51話
「サクラ殿!急にいなくなるから心配しました!心配したせいでお腹が空きました!」
「嘘つけいつもだろ」
「でもサクラ殿がいないからご飯が食べられなかったんですよ」
「申し訳無いけどいても飯は食えない」
「え?なんで?」
「金使っちゃった。てへぺろ」
「………体売ってきて下さい」
「ダメ」
「だとよ」
「………サクラさん、何があったんだ?」
聞くのが遅いよ。そしてこいつ離して。
魔王国に転移して戻ってきて、食いしん坊と変態のいる城に戻ってきた。客として迎えてるとか。
「サクラ殿、誘拐ですか?」
「されてる側な。助けろ」
「無理でしょ!魔王様に触れたりなんか出来るわけないだろ!」
「女の扱いはお手の物なんだろ。がんばれ」
「そういう問題じゃないよ!」
チッ、ヘタレめ。だからバカ1人落ちないんだよ。
「サクラ、式挙げるから」
「本気だったのかよ。今日明日は絶対にやらないからな」
「なら明後日」
「やだ」
「バカ!ゲロカス!するから!」
「アホか。作戦が終わってからじゃねぇと出来るわけないだろ。すぐ出来ねえっつうの」
「ほ、本当に言った……」
「というか、本当に、サクラ殿が?」
「何だよ」
「あ、あの、本当に闘神様ですか?」
「らしい」
「……嘘っぽいですね」
弱くてごめんな。ダメ人間丸出しだもんな。
明日に備えて準備をする為に、魔王様の軍に指示を出す事になるのだが、肝心の魔王様が俺を引きずって移動しやがる。ものすごい見られてるからやめてよ。
「フィーネ、戻ったか。そいつはなんだ?」
「サクラ」
「何故生きてる。さっさと死ね」
「お義父さんひどいよ」
「お前の義父さんではない!」
顔怖!というか泣きそうじゃね?
「ちょ、痛い。痛いから、何」
急に魔王様に締められたんですけど。抱き枕かなんかだと思ってんのか?
「サクラ、嫌じゃないの?」
「いや何が」
「婚姻。本気で嫌なら、やめるよ」
「今更なんだよ。第1、魔王からは逃げられないってのは当たり前だぞ」
「なら、愛してる?」
「殺す気か」
目の前に気が狂いそうな方がいらっしゃるんだぞ。死の呪文なぞ唱えるか。
「サクラ、愛してる」
「お前とは数日しか会った覚えないけど」
「時間なんて関係無い。愛してる」
「わかったからやめて差し上げろ。ゼノ様が瀕死だ」
倒れて唸ってるぞ。呪われそうですごく嫌です。
作戦内容を伝えて備えておく様に、ゼノ様に伝えたのだが、フラフラじゃん。ごめん。
「それじゃ、後はよろしくね」
「それはいいが、何をする気だ?お前は」
「私は城で周囲の確認と連絡。それと戦士では対処できない強敵が出た時に備えておく」
「わかった。では闘神殿は今回は先陣を切ってもらおう」
「ダメ。サクラは私の側に置いておく。もう決めてるから」
「チッ」
露骨に殺そうとすんな。睨むな。
「んで、これから何すんだよ」
「デートする?」
「お前怒られるぞ」
「でも明日戦うとは決まって無いでしょ。異空間にいなかったら何も無いし、いてもこっちでは戦わないかもしれないでしょ。だからいいでしょ」
「後でエリスに怒られるぞ」
「やむを得ない。2人で謝る」
こいつバカじゃね?2日くらい我慢しろや。
一度バカ騎士と合流し、どうするか確認する事にした。まぁ返事は何となくわかるけど。
「もちろん私も戦います!」
「お前はダメだろ。魔術使わないし連携取れないだろ。黙って飯食ってろ」
「うっ、確かに私では力不足ですね。大人しくしてます」
「変態さんはがんばって」
「……やっぱり俺は出るのか。勝てるかな」
「むしろ負けないでしょ。数が違えから」
「そ、そうか!では魔王様、精一杯戦います!」
「………そう」
冷たいよ。少しは鼓舞してやれよ。誰だっけみたいな顔すんな。
この後は解散して各自で明日に備えておき、休息をとる事にした。俺は何も無いんだけどな。
なので寝ます。楽ちんですな。
「…………おい」
「何?」
「もう寝るからあっち行け」
「やだ」
「もう寝るから、あっち、行け」
「嫌だ!」
子供か!良い子はさっさと寝ろ!
「一緒に寝る。何もしないから」
「何かするだろ」
「し、しない!絶対!」
明らかに嘘だろ。目をそらすな。
「む、むしろ、ゲロカスが吐いたりしないか見てあげるから!」
「俺を何だと思ってんだよ。いつも吐いてるわけじゃねぇから」
「じゃあ、浮気防止」
「エリス一筋だから」
「浮気!」
何でだよ。してないだろ。
「もういい寝る。勝手にしろ。脱ぐな!」
「し、しない!何もしないから!」
「全裸になる意味を言ってから言え!」
「し、下着!脱がない!寝れない!」
なんで急に変な喋り方すんだよ。絶対ダメだろ。
「はぁ、もういい。なんかしたら蹴り落とすからな」
「わ、わかった。………サクラはしてもいいから」
「おやすみ!」
「ま、待って、一緒に」
「早くこい」
「………よろしくお願いします」
何をだよ。くっつくな暑い。
「サク!何ヤッてんだ!起きろ!」
「………何もしてねぇよ。なんだ」
「これから異空間に行くからな。準備させろ」
「おぉ、おい、起きろ。起きろー」
「……ん」
「準備」
「…………指示した。もう出来てるって」
「だとよ」
「お前ら緊張感ねぇぞ。しゃんとしろ」
「うぃー」
「……ふぅ、いいわ」
「服着てから言えよ」
「………いいわ。始めて」
「はぁ、んじゃ行ってくる」
「うーい」
「お前はちゃんと起きろ!」
朝は寝てるもんだろ。しょうがないじゃん。
起きて一応着替えておく。こいついつの間に俺の用意してたんだよ。あと離れろ。
暫く待機していたのだが、何も起きてない。
魔王に確認しても特に問題無しとの事。もしかして外れ?
「おいサク、戻ったぞ。作戦成功」
「は?マジかよ」
「首謀者はたったの1人で、戦いなんか出来ねぇ奴だったよ。テキトーに捕まえて起動停止させたから、後は天使の片付けくらいだな」
「こっちでも確認した。天使の処分に入る」
「了解。んじゃまた後でな」
………………軽いなー。まぁ楽だしいいか。




