第七話 空を駆ける
第七話 空を駆ける
艦内は司令室へと走る者、設備被害の確認を急ぐ者など、慌ただしく、人が行き交っていた。
琴音と望月は、ERVが収容されているドックへと私服のまま、急ぎ走った。
琴音「ッ......出撃します!」
メカニック「準備、できてます!」
コクピットへの移動を行う。
機体前に配置されているリフトで、コクピット全面へと移動する。
琴音と望月が、それぞれコクピット前へ移動した。ゲートの内部で、ガシャン、とロック機構が外れる音がした。続いて、シューッと圧力の抜ける音が響き、ゲートが開いた。
2人はすかさず乗り込み、シートに腰を叩き落とす。
「起動準備」
ディスプレイが起動し、サイドにホログラムが表示される。低く鈍いエンジン音で機体が震え始め、機体のシステムが各系統の調整をし、起動が完了した。
レバーを握りしめる。準備万端だ。
ガガガガガ ガシャン
機体が固定されている台座ごと、二機が、出撃レーンへと移動する。
「メカニックは、退避してください」
アナウンスが流れ始めた。
メカニック達は、その頃には既に退避が完了している。皆、日頃から訓練されている。
前方の、外界へのゲートが開く。
空気の濁流が、外界へ向けて流れ出す。
二機の出撃フローは、一切の滞りなく、最速で完了した。
望月「ヴィルゴディーネ、望月、出撃します」
琴音「ヴァルキュリオン、天野、出撃します!!」
ガシャッ
ゴオオオオオオオオオ
二機とも、ジェット噴射と出撃レーンの加速により、瞬時に前方へと弾き飛ばされる。
「クッ......!!!」
急激な加速により、コクピット内に負荷がかかる。いくら最新のテクノロジーで負荷を軽減してるとは言え、乗っているのは生身の人間だ。
「........」
望月は、一切狼狽えない。
二機同時に、ガルディオンから大地のない、広大な天空へと、射出された。
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ジェットシステムにより浮上しつつ、敵を視界の中に捜索する。
おそらく無人機。初陣と同じタイプだとしても油断はできない。
琴音「敵は....どこ!!」
望月「.....ッ!」
ビイイイイイイイン
その時、背後の遠方から、鋭く細い網目状のレーザーの薙ぎ払いが刺し込まれた。
タイミングをズラして、複数本が網目上に迫ってくる。早い。
望月は、間一髪でかわす。
琴音は、もろに機体に攻撃を喰らった。
「あッ!!......」
細かい振動が、一定の長さで機体を揺らす。
しかし、機体には傷一つついていない。
琴音は、敵を改めて視認する。
直径5mほどの白い球体のドローンの群れ。
総数は、20機ほど。
20機が、計算されたフォーメーションを自律的に組んで、まるで鳥の群れの様に飛び回り、網目を張っている。
望月「フォーメーション、B」
「分かるわね」
琴音「.....!了解!」
二機で連携して、群れを抑え込む戦法だ。
ヴィルゴディーネから、ライフルの全追尾レーザーが、発射される。
ビュンッ
ドオオドオオドオオオンドオオオン
4機落とした。
敵機を、正確に追尾して、撃ち抜いていく。装備の性能以上に、望月の基礎の硬まった実戦慣れした立ち回りがあってこそ、この装備を使いこなせている。
琴音「すごい....」
望月「9時方向、弾幕張って!」
琴音「了解ッ!」
琴音は、望月の背後につき、装備されているマシンガンで敵の軌道に迫り、責め立てるように弾幕を貼った。
敵の網目が崩れる。
狙って、ヴィルゴディーネがライフルを撃ち放つ。網目が完全に崩壊した。
ドオオオンドオンドドオオドオンドオン
6機を連続して撃ち抜き、連続して爆散した。
半分は落とした。残り10機。
残りの敵が、追い打ちをかける様に、網目の貼り方を急激に狭めて迫る。範囲が狭い分、避けるには容易いが、網目の形状変化が早すぎる。
望月「少尉、弾幕!」
瞬時に弾幕を張る。敵を分断する。
分断した2つの網目が、それぞれ琴音と望月を取り囲んだ。
2機にレーザーの全方位攻撃がくる。
ビイイイイイイイン
望月は避ける。洗練された避け方で、同時にライフルで半分の網目を全て撃ち抜いた。
ドドドドドオオオオン
敵機がの群れの、片割れが爆散する。
琴音は、避けれなかった。
機体が切り刻まれる。
マシンガンを抱えている分、思いの外自由な動きができない。
「しまったッ....!」
すかさず、望月の援護射撃が来る。
複雑な軌道を描き、ライフルから伸びた射撃が残りの全ての敵機を撃ち落とした。
ドドドドドオオオオオン
連続して、残り全ての機体が爆散した。昼間の青空を敵機の残火が照らす。
望月「少尉、無事?」
琴音「な....なんとか」
望月「あなたのその装備....少し見直す必要がありそうね....帰ったら技術班に掛け合ってみれば。」
「.....そうする」
敵の襲撃は、食い止められた。しかし琴音はほとんど何もできなかった。全ての敵機を撃ち落としたのは望月だった。
「ハァ.......」
なんとか生き残った。緊張感から解放された琴音は機体のシートと重力に身を預ける。
そこへ、通信が差し込まれる
澪「2人とも、無事ね。よくやったわ。」
突如襲来した、敵機の群れからのガルディオンの防衛は、こうして達成された。
澪は、軍人モードへ切り替え、通信越しに次のスケジュールを告げる
澪「もうじき.....東京に近づく」
「2機とも、この後、早急にメンテナンスと、装備の調整を行う」
澪「2人も、次に備え、よく休養を取っておく様に」
第八話へと続く




