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未知の最強、仲間化計画

新たな種族の人とダンジョンを登っていると、やがてハネストたちの待つ場所に着いた。

「ヘルン!おかえり!」

「フィリアがその辺を見て回るって言って戻ってこないんだけど、知らない?」

フィリアが申し訳なさそうに僕の影から顔を出した。

「わ、私は、ここだ...」

「え、なんでヘルンと一緒にいるの?」

「それに、その人は誰?」

隠す訳にも行かないので、僕がみんなのもとを離れてから何が起こったのかを簡単に話した。

「なるほど」

「危険だったら戻るって約束、破ってごめん」

「うん、まあでも、その時に戻ってきてたらこの世界が滅んでいたかもしれないし」

「今回は無事で良かったってことにしよ」

ふぅ、あんまり怒られずに済んだ。

「その代わり、明日私と二人でお出かけね」

え。

「あ、私もー」

「私もー」

「私も行くー!」

ハネストに便乗して、アイシーとヘレナ、フィオナまでもがお出かけを求めた。

「は、はい...」

仕方ない、これも守護神の役目なのだ、きっと。

「それで、その人は?」

ハネストが、僕たちが連れていた二人を見ながら言った。

「男の子の方はククリさんで、」

「そういえば、お名前は?」

「我に名などない」

「好きに呼ぶといい」

未知、英語にするとunknown。

「じゃあ、アンナさん!」

「アンナさんね、よろしく」

「よろしく頼む」

「アンナさんの種族は新種だとして、ククリさんの種族も分からないですけど」

「ククリも新たな種だぞ」

「我が種族を変えたからな」

えー、新種ってそんなポンポン出てきていいものじゃないのに...

「ま、まあとりあえず、ヘルンとフィリアも帰ってきたことだし、二十階層までちゃちゃっと行っちゃおう」

「あ、それなんだけど、もう二十階層、行っちゃったんだよね」

ダンジョンボスを倒し、その魔石を提出することでダンジョン到達が認められる。

ククリとの戦闘の前の、無数の魔物の集団の中に、二十階層のボス(一番魔力の強い魔石を回収しただけ)が居たのだ。

「えー!」


ダンジョンを出ると、冒険者協会の会長が出迎えに来ていた。

「おお!よく戻ってきたな!」

「二十階層まで行ってきました」

「おお!本当か!これでお前たちもA級になれるだろう」

「それで、その人たちは誰なんだ?」

「あ、この人たちは・・・」

それから僕は協会に戻り、会長に、ダンジョンで何があったか、アンナとククリが何者なのか、話せるだけ話した。

「なるほどな、最近起きていた異常ももしかすればアンナさんの無意識な魔力放出が関係していたのかもしれないな」

「そこら辺はこっちで詳しく調べておく」

「どちらにせよ、もうA級か、こんなに早くのし上がっていく冒険者なんて、四十四階層まで到達した伝説のパーティ以来じゃないか」

「いえいえ、僕らは運が良かっただけです」

なんせ、アンナが話のわかる人でなければ今頃死んでいたのかもしれないのだから。

「ところで、アンナさんたちはどうするつもりなんだ?」

アンナさんたちなー、本当は死神の本部に預けたいんだけど、あれは死神の本部でも監視しきれない気がするな...

それならある程度意思の疎通がはかれることが分かってる僕が見てた方がいいのかな...

「とりあえず、僕が見ておきます」

「下手に刺激しない方がいい」

「たしかにな、悪いが任せた」

まあ、僕も神王として、アンナをそのまま放っておく訳にもいかないしな。

それに、ククリの種族を変えたと言っていた。

師匠が僕に施した魔法と似たようなものなのだろうか。

どちらにしろ、まだ分からないことは多いな。

「では、僕はこれで」

「ああ、お疲れ様だな、ゆっくり休んでくれ」

冒険者協会を出ると、溜まっていた疲れがどっと肩に乗り、一歩分ふらついてしまった。

「はあ、早く帰ろう」

とぼとぼと宿へ帰っていると、宿の方から大きな破壊音のようなものが聞こえた。

走って確かめると、宿が、全壊していた。

呆然と立ち尽くしていると、全壊した家の中心に立っていたアンナがこちらに気づき、駆け寄ってきた。

「おい、なんか壊れたぞ」

「なにしたの」

「私は宿の中で魔法の練習をしようとしただけだ」

「はあ、魔法の練習は森とか草原みたいな、誰もいないところでやるものだよ」

「そうなのか、それは知らなかった」

僕はとりあえず宿を完全に修復し、ついでに傷やその他経年劣化と見られるところを直した。

すると宿主さんも喜んでくれたので、ひとまず事は済んだ。

野次馬たちにはこの魔法は一年に一度しか使えないと適当に話した。

そうしなければ、僕は町の修理屋さんになってしまう。

宿に帰り、アンナに少し説教した後、僕は自室で休み始めた。

しばらく経つと、ハネストがドアを軽く叩き、入ってきた。

「ヘルン、大丈夫?」

「うん、少し疲れただけで、大丈夫だよ」

「最近、頑張りすぎてない?」

「フィリアから聞いたの、ヘルンでも命の危険があった戦いだったって」

「ヘルンくらい強くても、そんなことあるんだね」

「まあね、強ければ強いほど、相手も強くなる」

「でも、それを乗り越えた先に、きっと誰も戦わなくていい世界があるはずだと僕は思うんだ」

「なるほど...」

ハネストは難しそうな顔をした。

そろそろ話を変えようか。

「ところで、会長の名前ってなんなの?」

「聞きそびれてるんだよね、今更聞くにも気まずいし」

「それが、私も知らないの」

「え?」

「先輩は、軍所属の時から、必要文書に名前を書くことはあっても、絶対に名前を誰にも教えなかったの」

「上にも、自分の名前を出さないように頼んでたみたいだし」

「先輩は優秀だったから、上もそれを許して、だから、必要最低限の人しか先輩の名前を知らないの」

「なんでなんだろう」

「んー、先輩は、隠せる情報はなるべく隠した方が何かと得になる、とか言ってたけど」

「なるほどな」

確かに、彼はやり手だ。

なんせ、ウォリアスが冒険者の国とまで呼ばれるようになったのはここ十数年の話らしい。

つまり、会長が冒険者協会に来てから冒険者協会は大きくなったということだ。

そんなの、普通の人には到底できない。

やり手の考えることは、いつも常人の先を行く。

名前を隠すことにも、きっとなにか考えがあるのだろう。

会長が僕らの味方である以上、そこは詮索すべきではなさそうだ。


その時、自室の扉がバンバンと叩かれた。

ん?また決闘でも申し込みにきたのか?

「ヘルン!今すぐ来てくれ!」

え、会長?


ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

突然部屋に駆け込んできた会長、何が起こったのか。

次の話もお楽しみに!


次話は、5月7日に投稿します!

ご意見、ご感想、お待ちしております!

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