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京都の宝探し

なぜだろう。


その「まだ」という言葉が、さっき以上に俺を不安にさせた。


結衣は声を上げて笑いながら、買ったお土産の袋を整理している。


「大樹って、本当に心配性だよね」


「結衣が心配させるようなことばっかりするんだろ」


舞夜も小さく笑いながら、赤いお守りをもう一度ポケットにしまった。


それから数分後。


俺たちは、再び寺院の入口前に集まっていた。


先生たちは人数を確認し、ガイドさんは何人かの観光客と話をしている。


「よし、みんな!」


担任の先生が声を上げた。


「休憩は楽しめたかな?」


「これから、今日の午後に行う特別活動の場所へ向かうぞ」


その瞬間、あちこちから声が上がった。


「やっとだ!」


「昨日からずっと楽しみにしてました!」


「先生、ヒントだけでもください!」


先生は楽しそうに笑う。


「言えるのは一つだけだ」


「今回の活動では、チームワークが必要になる」


すると、結衣がすぐに手を挙げた。


「賞品はありますか?」


「田中、お前は食べ物と賞品以外のことを考えられないのか?」


「たまには」


「それが一番心配だよ」


その場に笑い声が広がった。


俺たちは再び観光バスに乗り込んだ。


それから二十分ほど走ったところで、木々と伝統的な建物に囲まれた場所へ到着した。


目の前には大きな公園が広がっていた。


石畳の小道がいくつも伸び、その周囲には古い小さな建物がいくつも建っている。


先生たちは俺たちを広場の中央に集めた。


「よく聞いてくれ」


先生が説明を始める。


「今日の特別活動は――チーム対抗の宝探しだ」


その瞬間、全生徒の間に興奮したようなざわめきが広がった。


「各チームには、一枚の地図と、京都の歴史や文化に関するいくつかの手がかりが渡される」


「それらを解きながら、公園内にいくつか用意されたポイントを探してもらう」


「そして、一番早くすべてのポイントを見つけたチームには、最後に賞品が贈られる」


「やった!」


春人が声を上げる。


「これは楽しそうだ!」


麻美も嬉しそうに言った。


結衣は両手を高く掲げる。


「私のためにあるようなイベントだね!」


「それが一番心配なんだよな……」


俺が松に小声で言うと、松は小さく笑った。


先生はそのまま説明を続ける。


「チームはすでに決まっている」


そして、名簿を読み上げ始めた。


「第一チーム――春人、蓮、麻美、美子」


四人が手を挙げる。


続いて――


「第二チーム――松、田中結衣、井上、鈴木」


「完璧!」


結衣が満面の笑みを浮かべる。


そして先生は、もう一度手元の紙に目を落とした。


「第三チーム――南大樹、八神舞夜、小林、佐藤」


一瞬、舞夜と俺は顔を見合わせた。


「また一緒ですね」


舞夜が微笑む。


「うん……そうみたいだな」


その後ろでは、結衣が目を大きく見開いていた。


「なんで!?」


「どうして運命は、ここまで二人を一緒にするの!?」


「頼むから、もう始めないでくれ」


俺が言う。


「いやいや、これはもう私の想像を超えてきたよ」


松が声を上げて笑った。


「もう諦めたほうがいいんじゃないか、大樹」


「絶対に嫌だ」


「まあ、頑張れよ」


先生たちは各チームに地図と最初の手がかりを配り始めた。


辺りは一気に期待と緊張に包まれていく。


舞夜は、俺たちが受け取った地図をじっと見つめていた。


「私たち、勝てると思いますか?」


俺は数秒ほど考えてから、笑った。


「俺たちの運の悪さを考えると……たぶん途中で迷子になると思う」


舞夜が楽しそうに笑う。


「それなら、絶対に離れないようにしないといけませんね」


「それには完全に同意する」


その時、先生が笛を手に取った。


「よし、各チーム!」


先生が大きな声で叫ぶ。


「宝探し開始まで、あと三分!」


俺は手の中にある地図を見つめた。


この先に何が待っているのか、俺にはまだ分からない。


ただ――


隣にいる舞夜が、楽しそうな笑顔を浮かべている。


その姿を見ていると、なぜか思った。


今日の午後は――


今回の旅行の中でも、さらに忘れられない時間になる。


そんな気がした。

第184話を読んでいただき、ありがとうございます!


京都旅行の特別活動として、宝探しが始まります!


大樹と舞夜は再び同じチーム。

果たして二人は、無事に宝を見つけることができるのでしょうか?


次回も楽しんでいただけたら嬉しいです!

これからも応援よろしくお願いします!

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