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電球を灯すつもりだったのに

数日後。

ようやく『魔力の火種』を没収された状態で、私は誰もいない演習場に呼び出された。

「……今回の再試験は個別で行います。不正の余地がないよう、この魔法遮断空間で実力を示してもらう」

試験官が指し示したのは、巨大な魔法標的だった。


「今度はロウソクではありません。あの標的に、あなたの全力で魔法を叩き込みなさい。道具に頼らない、あなた自身の魔力だけで、です」


(魔法具があったからとんでもないことになったし、そもそもあれがないと魔法なんて出ないと思うけど……)

私は心中でぼやきながら、再び右手をかざした。改めて周りの生徒の動きを思い出しながらそれっぽい事を詠唱してみる。

前回の反省を活かし、私は脳内で「火」ではなく、もっと繊細なものをイメージする。

(……火がダメなら、光でいいか。電球を灯すくらいの、小さくて明るい光を……)

だが、私の体内の魔力は、数日間の「お預け」を食らってさらに飢えていた。

指先に意識を集中した瞬間。

視界が白銀に染まった。

ドォォォォォォン!!

凄まじい衝撃波が演習場を揺らし、魔法を遮断するはずの結界が、ガラス細工のように粉々に砕け散る。

光が収まったあと、そこにあったのは――跡形もなく消滅した標的と、背後には風穴が綺麗にあけられ、新しい景色の地平線だった。

「……あ」

私の指先から、一筋の煙が立ち上る。

隣を見ると、試験官が持っていた記録用の水晶が、あまりの出力に耐えきれず粉々に砕け散っていた。

「……あの、どうします?」

恐る恐る尋ねる私に、試験官は膝から崩れ落ち、ただガタガタと震える唇でこう呟いた。

「……この水晶、学院長に贈られた一点物だったんですが」

震える唇から漏れ出たのは、祈りのような呟きだった。

(……退学。……いや、下手をすれば国家反逆罪)


そんな不吉な言葉が、真っ白になった脳裏をぐるぐると駆け巡った

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