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喜連川妄想譚 五千石の小藩から始める一橋討伐 ~俺を殺した男の先祖を経済で追い詰めます~  作者: さくらゐ


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二話

『転生許可証』


「これは生前大きなことを成し遂げた者数十名の署名で許される許可証じゃ、足利様と我が徳川それぞれ十五人ずつの将軍全ての署名で手に入れた、これをお主の好きなように使ってほしい、せめてもの詫びと思って」

家康がそう言うと後ろからぞろぞろと男たちが集まってきた、慶喜は写真で見たことがあったのですぐに分かった

一橋家を創設した吉宗に至ってはずっと土下座している

(うわっ、足利と徳川の将軍が勢ぞろいじゃん)

「さて、わが子孫よ、事故の時に戻して仇を討つといった事は出来ぬが過去にそなたを送って憂さ晴らしをさせる事は出来る、どうじゃ?やってみるか?」

そう言って尊氏が俺の頭を撫でた

「過去に行って何が変わるっていうんですか!すでに俺は死んでいる、一橋家を倒したって何の意味もない!」

そう言うと一人の男が話し始めた

「家治と申す、徳川十代目の家治と言えばわかるかの?」

そう言って俺に話し始めた

「儂の治めておった頃、ちょうど一橋家に治済というのがおっての、彼奴の頃から徳川がおかしくなり始めた。そこでお主の憂さ晴らしの場として儂の世に生まれ変わって好きに暴れまわって欲しいのだ、勿論その後の歴史が変わろうがどうなっても構わん。お主の好きなようにしてよい」

その言葉に家康と尊氏も頷いて援護した

「その時代の誰に生まれ変わって、何をどうしたらいいのかもわからない」と俺が言うと尊氏が

「ちょうどそのころ下野の国にわが子孫の藩というものがある、その当主となって暴れまわれ。聞いたところによると小さき集まりだが特殊な集まりらしい。あと我々からそなたに一つだけだが『加護』を与える、何事にも勝てる『最強の運』だ、戦も博打も何もかも強運が味方する、どうだ?自らの手で憂さを晴らしては見ぬか?」

その言葉に俺は一瞬ためらったが、どうせ三十で死んだんだ、ボーナスステージだと思えばいい。

そう思って全員に返事をした。

「わかりました、憂さ晴らしをしてきます。ただし強運の他にもう一つ欲しいものがあります、それを頂けるならすぐにでも転生します」

「ほほぅ、それはなんじゃ?」家康と尊氏は同時に言った

「現代の知識を好きに見られる眼が欲しい、過去に行くとはいえやりたいようにやらせて欲しい」

そういうと家康と尊氏は笑いながら

「わかった、それも認める。好きな世を作ってこい」


その言葉にエコーが掛かり目の前が真っ暗になった


次に目を開くと

??? 目線が低い

どうやら子供になったらしい。そこで俺は育った

皆に「廉之助(れんのすけ)」と呼ばれていた

強運もあってか大きな病気もせず数年が経った

「廉之助様、殿が及びです」

手を引かれ連れていかれた先には、この世の父が待っていた。

「廉之助、これへ」

呼び出された先の上座にこの世の父である『伊予大洲藩藩主・加藤泰衑(やすみち)』がいた

伊予大洲藩は六万石の外様大名である

足利との関わりは一切ない、対座して座る俺の頭には加護でもらった知識で随分前から分かっていた事だった

「廉之助よ、そなた養子に出すこととなった」

「はい、父上。して行先は?」

「下野の国、喜連川藩」

その言葉に家臣一同は息をのんだ

喜連川藩と言えば、足利の子孫というだけで五千石の小さな藩、そこに息子を送らなければならない苦渋の表情もあった


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