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危険な血脈

レオンは赤疤に乗って、空へ昇った。


赤疤は両翼を広げた。


熱風が、巨大な赤い帆のようだった。


火はその口から、爪の下から、絶え間なく溢れ出た。


まず、村の入り口にいた群れを狙って旋回した。


さっきまでレオンを囲んで殴っていた者たちが、次々と燃え上がった。


彼らは手を上げていた。


まるで、点けられた人の形をした松明のようだった。


まだ走っている者もいれば、もう動かない者もいる。


焼け焦げた木のように、赤い泥のなかに突き刺さっていた。


それから、赤疤は高度を上げた。


空から見下ろすと、灰葉村は乾いた炭の塊だった。


小道も、低い壁も、籬も、物干し縄も、竜の炎が舐めたあとは、すべて火の境界線になった。


赤疤は東から西へ飛び、また折り返した。


この土地に、新しい色を塗るように。


火は屋根から木へ、木から倉へ、倉から村裏の干し草へ。


村全体が燃えていた。


地面まで油を撒かれたように、どこへ行っても火があった。


レオンは赤疤の上で、火の光に青白い顔を赤く染めていた。


額の血は、もう黒く固まっていた。


彼は逃げる人々を見なかった。


目は、火だけを見ていた。


母が閉めた、あの扉が見えた。


朱色の木の扉。


銅の帯が打ってある。


火が地面から巻き上がり、扉枠を呑み、銅帯を呑み、扉を呑んだ。


母が扉のなかに立っていた。


逃げなかった。


母の影は火のなかでどんどん縮み、最後は火のついた紙のように丸まって、散った。


祖父の庭が見えた。


花壇。


灰雀。


引き裂かれた小さな死体。


火が草地を這い、すべてを黒くした。


祖父が長い廊下に立っていた。


彼に背を向けて。


炎が老人の上着の裾を舐めた。


祖父は振り返らなかった。


だから、火が祖父を覆った。


宴会の広間が見えた。


何十本もの蝋燭が、まだ燃えている。


火がすべての窓から同時に入り込み、椅子も、垂れ幕も、あの記録官も、彼を囲んでいた者たちも、みんな包み込んだ。


戸口の使用人たちが走っているのが見えた。


でも、扉はもう焼け崩れていた。


彼らは叫び始めた。


それも聞こえなかった。


兄が飛んでいくのが見えた。


竜の翼が空を覆う。


追いたかった。


でも、足を何かが掴んだ。


見下ろすと、手だった。


祖父の手。


父の手。


母の手。


名前も知らない者たちの手。


火のなかから伸びてきて、彼の長靴を掴んで離さなかった。


「お前はどこにも行けない」


彼らは言った。


「お前はどこにも行く資格がない」


彼らは言った。


レオンはその手たちを見て、ゆっくりと右手を上げた。


赤疤の炎が彼らのあいだを抜け、その手も、顔も、記憶に張りついた声も、ひとつ残らず焼き尽くした。


風が熱くなった。


灰葉村は、もう見えなかった。


崩れゆく形があるだけだった。


黒い煙の柱は高く立ち、大地の奥から生えた巨木のようだった。


火の舌はあらゆる屋根から伸び、あらゆる窓から這い出した。


村全体が燃えながら低い唸りをあげた。


何か巨大で古いものが、地下で寝返りを打っているようだった。


レオンは口を開けた。


唇は裂けていた。


血と灰の味がした。


しかし、彼は笑った。


その笑いは軽く、喉のいちばん奥から漏れた息のようだった。


血と火の味が混じっていた。


「焼け」


彼はもう一度言った。


自分に言うように。


古い日々の、彼を放さなかったすべての者に言うように。


赤疤は応えて降りた。


竜の爪が、もう焼けてわからなくなった地面を踏んだ。


翼が一打ちすると、無数の火の粉が、驚いた蛍のように空へ舞い上がった。


それらはレオンの横を通り、血まみれの手に落ちた。


彼は避けなかった。


灰葉村は巨大な焚き火になった。


どの石も赤く灼けていた。


どの灰も空へ昇っていた。


レオンはその海を見つめ、ゆっくりと、とても長い息を吐いた。


二十年呑み込んできた火が、ついに出てきた。


もう胸の奥に詰まっていない。


喉の奥から突き上げることもない。


それは、灰葉村と一緒に燃えていた。


---


エレナは砦の城壁で、南の火を見た。


眠れなくて、外の空気を吸いに出ただけだった。


南の空が少しずつ赤くなり、夜明けが、あの方向から来てはいけないと思った。


彼女は城壁に手をつき、指先に力を込めた。


あの向こうから吹いてくる風は、もう焦げの匂いではなかった。


灰だった。


あれは、レオンだ。


母の言葉を思い出した。


あの子が、もし隠れるのをやめたら、もう戻らない。


「焼いたのね」


彼女は言った。


声はとても小さく、自分にだけ言うようだった。


彼女は城壁に立ち、泣かなかった。


動かなかった。


ただ空を見ていた。


赤から黒へ。


黒から、さらに深い赤へと変わっていくのを。


「それでも、焼いたのね」


---


古い粉挽き場の扉が、外から破られた。


「灰葉村が燃えている!」


その男は走って戻ってきた。


顔はすすで真っ黒、ズボンの裾は焼け落ち、扉をくぐるなり床に崩れて喘いだ。


「灰葉村が……燃えている! 竜だ! 竜だ!」


アイリスが立ち上がった。


彼女は何も言わず、アルドを見た。


アルドも彼女を見た。


彼女の目はひどく赤いが、まだ涙は出ていなかった。


「マルサは村にいる」


彼女は言った。


アルドは何も言わず、麦わら帽子を手に取り、頭に載せた。


二人は粉挽き場の裏口から出た。


外の風はもう熱く、煙の匂いが重かった。


北の斜面からは、南の空が黒と赤に染まっているのが見えた。


空が焼け落ちたようだった。


彼らは走った。


アイリスが先を走った。


スカートの裾を手で持ち、黒茨の林の小道を速く走った。


アルドは後ろを走った。


足はまだ引きずり、何度も転びそうになった。


二人とも、何も言わなかった。


南へ行くほど、煙は濃くなった。


北の斜面のいちばん高い所まで来て、アルドは先に足を止めた。


灰葉村が、下にあった。


もう村は見えなかった。


炎と、黒い煙の柱だけだった。


家という家が燃え、道の両側の木も松明になっていた。


火の粉は風に舞い、黒茨の林に落ちては、新しい火を点けた。


アイリスが隣に立ち、肩で息をしていた。


「遅かった」


彼女は言った。


アルドは答えなかった。


彼は火を見ていた。


指がゆっくりと固く閉じる。


指先は冷たかった。


だが、体の奥では、別の、もっと熱いものが、とても深い場所からせり上がってきていた。


逃げてきた人々が、西の小道から出てきた。


老人も、子どももいた。


服に火がついたまま、地面を転がる者もいた。


アイリスは駆け下り、倒れかけた女を抱えた。


「マルサは?」


彼女は聞いた。


女は涙でいっぱいの顔で、何も言えず、ただ首を横に振った。


アイリスは手を離し、人混みを見た。


ひとり。


ふたり。


マルサはいなかった。


彼女は道の真ん中に立った。


風が髪を乱し、灰が黒い雪のように肩に降り積もった。


アルドはゆっくりと彼女の隣に立った。


彼の手はまだ震えていた。


冷たさのせいではないことを、彼は知っていた。


二人は山の下の火の海を見つめ、誰も、何も言わなかった。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


今回は主にレオンについて書きました。みなさんは、このキャラクターをどう見てくれたでしょうか。


それでは、また次章でお会いしましょう。

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