーす」

 グレモリーは気楽に言う。

その言葉に理解するのに数秒かかった。

 食べたいくらい恋をするという言葉はよく聞く。彼女の恋というのは、つまり食べるということらしい。現在進行でアキセに恋をしている。

「ちょっと待って!」

「待てない~」

 グレモリーが四つん這いでアキセの肩に口を近づける。逃げ出そうにも手足が縛られているため、動けない。

 グレモリーは食べたくで仕方がないのか、口からよだれが出でいる。

「あ~、いい体。おいしそう…」

「おいおい!」

「いただきまーす」

 グレモリーは、口を大きく開け、アキセの肩に噛み付く。

「ぐう!」

 アキセの肩に激痛が走る。

 グレモリーがアキセの肩の肉を噛みむしり、飲み込んだ時だった。

「ああああああああああああああああああああああああああ」

 グレモリーの悲鳴が部屋中に響き渡る。

「あ、あああああ、ああああああ」

 グレモリーは口を押さえながら、ベッドから落ち、もがき苦しんでいる。

 理解ができなかった。なぜ急に苦しみ始めた。『光』で浄化されたわけでもなく、魔術も使っていない。なぜだと考え始めたが。

「なるほどね」

 聞いたことがある声。声をした方へ向けば、ジャンヌが立っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ