19話
「おはようございー」
「遅い」
「おはよう」
「おはようクー。ねぼすけさんだね」
あらかわいい。ってかなんでいんの。
「2人とも早いね。なんかあったの?」
「あったのはクー君だよ。今日お誕生日でしょ?だからお祝いしようと思ってね」
朝一にやる意味がわからん。なんか企んでんのか?
「さいですか。ありがとうございやす。んでなんで朝一なのさ」
「お昼からちょっと用事がね。クー君も一緒だけど」
「断る!」
「残念」
なんでやねん。
朝からいつものメンツでちょっと豪華な朝飯を食いました。今日で13だがまだまだ背が伸びない。
早くガタイはでかくしたいんだよなー。主にリーチ伸ばしたい。
飯を食ってからは久しぶりに組手で汗かいた。
冷や汗ね。
爺さんは今でも平気で絶対殺すパンチを繰り出してくるとこ嫌い。
しかもなにがムカつくってこれが誕プレ。バカかよ。
マーリンさんとシエルからはご飯でした。すごく嬉しいです。ありがたやー。
「マーリンさん。昼からなにすんの?」
「ん?んー、行ってからのお楽しみ、とかはダメ?」
「場所聞いても?」
「ダメ」
なんだよ。なんかトラップでもあんのか?これが本当のプレゼントだ!とかいって。あかん。
「一応聞くけど、学校じゃないよね」
「え?違うよ」
嘘じゃん!目をそらすなや!なんでか言えや!
「クー、今度はなにも無いから大丈夫だよ。師匠と私も一緒だから。安心して?」
シエルたんだけ俺に優しいよなー。
シエルは俺のこと弟みたいに思ってるとかマーリンさん言ってたんだよな。お姉さん感出してくるのはなんとなくわかるけど。まぁ頼りないが。
「まぁ言っても聞かないからいいけど何すんの。それは知りたい」
「…………言わなきゃダメ?」
「え?本当何すんの。俺に何させるのさ」
「実は今日のお昼から学校で試験があるんだ。前は魔導科の生徒の試験だったんだけど、今日は闘士科の試験なの」
闘士科って言い方な。投資家かよとか思ったのは俺だけか。
「なんで分けてんの。仲悪いから?」
「それと会場がボロボロになるから。あれの修繕結構手間なのよね」
「試験って何してんの。本当に試験かよ」
「魔導科の試験は実戦形式の魔術合戦だからね。筆記もあるけど別日だし」
結構野蛮なのね。やだ怖い。
「ちなみにシエルは2番の成績でした」
「えっへん!」
かわええな。最近成長してきた胸を強調してくれる感じ素敵。
「ちなみに1番はお姫様でした」
「出来レースじゃん」
「ん?それなに?」
「お偉いさんだからよいしょしたって感じ?」
なんか違うな?まぁ伝わったべ。
「それが違うんですなー。お姫様はとっても才能あるからね。あとクー君にとってもいい人だと思うよ」
「は?なんで?」
「試験でフリード君をボコボコにしてたから」
「姫様!ありがとう!大好き!」
会ったこと無いけどね。まぁ会いたいとはさすがに思わんし。
「それはそれとして、なんで俺が学校行くのさ。試験受けろって?」
「惜しい!クー君には試験官をしてもらおうと思ってね」
「おいジジイ、また俺に押し付けたな」
「今回は気づくの早かったな。成長したじゃないか」
マジ激おこ。今度は絶対一発デカイのかましてやる。
「まぁクー君は見て採点してくれるだけでいいからいいでしょ?」
「え?どんな形式でやんのさ」
「生徒同士で組手して勝ち残りをしていく感じ」
トーナメントかー。俺いらなくね?
「それでクー君には、各生徒に点数つけてほしいんだ。残ったかどうかじゃ評価が変でしょ。強い子同士で当たって消耗しきった状態で戦っても勝てるわけないでしょ?」
「だから毎回点数付けろと。メンド。順位って採点の対象になんの?」
「お!やる気だねー。一応なるけど見て決めていいよ。運良く1番じゃ本当の実力とは言えないから」
地味に厳しいな。運も実力の内とか言わないのな。
「採点って俺1人じゃないよね。他の先生方は俺がやるって知ってんの?」
「ふっふっふ。知りません!闘王様がくると思ってます!」
「今回はお断りさせていただきます」
「だめー。もう決定でーす」
おい、歳考えろ。あとマジで嫌になったし。
「ごめんね。嫌がるから話はしとこうって言ったんだけど」
「シエルは悪くないよ。歳とると子供に嫌がらせしたくなるのがやめられないんだろうし」
「うぐっ」
「俺はお前だから厳しくしてるだけだ」
「嘘つけ!厳しいどころじゃねぇだろ!」
命賭けてるからね?攻めすぎだからね?
「と、とにかく、お願いね?まぁ私もちゃんと付き添うから」
「ですよね。じゃないと俺逃げるつもりだから」
「ごめんなさい」
わかってくれればいいんです。ジジイ見習え。
学校に移動して試験の説明を受ける。
まぁ、マーリンさんに聞いたことの繰り返しだから気にすることは特になかった。
先生の態度以外。
「君、本当に試験官が務まるのか?ここは遊びの場ではないぞ?」
「大丈夫ですよ。私のお墨付きですから」
「マーリン様はそうおっしゃいますけど、貴方は闘士については専門では無いでしょう。それに名乗るだけなら闘王様の弟子、なんて言えますし」
この人すごいなー。マーリンさん相手でも当たり強い。仲悪いのはわかるけどあからさますぎぃ。
「まぁ、私達のような優秀な教師が数人いるから採点には問題は無いが、邪魔だけはしてくれるなよ」
と言ってどっか歩いてった。俺もう帰りたい。
「マーリンさん、本当に大丈夫?」
「……………多分」
「ちょい、不安なんだけど」
「クー君なら最悪自力でなんとかなるでしょ!私もクー君の隣で観戦してるし」
あ、これ当てにできないパターンだ。勘弁して。
試験開始時刻になり、試験官用の席で観戦。
マーリンさんにちょこちょこ教えてもらいながら採点する。
10点満点で平均点は毎回5から6点くらいだとか。
後で書き直しも出来るから好きにつけてってねとのこと。雑だよ。
試験官は全部で10人で、最高点が100になるという感じ。やっぱ俺いらなくね?
今の学校の闘士科の生徒は全部で800人くらいらしい。だいたい一戦2分くらいだ。
……………今日で終わんなくね?
「マーリンさん。試験って明日もやんの?」
「ん?予定では明後日まで」
がっくり。なーがーいー。
「嫌なら帰っていいぞ。君はいなくても採点に変わりは無いからな」
「ダメだからね。がんばって」
マーリンさん早い。帰るって言えなくなったじゃん。
だいたい100戦くらい見た。
でもかなり困った事になっている。
どいつを見ても差が全然わからん。どんぐりの背比べなんですけど。50歩100歩なんですけど。
「マーリンさん、今の所満点の子いた?」
「え?んー、8点くらいの子はいたかな。どうしたの?」
「いや、なんでも」
隣の先生達マジで尊敬するわ。この微妙な差を評価するってものすごく難しいからな。プロは違うな。
「君、君はちゃんと採点しているのか?全員5点じゃないか。やる気あるのか?」
「あ、すいません。一応がんばって採点してるつもりです」
「ふん、君とは格が違うから採点は難しかったかな。我が校の生徒は君とは違ってとても優秀だからな」
「はぁ、すいません」
プロの嫌味も違うなー。反論する気から削いでくるもんなー。
200人くらい終わった。休憩無いのかよ。
マーリンさんに聞いたら時間無いから無いって。それくらいちゃんと管理してよ。
それ聞かれてまた帰れって言われたよ。
マーリンさんが断ったけど。ちょい。
……………300人終わった。飽きた。つまらん。
未だに飛び抜けてすごいとか、全然ダメとかいなくて採点も捗らない。ってか全員5点なんですけど。
「クー君、あともう少しだからがんばってね?」
「ほい。了解」
マーリンさんも飽きてるな。結構あからさまで笑いそうになる。
「いやー、最近の生徒はかなり優秀な子が多いですな!これはもしかすると満点の子がいるかも知れませんな!」
は?嘘でしょ?どいつだよ?
「そうですな!特に先ほどのジェイド君は素晴らしい!他の子達と比べて実力が抜きん出ていますな!」
…………………え?
ちょっと不安になってマーリンさんに聞いてみる。
「ジェイド君ってどの子?」
「え?5回前の、あのー、攻撃を全部躱して一発で終わらせた。髪が青くて逆立ってる」
「あー、あの子ね。了解」
………………5点です。満点にならなくてごめんね?
400人終了。今日はこれで終わりらしい。あと2日じゃ足んなくね?
と思ったら1日増やすらしい。なら休憩も足せよ。
「マーリンさん。俺全部見なきゃだめ?」
「だめ。少しは勉強にもなったでしょ?」
「どの辺が?」
「君くらいの子の実力」
「大変勉強になりました!ありがとうございます!」
そういうことか。マーリンさんは本当いい人や。
爺さん本当に見習って。俺爺さんから常識教えてもらって無いからね?忘れた?
その日はマーリンさんの研究室でシエル含めて3人で飯食ってから帰った。うまうま。
「帰ったでー」
「どうだった」
「爺さんが行きたくない理由がわかったよ。ありゃ苦行だ」
それを押し付ける爺さんひどいわ。辛い。
「爺さんはいつも何点付けてたんだよ」
「1点」
満点出ない理由がこれかい。俺よりひどいな。
次の日、この日は朝から始まった。まぁその方が良いわな。
あかん。5点しかいない。
昨日より少し巻きでいってるが変わり映えが全く無い。眠くなるわー。
「君、何をあくびしている。真面目にやらんか」
やべ。
「すいません。朝は弱くてつい」
「チッ、全く、君は良い機会だと思わないのか?君よりも腕の良い闘士の子達を見て勉強しようとは思わないのか?」
そんな無茶な。みんな同じにしか見えないんだけど。まぁ型は俺より断然出来てるんだけどね。
めっちゃプリプリ怒ってる先生にテキトーに謝って事なきを得た。だるー。
全員の一回戦が終わった。
悲しいお知らせ。全員5点。あかん。
まぁ実力を隠してたり、出してない技とかあるだろうからまだなんとも言えない。だろう!
「いやー!今回は豊作ですな!特に最後のヴァン君は別格!まだ一回戦なのに10点を付けてしまいましたよ!」
「確かに!今の段階で優勝を取ってしまうと思わせる実力でしたな!恐らく彼かジェイド君のどちらかに決まってしまうでしょうな!」
……………お、おう。俺も同じ意見だ。みんな優勝候補だと思ってるからさ!
一度昼休憩を挟んで二回戦。何回戦やる気だよ。
マーリンさんは船漕いでるし。俺も眠くなるからやめて?
終わった!今日も乗り切った!寝なかったぞ!
二回戦も今日だけで終わったし段々詰まっていくだろう。じゃないと辛い。
「ねぇクー。試験はどんな感じ?すごいなーとか思う子いた?」
「ん?んー、ジェイド君とヴァン君?かな」
「それ名前聞いただけでしょ。クー君はアンナちゃんくらいしかちゃんと見てなかったでしょ」
「え?誰だっけ」
1割くらいだが女の子もいた。が、誰のことかわからん。
「ずっと胸ばっかり見てたもんね。クー君も男の子だね〜 」
「もう!真面目に採点しないとダメでしょ!」
「え、あ、はい」
いやどの子だよ。
「…………クー、誰かわかってないでしょ」
「うん」
「えー、本当に?あの髪が金髪で、長い髪を三つ編みにしてたあの子だよ?」
「あー、なんとなく」
なんとなくしかわからん。ごめんね?
「本当に採点出来てる?居眠りしてない?」
「俺はマーリンさんとは違って寝てないよ。採点もちゃんとしてるし」
「わ、私は試験官じゃないもん」
はいはい。ですよねー。
「本当に?最高は誰の何点?」
「全員5点」
「え!?ちょっと!全然採点出来てないでしょ!」
「爺さんよりマシじゃん。爺さんは1点だって」
「…………それってクーもアラド様と似た様な意見ってこと?」
「大当たり〜。まぁ俺は爺さんと違って違いがわからなかっただけだけど」
しょうがないよね。勘弁して。
「………………」
「………………」
「ちょい、なにさ」
「それ試験官失格じゃない?違いがわからないって」
ごもっとも。胸が苦しいよー。
「クー君的にはどう見えたの?」
「全員同じみたいな?」
「クー、それ本気?正直に言いなさい」
お姉さん感出してこないで。かわいいから許すけど。
「正直に言うと、しょぼい、弱い、つまんない、以上」
「……………」
「あー、そっちね。てっきり本当にサボってると思ってた」
マーリンさんや。それはひどい。
ご飯をいただいて今日も帰った。
明日もこんなは憂鬱だよ。爺さん変わって。
はい3日目。マーリンさん曰く早ければ今日で終わるとの事。それだとありがたい。
午前の段階で3回戦は終わった。
残りは50人か、こいつらも飽きないねー。
だが数が減ったおかげで目ぼしいやつは何人か決まった。………………名前が聞こえたやつじゃないよ?
先生方の予想通り、ヴァン君とジェイド君が残ってる。それとマーリンさんから聞いたアンナちゃん。……………他の子はこれから覚える。
「クー君、良かったね。アンナちゃん残ってるよ。嬉しいでしょ?」
「あ、はい。そうですね」
「もう、少しは構ってよ。そんなんじゃ女の子にモテないぞ」
「ハイハイ、そんなこと言ってると煙たがられるよ」
「むむっ」
気持ちはわかるけどその絡み方はメンドイんですよ。わかってね?
昼休憩が終わり、試験再開。
マーリンさん一押しのアンナちゃんが登場。
注目して見ると、うん、5点。
……………試験の点数だよ?女の子に点数付けるとか最低!
「おおっ、ほら、クー君見てる?ほらほら」
「ハイハイ見てる見てる。どしたんすか」
「もう、しらばっくれちゃって。アンナちゃんすごいね。まだシエルと同じ15歳なのに」
「だからなんだよ」
「ほら、すごく揺れてるでしょ!見てる?」
怒られっぞ。あんたよく追い出されないな。
アンナちゃんは無事勝ち抜いた。
………………相手も乳しか見てなかったんじゃね?アホか。
その後もジェイド君やヴァン君は勝ち抜き。
そろそろ本気だしてくれないと点数つけらんないんですけど。
今日はベスト8まで決めて終了。
なんと名前を覚えた3人が残った。なんとも思ってないけど。
この日も3人で飯。
またシエルたんに小言を言われたけどかわいかったまる。
最終日!
今日で終わりだ!イェイ!
「クー君、今日で終わりだね。今のとこどんな感じ」
「残念ながら変化無し」
「えー?お気に入りのアンナちゃんは?」
「マーリンさんのお気にとか知らんし。なんでだよ」
この人ブレないけどしつこいのはやめてよ。本当怒られるよ?
「あの、私がなにか?」
「うおっ!」
後ろから話かけられた!びびったー。
…………別に気配わからなかったとかじゃ無いからね?ここで話かけられると思ってなかっただけだからね?だからそんな目で見んなや!
「あら!アンナちゃんね?今アンナちゃんすごいねって話してたの」
「あ、ありがとうございます。マーリン様にそう言われると思ってなかったので嬉しいです」
ごめんね。マーリンさん褒めてるとこ違うんだ。
「ね?クー君」
「あ、はい」
話振るなや!
「あの、この子は?」
あー、嫌な流れ。
「この子はアラドの代わりに来てる試験官の子で、クライスト君」
「どもです」
「え?この子が?」
やっぱそんな反応だよねー。
「あの、失礼ですけど、この子に試験官が務まりますか?」
「……………ごめんね」
「ちょい、少しは助けて」
フォローしてよ。俺がまた怒られるじゃん。
「…………君、帰った方がいいんじゃないの。そもそも君、闘士なの?全然戦えないでしょ」
「俺も帰りたいよ」
「だめ」
「だって」
身内は誰も助けてくれないわけよ。察して。
「…………なんで素人が試験官やらされてるかわからないけど、私が女だからって差別したら許さないから」
「だってマーリンさん」
「私もしてないよ!?女の子だから応援してるだけだから!」
「はぁ…………まぁいいですけど。それでは失礼します」
失礼しますって言いながら俺にガン飛ばしてどっか行く。それは失礼じゃないの?
午前で残り2人に絞られた。
決勝はヴァン君とまさかのアンナちゃん。
ジェイド君はアンナちゃんと当たって棄権した。
理由としては、女は殴れない。だとさ。
決勝が始まった。
が、すぐ決着。アンナちゃんの優勝。
内容はヴァン君が逃げたり避けたりし、最後にギブアップ。ありゃりゃ。
そして俺も結果的にギブアップ。
最後まで5点になってしまった。ちくしょー。
優勝したアンナちゃんには賞状が貰えるらしい。
やったね!
「はい、クー君賞状」
「……………優勝したのアンナちゃんだよ?」
「うん、だから渡してきて」
「いやなんで」
「いつもはアラドが渡してたから」
おい!それ有りかよ!
残念ながら俺が渡す事になった。他の先生方も止めてくれない辺り嫌がらせがひどい。
「それではこれより、優勝したアンナ・ティルトに闘王代理、クライストより賞状が授与される」
名前を呼ばれたので会場中央に設置された見世物台に向かって歩く。なんか恥ずかしい。
「アンナ殿、優勝おめでとうございます」
「ありがとうございます」
全然嬉しそうな顔じゃないんですけど。むしろ睨んでない?
「あの」
「え?なに?」
「君には、私がどう見える?」
え?意味わからん。
「どういうこと?」
「私が優勝者に相応しいかと聞いたんだけど」
「え?うん、そだね」
「正直に答えて」
なんだよ。迫力すごいんだけど。両隣のヴァン君とジェイド君もなんかニヤケてるし。
「あー、本音で言った方がいい?」
「ええ」
「俺は勝ったもん勝ちだと思ってる。だから優勝は君。そこの2人は君に負けたカッコつけてるだけの負け犬。ってとこかな」
「なんだと!?」
「もう一度言ってみろ!」
うわ、噛み付いてくんなよ。俺じゃなくてアンナちゃんに言ってよ。こいつが言えって言ったじゃん。
「おい小僧!お前が何か知らんが調子に乗るなよ!」
「俺らが本気だったら女なんかに負けるはず無いだろ!」
「あー、ハイハイ。んじゃ今度は勝てるようにがんばってね。あんたの頭の中じゃなくて現実で」
「貴様!」
ツンツン青髪頭が飛びかかって来た。うわ、うざ。
「はい、そこまで」
と、ここでマーリンさんが割って入って来た。ありがとー。真面目な時は尊敬してます。
「これはあくまで試験だから。成績では勝ってるかもしれないでしょ?だから、そこで勝負すればいいじゃない。でしょ?」
「…………マーリン様がそうおっしゃるなら」
「チッ、命拾いしたな、クソガキ」
やったー、おかげでいきてるー。……はぁ。
ちょっと最後に荒れたが試験は無事終了。やっと帰れるよ。
「ねぇ、ちょっと」
マーリンさんは片付けとか諸々仕事があるとかでどっか行ったし。帰るかな。
「ねぇ、君」
爺さん多分飯用意してねぇだろうなー。辛たん。
「そこの君!待ちなさい!」
「うおっ!なに!」
俺が呼ばれてたのかよ。またびっくりしちゃったじゃん。恥ずい。
話掛けてきてたのはアンナちゃんだった。さっきぶりだね。
「ねぇ、あの時言ってた事本当なの」
「本当だって。本音で言えって言ったのあんたじゃん」
「………そう、だけど………」
「もういいっしょ。んじゃ」
と挨拶して帰る。なんか言いかけてたっぽいけど無視。メンドイ。
会場から出ようとしたとき、…………マジか。
「おいクソガキ、顔貸せや」
「逃げらんねぇぞ?早く来い!」
あれですね?便所のやつですね?
「クソガキ、よくも俺たちに恥かかせたな?」
「どうなるかわかってるよな?あぁ!?」
便所じゃなくて校舎裏でした。クソ!外した!
「ちなみにどうなるんですか?」
「あ?痛い目に合うって事だよ!」
と言って殴ってくる。アホか。
「バリアー」
ガギンと音がした。痛そう。
「ぐっ、てめぇ!」
余計怒らせたが全身を覆うように発動したため、どっから何されても痛くも痒くもない。
「てめぇ!卑怯だぞ!」
「二対一は卑怯じゃないと。基準がわかりませんな」
「うるせぇ!」
と、2人で俺を何度も殴ってくる。当たらんがな!
だが、さすがに面倒になってきたので、倒します。
「サンダーボルト」
「ぐわぁぁぁぁぁ!」
「なっ、ヴァン!……貴様!」
「サンダーボルト」
「ぐわぁぁぁぁぁ!」
やられかた一緒かよ。最後までつまらんな。5点。
こいつらを放置して帰った。はぁ、しんど。
ちなみに後でマーリンさんにバレてニヤニヤしながら怒るという謎の行動をしてきた。なんだよ。




