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楽して生きたい拳闘士  作者: 猫背
第1章
36/59

35話

「結局天使を倒せるのは、今の所クー君とエリスの2人だけって事だよね」

「残念ながらね。どっかのジジイが魔力使えればなぁー」

「だな」

何納得してんだよ。反省して?


「ならばどうする。現実的な話だとエリス殿に戦ってもらうしか方法は無いぞ」

「却下。俺がやる」

「君は短い間しか戦えないだろう。そんな事で世界を天使から守れるわけがないだろう」

「エリス以外知らん。頑張って」

「旦那様ヒドイ!妻を見捨てるなんて!」

「誰が妻だ」

「クー君そろそろ決めなきゃね」

墓穴掘った!穴があったら塞ぎたい!


「そんなゲロクズの事なんてどうでもいい!その前に異空間に繋がる通路と天使の対策だろ!」

「んじゃ他になんか案でもあるのかザコ魔王」

「…………死ねゲロカス!」

当たり強い。せめて少しはなんか考えといてよ。


「実際の所、クライスト殿と同じ力を使えるようになるのが1番なのですが」

「無理だな」

「そんなあっさり諦めんなクソジジイ」

「実際そうだろ、闘気と魔力を使えたからといってあれを出来る奴なんてまずいない」

「クーは全然なんともないけど、私がやろうとした時、体がバラバラになるかもしれないと思ったくらい扱いにくいし危険だよ」

まぁ、確かに。


闘神気は闘気や魔力なんかと違って、制御出来なきゃ逆に体に悪影響がある。シエルが言ったみたいにバラバラになるんだろうな。グロい。


「それは君の腕が足りてないだけではないか?」

「ならゼノさんもやってみてよ」

「私は闘気を使えないのでな。マーリンこそどうだ?」

「同じく、ごめんね?」

「獣人組はそもそも魔力無いから無理だね。しょうがない。旦那様!子供作ろ!」

過程から結果までの道が全く見えません。帰れ。


「つまり、もはや勇者に頼る他ないと言うわけか。すまない」

「勝手にエリスに押し付けんな。お前らのためになんでエリスが命かけなきゃいけねぇんだよボケが。やる気無いなら国ごと消えろ」

「………」「………」「………」「………」

反論無しね。とことんムカつく。


「……ゲロカス。私に闘気を教えなさい」

「は?断る。ザコ魔王に教える義理なんて無い。そもそも出来ねぇだろ」

「うるさい!お前みたいなゲロクズは言う事聞けばいいんだ!」

「こーとーわーるー」

「バカ!ゲロ!変態!教えろ!」

本当に教わる気あんの?事故に見せかけて殺す気じゃん。


「いいじゃないの。フィーネちゃんが出来たらエリスが戦う必要無くなるかもしれないよ?」

「ならマーリンさんも爺さんにちゃんと魔力使えるようにさせてよ」

「むむ、がんばります。でもフィーネちゃんに教えるより難しいと思うんですけど」

「それはわからんよ。このヘボ魔王が「ゲロザコ!」……クソ魔王が闘気すぐ使えるかわからんし」「出来る!」

うるさい!あっちで遊んでなさい!


「んー、でもなー。今まで全然出来なかったからなー。難しいなー」

「………何言いたいのさ」

「条件付けてもいい?」

「なんでだよ。意味わからんだろ」

「まぁまぁ、エリスちゃんの為だと思って」

まぁその通りか。いやジジイにペナルティーやればいいだろ。


「んじゃ条件って何さ」

「お嫁さん選ぼ!」

「断る!」

「それを断る!」

なんなんだよ!状況関係無くね?


「クー君いつ死んでもおかしく無いじゃない?」

「それいつもだから。最近じゃないから」

忘れてないからね?身近な皆も知ってるし、当事者達だからね?爺さん目を背けるな。


「まぁまぁ、それだけじゃ無しに、クー君の周りに女の子増えてきたじゃない?皆も誰が選ばれるか気になってるし」

「エリスで」

「変態」

「お兄ちゃんは本気だよ!?」

「へ、変態!」

ガチで引かないで!お兄ちゃん泣いちゃう!


「別に1人じゃなくてもいいじゃない」

「私は旦那様が何人連れてきても大丈夫だよ。私が1番だから!」

「あぁ、1番無い」

「なんで!?」

いや察しろよ。妹じゃないじゃん。


「ならニアがいいの?」

「他所の妹出すな。見境無しに見えんだろ」

「え?」「嘘つけ」「最低」「変態」「死ね」

1人だけ殺意。もうちょい気持ち抑えて。


「小僧、早く決めろ。時間ねぇぞ」

「俺が悪いみたいに言うなよ。決めないって選択肢あんだろ」

「ない」

「おい」

この空気やめてよ。謎に女性陣の気合がすごい。


「あのー。エリスはどんなお姉ちゃんがいい?」

「兄さんの好きな人」

「お、おう」

「とりあえず、アンナ姉さんとアリス姉さん、シエル姉さんの誰がいいの」

「待ちなさい。エリスにそんな姉達はいない」

「いいから答えて」

いつの間に妹を懐柔しやがった!許さん!


「えー、シエルは嫌でしょ?」

「んー、嫌じゃないよ。でもフリードがいるから」

「俺じゃ、ダメかい(キメ顔)」

「ダメ」

さすがシエルたん。バッサリ。


「えー、んじゃ魔王で」

「え?」「ん?」「は?」「嘘!?」「何!?」

「お、お兄ちゃん?なんで?」

「クーこういう感じの子好きだもんね」

シエルちゃんわかってるねー。まぁ見た目の話なんだけど。


「君は娘を嫁にしたいと?」

「いや別に」

「どっちなんだ!!」

「本人の返事次第で」

話聞いてた?普通に断れよ。


「フィーネ、どうなんだ?殺すか?」

その入りやめて。方向違う。


「…………………えっと」

「ど、どうした?殺し方に悩んでるのか?」

「殺す所から離れてよ。そこじゃない」

状況もっと理解して?俺これでも対天使の切り札みたいなもんだよ?


「…………ゲロが、私だけって言うなら、考えてもいい」

「な……なん………だと………」

「なぜ貴様が驚く!」

「お兄ちゃん最低」

誰がイエスと予想した?否!誰もこんな展開は望んでいない!


「ごめん。あと3人くらい嫁ほしい」

「最低」「クズ」「あと2人も!?」「お前は違え!」

ブレない所だけは大好き。他は嫌い。


「さすがクー君だね」

「それどういう意味?絶対悪い意味だよね?」

「えー?1人じゃ足りないってすごいなーって意味だよ」

結局ディス。褒める気無いのに言わないで。


「貴様、死ぬ覚悟はいいな」

「やめてお父様!お父様じゃ私に勝てないよ!」

「な、なぜお前が私の相手になるんだ!」

ホントそれ。どういう立ち位置なんだよ。いつからお前は俺の妹になった。


「兄さん、どうするの?ちゃんとはっきりしないと。アンナ姉さん?アリス姉さん?フィーネ姉さん?」

「全部君の姉では無い。しっかりしてくれ」

「兄さん、早く。決、め、て」

「んじゃその3人で」

「クー、それじゃ実質1人でしょ」

やめて!呆れるのだけはやめて!俺のせいじゃない!

てかわかってんならアンナちゃん候補に入れんなや!


「旦那様、どうするの?」

「お前は違うからな」

「ならノアは?」

「お姉様は違うっての」

「えー?」

ニヤケんな!殴るぞ!


「意外だな。魔王に惚れたとはな」

「クソジジイ、話聞いてたか?」

「ふん、当たりだろ」

うざ!ぶっ飛ばすぞ!


「ふざけるな!大事な娘をたった2日会ったばかりのゲロ臭い人族の小僧に渡すものか!」

前半は納得。後半はやめて。


「お父様、私はもう決めたの」

「何勝手に決まってんだよ。急にどした」


「フィーネ……本気か?」

「もっと抗議しろよ。大事な娘だろ?」


「このゲロが私を、その、す、好きで好きでたまらないって言うから、仕方ない、かな?って」

「嫌なら断れよ。あとお前俺のこと嫌いだろ」


「………そうか、お前がそこまで本気なら、やむを得ない。だが、婚姻の儀は天使を倒してからだからな!」

「許すな!ふわふわしすぎだろ!ノリで娘を嫁に出すな!」

なんで俺が必死に説得してんの?バカなの?


「うんうん、これでやっと肩の荷が下りたね」

「誰目線だよ。これ見たら俺の母さん頭抱えるぞ」

「アイリスならあらーまぁー、とか言って喜ぶでしょ」

「なんで母さん知ってんだよ」

「私の弟子よ?エリスちゃんは紹介されたんだから。お兄ちゃんに会いたがってるから面倒みて下さいって」

「なっ!師匠!」

「エリス。お兄ちゃんのお嫁さんになって」

「いや!」

ぐふっ………。俺は、もう、ダメだ。


「浮気したら殺す」

「してないだろ。俺はエリス一筋だ」

「……クー、妹とは夫婦になれないよ?」

わかってるよ!そんな言い方しないで!





魔王が嫁になった。………………は?






「ゲロカス!もっとわかりやすく教えろ!」

「クソ魔王、出来ないならやめていいぞ」

「出来る!教えろ!」

萎え。疲れるわい。チェンジ。


「兄さん、もっとちゃんと教えないと。嫌われるよ?」

「エリスがいればいい」

「私は姉さんの味方だから」

バカな!?俺の方がエリスを愛しているというのに!


「ゲロクズ、ほら、早く。ちゃんと教えたら、その、ご褒美あげるから」

「新しい嫁でもくれんの?」

「死ね!」「最低」

何が正解なんだ……。


会議を一旦終了し、一度提案された闘神気習得計画に移行していた。

俺とエリスで魔王に闘気。マーリンさんとシエルと前魔王がジジイに魔導を教える事になった。

でも何故か俺らは魔王の私室で教えてる。バカなの?


「ゲロカス、早く」

「だぁーかーらー、生命力はわかんだろ?それを闘気に変えんだろ」

「どうやるのよ!」

「こうだよこう。ほれ」

「わかるかバカ!」

あかーん。お手上げや。


「兄さんも最初全然出来なかったよね。どうやって出来る様になったの?」

「闘気を体にぶち込んでもらった」

「………」「………」

ですよねー。普通引くよねー。


「ね、姉さん、生命力に、攻撃する意思を込めるの。攻撃系の魔法を使う時みたいにすらば出来るよ!」

「う、うん。わかった」

俺いらなくね?エリスのが教えるの上手いじゃん。


「……………」「…………どう?」

「………出来ない」

「おい」

「ちょっと兄さん」

「うぅ………真面目にやってるよ」

睨むなよ。わかったってば。


「あれだ、生命力で攻撃する感じ。こう」

「わかんないよ!」

「姉さん、落ち着いて。集中だよ」

「………わかった」

俺のいうことも素直に聞いて?


しばらく口で説明したり、見せたりしたけど一向に変化無し。まぁこんなもんだよな。


「……出来ない」

「姉さん、諦めないで。魔王なんでしょ?」

「どうせ魔導しか出来ない魔族の魔王ですよ。人族みたいに器用じゃないですよ」

ふてった。最初の気合はどこ行った。


「ちょっと兄さん」

「どしたん小声で」

「姉さんの事励ましてよ」

「いやなんで。いつの間にお姉さん子になったの」

「兄さんが夫婦になるって言ったんでしょ。ちゃんと夫らしいことしてよ」

「俺まだ14だぞ」

「15でしょ」

「え?いつの間に?」

「少し前」

前世じゃ考えられんな。死にかけるし命がけだし嫁いるし。わけわからん。しかも3つ下の妹になんのお願いされてんだよ。


「おいクソ魔王、もっとがんばれー。お前ならできるよー」

「……………チッ」

ガチギレじゃん。ちゃんと励ましたじゃん。


「姉さんふぁいと!」

「ふぁいと?それ何?」

そっち食いついちゃダメっしょ。もう飽きた?大事な事じゃないの?


「がんばれって意味だって。兄さんが」

「チッ」

「なんでキレんの」

「なんとなく。チッ」

俺の顔舌打ちしたくなる顔してんの?


「はぁ、もう無理じゃね。やめよやめよ」

「兄さん!」

「………出来る」

「どうやってだよ」

「…………ふぁいと」

「うん!ふぁいと!」

さっき舌打ちしてたやん。どっちやねん。


「んなもんで出来っかよ」

「ゲロザコに出来るなら私にも出来る」

「確かに。兄さんに出来るなら絶対出来るよ」

俺をいじめるのは関係無くない?


「エリス、私に闘気を流して」

「え?でも、それは」

「大丈夫。エリスは天才なんでしょ。信じてるから」

「姉さん……。わかった。任せて」

なんか俺より仲良い感じ嫉妬ですが。エリスは俺の妹じゃい!


本当にやるようで、エリスに手を握られて準備している。よくやるねー。

「それじゃ、いくよ」

「うん…………つっ!………くぅ……痛い…」

「大丈夫?」

「うん、なんとか」

え?軽っ!俺がヘボいだけ?母さんがガッツリ失敗したから?


「姉さんどう?出来そう?」

「…………全然」

「マジか」

なんでだ?俺でも出来たんだけどなぁ。魔族には向かないんかな。

しゃあない。一回試すか。


「ヘボ魔王、手ぇ出せ」

「死ね」

「兄さん最低」

「お前ら何考えてんだよ」

その冗談乗らないからね?ふぁいとどこ行ったんだよ。


「おら、早く」

「チッ、あぅ」

「変態」

「違えよ!出来るかわかんないけど、ちゃんと見とけよ」

俺は魔王に生命力を流しこんだ。

魔王の生命力と混ざりだしたところで、生命力を闘気に変換。怖いからちょっとずつ。慎重に。


「わ、わわ、おぉー!すごい!出来てる!?」

「兄さんすごい!」

「まだだって。フィーネ、操作出来るか?」

「え!?あ、あの、あの、うぇ、あの、わ、わかんない!」

「いや落ち着け。何急に慌ててんだよ」

「兄さんのせいでしょ!」

別になんもしてねぇだろ!むしろ神経使ってんだから困ってんだぞ!


「ほら!出来んのか?どうだ?」

「で、出来てます?出来てない!出来てた?どっち!」

「なに混乱してんだよ!落ち着けっつの!」

「姉さん!しっかり!」

マジでしんどい。早くどうにかしろし。


「……………どう?」

「いやわかんねえよ。エリスから見て出来てっか?」

「えっと、多分?」

ダメだコリャ。一旦止めてやらせよ。


「あ、…………手」

「なんだよ!いいからやれって!後でなんぼでも触っていいから!」

「はい!いきます!出来た!」

「早っ!」

「最初から兄さんがこうすれば良かったのに」

「あんだけ大量にぶっこんで失敗したら死ぬだろ」

「兄さんはそんなことしないでしょ。旦那さんだもん」

謎の信頼なんだよ。…………はいはい、手ね。どーぞ。


結構力ずくで習得させる事には成功した。疲れる。

休憩がてらジジイの方に見に行くことにした。

出来てっかね。無理そう。

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